トラネキサム酸ってどんな成分?効果を活かすスキンケアの仕方

トラネキサム酸が注目される理由
最近、日本だけでなく韓国などの海外でも、トラネキサム酸を配合したスキンケア用品が販売されています。では、なぜこの成分は注目されるようになったのでしょうか。
これは、トラネキサム酸が持つ効果や特徴が関係しています。本コラムでは、トラネキサム酸の効果を解説しつつ、その効果を活かすスキンケアのポイントについて取り上げていきます。
トラネキサム酸とは

トラネキサム酸とは
トラネキサム酸は、必須アミノ酸であるリシンをもとに合成された成分で、1960年代に日本で開発されました。もともとは炎症や血流を穏やかにする作用から、止血剤や抗炎症剤として活用されてきた成分です。現在も、喉などの炎症を抑える成分として風邪薬などに配合されています。
1990年代以降は美容成分として注目されるようになり、2002年には美白効果を持つ有効成分として厚生労働省の認可を受けました。現在ではさまざまなスキンケア製品に採用されており、日本だけでなく海外メーカーのスキンケアアイテムにも広く配合されています。
スキンケアにおけるトラネキサム酸の効果

トラネキサム酸のスキンケア効果
スキンケアにおけるトラネキサム酸は、複数の効果が期待できるといわれています。それぞれ期待できる効果について解説しますので、スキンケアアイテムを選ぶ際の参考にしてください。
シミや肝斑を防ぐ
トラネキサム酸の代表的な効果が、シミや肝斑を防ぐ美容効果です。
人の肌が紫外線を浴びると、細胞からメラニンを作る細胞であるメラノサイトに対して、メラニン生成の信号が送られます。この信号伝達に関わっている成分がプラスミンです。トラネキサム酸には、このプラスミンの働きを抑える効果が期待されています。
特に、ほかの美容成分では対処が難しい肝斑に効果があるといわれており、内服薬は肝斑治療に、スキンケア製品はその予防効果が期待されています。シミができる前にケアしたい方に適した成分といえるでしょう。
赤みや肌荒れを鎮める

肌荒れやニキビを防ぐ
トラネキサム酸は、もともと抗炎症薬として開発された成分です。この作用はスキンケアにも活かされており、肌荒れやニキビの赤みを和らげる効果が期待できます。
肌荒れしやすい方や、ニキビ跡が気になる方は、日頃のスキンケアにトラネキサム酸を取り入れるのがおすすめです。
また、季節の変わり目やホルモンバランスの乱れ、マスクによる摩擦などで起こる肌トラブルにも作用します。一時的な肌荒れのケアにも適した成分といえるでしょう。
最新研究では保水力の向上も期待
第一三共ヘルスケア株式会社が2024年10月に発表した研究では、トラネキサム酸が皮膚の角層水分量を増加させることが確認されています。
現時点では研究段階ではあるものの、この成果が応用されれば、より保湿効果の高いスキンケア製品の開発が期待されています。また、乾燥による肌荒れのケアにも役立つ可能性があるでしょう。
トラネキサム酸の美容効果の取り入れ方

内服薬としてのトラネキサム酸の効果
トラネキサム酸が美容目的で活用されるのは、スキンケアだけではありません。内服薬、つまり飲み薬としても使用されています。スキンケアと内服薬では効果に違いがあるため、より効果的に活用するには内服薬の特徴も理解しておきましょう。
肝斑の改善が期待できる
内服薬としてのトラネキサム酸の代表的な効果が、肝斑の改善です。
スキンケアの場合、期待できるのは主に肝斑の予防までですが、内服薬であれば既にできてしまった肝斑の改善も一定程度期待できます。
美容医療との併用で相乗効果
美容医療によるレーザー治療と併用することで、相乗効果も期待できます。
また、トラネキサム酸の抗炎症作用により、レーザー治療後に起こりやすい色素沈着を抑える効果も期待されています。
継続して服用することで、色むらの少ない透明感のある肌を目指すことができるでしょう。
トラネキサム酸がスキンケアにおすすめな理由

トラネキサム酸がおすすめされる理由
市販のスキンケア用品に使われる美容成分は、トラネキサム酸だけではありません。肌を整える効果のある成分はほかにも数多く存在します。ここでは、その中でもなぜトラネキサム酸がおすすめなのかについて解説します。
荒れた肌でも使いやすい
シミ予防などの代表的な成分として、ビタミンCやハイドロキノンがあります。これらは高い効果が期待できる一方で、肌が弱い方にとっては刺激となる場合があります。
また、乾燥を引き起こす可能性もあるため、敏感肌や乾燥肌の方は注意が必要とされています。
一方、トラネキサム酸はこれらの成分と比べて穏やかに作用するのが特徴です。肌荒れを整える効果も期待できるため、紫外線や花粉などによってダメージを受けた肌にも使いやすい成分といえるでしょう。
ドラッグストアでも購入しやすい
トラネキサム酸は水溶性の成分であり、化粧水をはじめとしたさまざまなスキンケア製品に配合されています。その中には、ドラッグストアなどで手頃な価格で購入できるものも多く、日常のケアに取り入れやすいのが特徴です。
どれほど優れた成分でも、価格が高すぎたり購入できる場所が限られていたりすると、継続が難しくなります。その点、トラネキサム酸は身近な場所で入手しやすく、継続しやすい成分といえるでしょう。
スキンケアは継続することで効果を実感しやすくなります。購入しやすい製品が多い点も、トラネキサム酸がおすすめされる理由の一つです。
ほかの成分と組み合わせやすい
スキンケア成分の中には、組み合わせによっては肌トラブルの原因となるものもあります。そのため、成分によっては朝と夜で使い分けが必要になる場合もあります。
トラネキサム酸は比較的穏やかな性質を持ち、多くの成分と併用しやすいのが特徴です。ほかのスキンケア製品と組み合わせることで、相乗効果が期待できる場合もあります。
また、化粧水だけでなく美容液やクリームなど幅広い製品に配合されているため、現在使用しているアイテムに追加しやすい点も魅力です。選択肢が豊富で、日常のスキンケアに取り入れやすい成分といえるでしょう。
トラネキサム酸とほかの美白成分との違い

他の美白成分との違い
一般的に美白成分と呼ばれるものは、それぞれ作用の仕方が異なります。この違いを理解しておくことで、より効果的なスキンケアを選択できるようになります。
ここでは、トラネキサム酸と同様に比較的手に入りやすい美白成分との違いについて解説します。
ビタミンC誘導体
ビタミンCはさまざまな美容効果が期待できる成分で、多くのスキンケア製品に配合されています。ただし、酸化しやすい性質を持つため、安定性を高める目的で他の成分と結合させた「ビタミンC誘導体」として使用されるのが一般的です。
美白やトーンアップにおいては、主に以下の効果が期待できます。
・黒くなったメラニンを還元し、肌本来の色に近づける
・メラニン生成に関わる酵素(チロシナーゼ)の働きを抑制する
一方、トラネキサム酸はメラノサイトへのメラニン生成の指令を抑える働きがあります。そのため、ビタミンC誘導体と併用することで、異なるアプローチから美白効果を高めることが期待できます。
ナイアシンアミド
ナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、メラニンの輸送を抑制する働きがあります。この作用により、トラネキサム酸と同様に美白やトーンアップ効果が期待されています。
また、それぞれの成分には美白以外の特徴もあります。
・トラネキサム酸:肌荒れの予防・改善
・ナイアシンアミド:シワ予防・バリア機能のサポート
似た目的で使用される成分ではありますが、肌荒れやシワなどの悩みに応じて使い分けることが可能です。複数の肌トラブルに対応したい場合は、組み合わせて使用するのもよいでしょう。
トラネキサム酸の効果を高める使い方

トラネキサム酸を効果的に使う方法
トラネキサム酸は単体でも十分な効果が期待できますが、より効果を高めるためには使い方に工夫が必要です。ここでは、トラネキサム酸配合のスキンケアを効果的に取り入れる方法について解説します。
医薬部外品の効果で選ぶ
医薬部外品とは、医薬品ほどの強い作用はないものの、有効成分が一定濃度で配合された製品のことを指します。主に予防や衛生管理を目的として使用され、スキンケア製品もその一つです。
トラネキサム酸が医薬部外品の有効成分として配合されている場合、主に以下のいずれかの効果が認められています。
・美白
・肌荒れ防止
どの目的で配合されているかはパッケージや成分表示に記載されているため、購入時には必ず確認しましょう。
なお、医薬部外品は厚生労働省によって濃度や効果に基準が設けられています。トラネキサム酸の美白用途においては、配合上限は2%とされています。あらかじめ基準を理解しておくことで、より適切な製品選びにつながります。
朝晩のスキンケアに取り入れる
トラネキサム酸は継続的に使用することで効果を発揮しやすく、時間帯を問わず使用できる成分です。そのため、朝晩のスキンケアの両方に取り入れるのがおすすめです。
朝と夜では、それぞれ以下のような効果が期待できます。
・朝:紫外線や摩擦によるシミ・肝斑の予防
・夜:日中に受けたダメージからの回復をサポート
ただし、トラネキサム酸はあくまでシミ予防をサポートする成分であり、紫外線を完全に防ぐものではありません。日中の外出時には、日焼け止めなどの紫外線対策も併せて行いましょう。
他の成分と組み合わせて使う
美白やトーンアップを目的とした成分は、それぞれ異なる働きを持っています。より高い効果を目指す場合は、トラネキサム酸単体ではなく複数の成分を組み合わせることが重要です。
| 成分 | 期待できる効果 |
|---|---|
| ビタミンC誘導体 | 美白・トーンアップの相乗効果 |
| アルブチン | シミ・そばかす予防の相乗効果 |
| ナイアシンアミド | 美白とバリア機能強化 |
| グリチルリチン酸ジカリウム | 炎症の抑制 |
| セラミド | 保湿・バリア機能強化 |
| グリシルグリシン | キメを整え透明感をサポート |
トラネキサム酸は、他の成分と組み合わせることで多角的なアプローチが可能になります。現在の肌状態や目指したい肌に合わせて、最適な組み合わせを選びましょう。
効果が出るまでの目安期間

効果を実感するまでの期間
トラネキサム酸は肌への刺激が少なく、穏やかに作用する成分です。そのため、効果を実感できるようになるまでには一定の時間がかかります。
毎日継続して使用した場合、一般的には2〜3か月程度で肌のトーンなどに変化を感じ始める方が多いとされています。
スキンケアの効果は、肌のターンオーバーの周期に大きく影響されます。効果をすぐに実感できないからといって途中で使用をやめてしまうと、本来得られるはずの効果を感じにくくなってしまいます。
まずは、ターンオーバーの目安である約28日間を一つの基準として、継続して様子を見ることが大切です。
トラネキサム酸をスキンケアに活用する際の注意点

トラネキサム酸を使用する際の注意点
トラネキサム酸は比較的取り入れやすい成分ですが、まれに肌に合わない場合もあります。スキンケアに取り入れる際は、使い方のポイントだけでなく、以下の注意点にも気をつけて使用しましょう。
異常を感じた場合はすぐに使用を中止する
トラネキサム酸は肌にやさしい成分とされていますが、すべての方に適しているわけではありません。また、配合されている他の成分が原因で肌トラブルが起こる可能性もあります。
使用中に赤み・かゆみ・刺激などの異常を感じた場合は、すぐに使用を中止してください。
一般的に、スキンケア製品が原因の肌トラブルは、使用を中止することで改善するケースが多いとされています。しかし、症状が長引く場合や悪化する場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
新しいスキンケア用品を取り入れる際は1種類だけに絞る

新しいスキンケアは一度に1つだけ取り入れる
スキンケア用品を複数同時に取り入れると、万が一肌に合わなかった場合に、どの製品が原因なのか判断しにくくなります。トラネキサム酸を取り入れる場合も同様です。
新しいアイテムを使用する際は、まず1種類だけに絞って取り入れましょう。
さらに別のアイテムを追加したい場合は、最初に使用した製品を一定期間使い、安全に使用できることを確認してからにすることが大切です。
内服は医師の指導を受けてから
トラネキサム酸の内服薬は、皮膚科や美容クリニックのほか、ドラッグストアでも購入できます。実際に店頭で見かけ、購入を検討したことがある方もいるかもしれません。
しかし、安全性を考慮すると、内服薬を使用する際は医師の診察を受けることが望ましいとされています。
医薬品としてのトラネキサム酸には禁忌事項があり、以下に該当する方は服用できません。
・血栓症のある方
・腎不全のある方
・妊娠中の方 など
また、副作用が生じる可能性もあり、持病や体調によっては服用を控える必要があります。これらの判断は専門的な知識を持つ医師に委ねることが重要です。
医師の指示のもとであれば、体調や症状に応じた適切な処方を受けることができます。自己判断での服用は避け、初めて使用する場合は必ず医師の診察・指導を受けるようにしましょう。
まとめ

まとめ
トラネキサム酸は、ドラッグストアなどでも手軽に購入できる、ポピュラーな美白成分です。シミや肝斑の予防、肌荒れが気になる場合でも、比較的取り入れやすい点が特徴です。
単体でも十分な効果が期待できますが、より高い効果を目指す場合は、他の美容成分と組み合わせて使用することも検討してみましょう。
ご自身の肌状態や目的に合わせて適切に取り入れ、継続的なスキンケアを行うことが、美しい肌を保つためのポイントです。


