これってもしかして…更年期の症状と付き合っていく方法5選!

『更年期』というワードは一度でも耳にされた事のある方は多いはず。

40代半ば〜50代になってくると気分が優れない、特別病気でもないのに体がだる重い、イライラが止まらない、食欲がないなど症状は様々です。

女性の場合は、『月経不順』が生じる場合も多くあり、ホルモンのバランスや自律神経が影響しているといえるでしょう。

これらは加齢に伴い、更年期障害が出てきている証。

特に40代から出てくるケースが多いですが、若年層の30代でも症状が出てくる方もいらっしゃいます。

更年期って何?

主に女性が閉経を迎える前後10年の間の事を『更年期』と呼びます。

女性の月経には周期があり、およそ4段階に分かれています。

①月経を迎える思春期

②月経が続く時期の性成熟期

③月経が終わる時期の更年期

④月経を終えた後の老年期

この様に、4段階のライフステージに分かれています。

いつも規則正しく来ていた月経周期が加齢に伴い不安定になり、いずれ閉経を迎えます。

閉経を迎える年齢は平均では大体50歳前後が多いですが、この閉経の時期を挟んだ前後の45歳〜55歳くらいの10年間を『更年期』といいます。

※ここで知りたい!閉経する年齢と一体どうなると閉経??

・閉経とは・・・

女性の月経が停止した状態を閉経といいます。

月経が停止する事はホルモンのバランスの乱れやストレスにより起こる可能性があり、閉経とは約1年間月経がない状態である事を基準としています。

閉経する年齢って何歳?

閉経前、最後に月経が来た年齢を閉経の年齢と定めています。

女性の体は女性ホルモンが卵巣で産生されていますが、40歳くらいから機能が低下し始め女性ホルモンが著しく減少します。

これに伴って、これまでに定期的に来ていた月経が不規則になり、個人差はありますが大体50歳前後で閉経を迎えます。

この閉経を挟む45歳〜55歳までの10年間は更年期の影響で心身共に不安定になったり、体の不調が起き始めるのです。

ライフステージと女性ホルモンの関係性

女性の体は思春期になるとエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が高まり初経(初めての月経)を迎えます。

その後、性成熟期に入ると安定し、妊娠や出産に適した時期に入ります。

やがて更年期である40代半ばを迎えると、エストロゲンの分泌は急激に低下し50歳前後で閉経します。

閉経した前後の10年間に心身の不調が起こるのは、このエストロゲンの欠乏による影響です。

また閉経後の老年期を迎えた状態で、エストロゲンの欠乏が長く続いてしまいますと、生活習慣病や認知症、骨粗しょう症などの疾患をもたらせるリスクが高まる事から、女性のライフステージとエストロゲン(卵胞ホルモン)は深く関係しているのです。

更年期の症状とは…わかりやすく解説!

1 月経のサイクルや月経量が不安定になる

更年期になると、女性はエストロゲンの分泌が減少し始め、月経に乱れが生じます。

これまでは定期的にきていた生理周期が短くなったり、月経量が減少します。

また個人差がありますが、生理痛がこれまでよりも軽くなったといった変化を感じる事もあります。

〜生理痛が軽くなる仕組み〜

更年期になって生理痛が軽くなるのは、女性ホルモンの分泌が減少する事により、子宮内膜が厚くならない事や、生理痛を引き起こす『プロスタグランジン』も減る為です。

生理痛は症状が重い人には、仕事にも影響する程辛いので軽くなるのは嬉しい変化だといえます。

逆に更年期になっても生理痛が極端に酷い場合や不正出血が多い場合は、『子宮内膜症』や『子宮筋腫』などの婦人科系の病気が隠れている可能性もありますので、早めに婦人科を受診された方が良いでしょう。

2 動悸・息切れが生じる

例えばランニングなどの激しい運動をしたわけでもないのに突然動悸や息切れが起こる事があります。

心臓が波打つかの様に、寝ている時に急にドキドキしたり、何気ない時に動悸が起こるのが特徴です。

また少し歩いただけなのに激しい息切れを感じたり、苦しくなったりする事もあります。

〜動悸・息切れが起こる仕組み〜

更年期に入ると、卵巣の機能が低下する影響で女性ホルモンの分泌量が減少します。

そうすると、視床下部から命令がうまく行き届かなくなります。

視床下部は自律神経と深く関わっているので、自律神経に乱れが生じる事で心拍に影響が出て、動悸や息切れを引き起こすのです。

またエストロゲンには血管を保護する作用もある為、女性ホルモンを左右するエストロゲンが著しく低下する事で、動悸などの循環器系の疾患が増えるともいわれています。

3 急に強い不安感が生じる

更年期になると、何気ない日常で急に不安感が生じる事があります。

『急に将来に不安を感じる』、『理由もない不安と孤独感に襲われる』、『心がざわざわする』などの症状があらわれます。

その影響で仕事に支障したり、急に何もやる気が起こらなくなり、一日中家から出られなくなるといった人も少なくありません。

〜不安感が生じる仕組み〜

女性ホルモンは脳内の視床下部から卵巣へと命令が伝達されて、エストロゲンが分泌されています。

視床下部は、自律神経をコントロールしているので変調によってうまく伝達されないと、神経細胞に支障が出て精神神経系の症状を引き起こします。

更年期になると、卵巣機能の低下と共にエストロゲンの分泌量が減少し、精神神経系の症状へと繋がるわけです。

頭痛やめまいが起こりやすい

更年期に起こる頭痛は『2種類』あります。

片頭痛

・頭の片側だけがズキンズキンと波打つように痛む

・痛みによって吐き気や嘔吐を伴う

・光や音に過敏になり、それによって頭痛が生じる

・階段や坂を上がっただけで激しい頭痛に襲われる

〜片頭痛が起こる仕組み〜

片頭痛は女性に多い症状で、アルコール摂取や睡眠不足なども要因の一つですが、女性ホルモンの減少が主な要因とされています。

また、エストロゲンの変動が激しくなる更年期には多くあらわれるといわれており、閉経後にはエストロゲンの変動が緩やかになる事から症状が軽くなります。

緊張型頭痛

・頭全体がガンガンと痛む

・階段や坂を上がっても特に激しい痛みが生じる事はない

・肩こりなどの影響で痛む事がある

・痛みを感じている最中に吐き気や嘔吐などがない

〜緊張型頭痛が起こる仕組み〜

緊張型頭痛は一定の姿勢を長く続ける事による血流の流れの停滞から起こるケースが多く、女性に多くみられます。

目や肩こりなど視神経からくる事も特徴です。

また、不安や過度なストレスが影響する事もあり、これは筋肉が緊張する為に血液の流れに停滞が生じる事で頭痛の症状が出る事もあります。

ここで知りたい!頭痛の対処法とは・・

片頭痛

・アルコール摂取は控える

・カフェインが入った飲み物はなるべく避ける

・寝る前のスマホなどの光は避け、質の良い睡眠を心掛ける

緊張型頭痛

・長時間同じ姿勢でいる事を避ける

・適度なストレッチを取り入れて、血流を良くする

・眼精疲労に効果のある目薬やサプリを使用する

鬱の症状が出る

更年期になると、普段感じないような不安感や絶望感といった鬱の症状が出る事があります。

▪️簡単な鬱の症状チェック

□以前楽しめていた趣味や物事が急に楽しめなくなる

□何もないのに気分が落ち込んで憂鬱な気持ちになる

□食欲が低下し、普段よりお腹も空かなくなる

□疲れやすく、集中力が低下し何もやる気が起きない

□すぐに目が覚めたり、寝つきが悪い

□自分だけが取り残されている様な絶望感を感じる

〜鬱の症状が出る仕組み〜

更年期になると卵巣の機能が衰え、エストロゲンの減少により視床下部の機能に変調が起こります。

視床下部からの伝達機能が衰える事により自律神経に支障が出て、抗うつや自律神経失調症などの精神神経症状が起こりやすくなります。

また更年期の女性は社会や家庭でのストレスを感じる機会が多くなります。

職場での人間関係のストレスや親子問題、両親の介護の問題など悩みを抱える事が多い為に、心身に支障するケースが多いのも事実です。

教えて!更年期に今日から出来る対処法とは・・?

1 食生活を改善する

更年期には女性ホルモンの減少によって、不安や体の不調等の様々な症状があらわれます。

エストロゲンの分泌量を20代の頃へと戻すのは不可能ですが、食生活の見直しをする事で、エストロゲンの減少によって生じる体の不調を緩和し、更なる悪化を未然に防ぎます。

また、自律神経失調症などの精神神経系の疾患を予防する効果もあります。

ここで知りたい!食生活をどのように改善すれば良いの?

どうしてもこれが良いと聞くと、それを中心に食べれば良いと考えてしまう方も多いですが更年期の食事は『バランスの取れた食生活』これが一番有効です。

・主食

ご飯、パン、麺類など

炭水化物は体を動かすエネルギー源です。

糖質は脂質に比較するとエネルギーに変わりやすいのも特徴です。

・主菜

肉、魚、卵、大豆製品など

たんぱく質の源となる食材で、臓器を構成したりなど体には欠かせない栄養素です。

たんぱく質は、筋肉や血液を作ります。

また免疫力を高める作用もあり、体に入ってくるウイルスや細菌の侵入を防ぐ役割も果たしています。

・副菜

緑黄色野菜、海藻、キノコ、豆など

健康には欠かせないビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源です。

ビタミンは血管や皮膚、骨を作る大事な栄養素です。

また血流を良くする役割や、新陳代謝を促す効果もあり、健康や美容にも良いといえます。

・その他乳製品など

チーズやヨーグルト、牛乳など

女性は更年期になると骨の密度が減少し、骨粗しょう症にかかりやすくなります。

牛乳、ヨーグルト、チーズなどはカルシウムの供給源ですので、積極的に摂取すると良いでしょう。

またヨーグルトに含まれる善玉菌には腸内環境を良い状態に保つ働きがあり、自律神経を整える効果もあります。

これらの食品を日常的にバランス良く取り入れる様に工夫し、食生活を見直してみましょう。

2 適度な運動を取り入れる

更年期の女性には特に有酸素運動が効果的といわれています。

例えば、ウォーキングや水中歩行などを行った結果、行う前よりも更年期の症状が軽くなったという指標が報告されています。

また、有酸素運動と一緒にストレッチを取り入れると良いでしょう。

ストレッチを取り入れる事で、全身の血流が良くなり、精神神経症状や抗うつ症状を緩和させる効果があります。

更年期に入る40代半ばになりますと、疲れから浮腫みも生じやすくなります。

ストレッチを行う事で、浮腫みによって下半身に脂肪が蓄積されるのを防ぎます。

3 サプリメントで補う

どうしても食事だけで補えない場合は、手軽なサプリメントで補うのも一つの方法です。

女性ホルモンを助けるサプリメントはいくつかあります。

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンはエストロゲンと似た働きをします。

その事から『植物性エストロゲン』ともいわれています。

大豆イソフラボンには、更年期の症状でもある不安やイライラ、めまいなどを改善する効果が期待でき、骨粗しょう症の予防にもなります。

また動脈硬化などを防ぐ役割もあるので、体に不調が出やすくなる更年期の健康を保つのにも効果的です。

オメガ3脂肪酸

更年期になるとホルモン分泌量が減少しますが、『オメガ3脂肪酸』はホルモンの受け取りを担う細胞を整える働きがあります。

細胞膜を柔らかくしてホルモンの分泌を調整する事で、更年期特有の症状などを緩和する効果も期待できます。

※ここで知りたい!オメガ3脂肪酸とは・・?

・DHA  (ドコサヘキサエン酸)

サバやサンマなど青魚に含まれます。

・EPA  (エイコサペンタエン酸)

サバやイワシなど、DHAと同じく青魚に含まれます。

・αリノレン酸

えごま油や亜麻仁油、くるみに含まれます。

サプリメント以外でも、えごま油や亜麻仁油ならば、小さじ1杯程度で充分なので野菜サラダ、お豆腐やお味噌汁などに足しても良いでしょう。

4 医療機関を受診する

サプリや食事療法も効果的ですが、それでも改善されない場合は医療機関を受診する事をおすすめします。

治療方法としては、ホルモン補充療法(HRT) といわれる治療法があります。

・ホルモン補充療法(HRT) とは・・?

飲み薬や貼り薬などでエストロゲンを補い、更年期の症状を改善する治療法です。

・動悸

・イライラ

・ホットフラッシュ

・慢性的な疲れ

・気分の低下、喪失感

これらの更年期の症状の改善を行います。

また更年期に起こりやすい骨粗しょう症や動脈硬化などの予防にも繋がります。

5 漢方療法

個々の体質に合った漢方を内服する事で、免疫力や体本来が持つ力を高め全体的に治療する方法です。

ここで知りたい!更年期にはどんな漢方がいいの・・?

加味逍遙散(かみしょうようさん)

更年期に主に服用されている漢方で、不安感、イライラ、抗うつなど精神症状を改善すると共に、ほてりやホットフラッシュなども和らげてくれます。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりょうこつぼれいとう)

不安症状、対人恐怖症などに服用される漢方です。

不安感などの気を整えてくれる生薬が含まれており、イライラによる気の乱れを抑えたり、更年期の精神症状などを緩和し、不眠の改善なども期待できます。

〜更年期と上手に付き合っていこう!まとめ〜

更年期は女性なら誰しも経験する症状です。

エストロゲンの分泌量の減少によって主に頭痛やめまい、不安感、抗うつなどの症状が出ますが、食事を改善したり適度な運動で辛い症状は抑える事が出来ます。

また、一人で抱え込まない事もとても大切。

家族、友達、会社の同僚など周りの人もある程度の年代になりますと、同じ症状で悩んでいる女性も多いでしょう。

少しでも気持ちを共有したり、会話をする事で気持ちが楽になります。

それでも辛い時は、医療機関を受診して医師に相談をしてみる事から始めてみてください。

自分なりの方法を見つける事で、更年期と上手に付き合っていってくださいね。

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