推しと美容とメンタルヘルス – 適応障害の私が見つけた小さな光

はじめに
適応障害と診断されて、もう何ヶ月が経ったでしょうか。毎日が休みになって、最初は「やったー!」と思ったものの、現実はそんなに甘くなかった。罪悪感と無力感が常に付きまとって、推しを見ても貢げない自分にまた凹む。そんな日々の中で、私なりに見つけた小さな希望の話をしようと思います。
推しとの距離感が変わった話
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適応障害になる前は、推しのライブに行って、グッズを買って、CDを何枚も買って…そんな「普通のオタク生活」をしていました。でも今は違う。お金もないし、外に出る気力もない日が多い。推しの配信を見ながら「貢げなくてごめん」って思ってしまう自分がいて、それがまた辛くて。
でも、ある日気づいたんです。推しって、私がお金を使うことを求めているわけじゃないんだって。もちろん、応援の形としてお金を使うことも大切だけど、それが全てじゃない。推しの笑顔を見て自分も笑えること、推しが頑張ってる姿を見て自分も少しでも前向きになれること。それだって立派な応援だし、推しとの関係だと思うんです。
今は無料の配信を見て、Twitterで感想をつぶやくくらいしかできないけれど、それでも推しがいてくれることに感謝している毎日です。お金をかけられない罪悪感はまだあるけれど、以前より少しだけ軽くなった気がします。
美容への向き合い方が180度変わった
適応障害になってから、美容に対する考え方が大きく変わりました。以前は「人に見られるため」「社会的に適切に見えるため」の美容だったけれど、今は「自分のため」の美容になった。
スキンケアは自分を労わる時間
朝起きて、鏡を見るのが怖い日もあります。顔色は悪いし、目の下にはクマがくっきり。でも、そんな自分の顔を見ながら丁寧にスキンケアをする時間が、今の私にはとても大切になっています。
洗顔料を泡立てて、優しく顔を洗う。化粧水をパッティングしながら「今日もお疲れさま」って自分に声をかける。美容液を塗りながら「少しずつでいいからね」って励ます。最後にクリームで蓋をしながら「明日はもう少し良い日になりますように」って願う。
これが私の新しい美容ルーティンです。以前は時短重視だったけれど、今は時間をかけて、自分と向き合う時間として大切にしています。
メイクは戦闘服からセルフケアへ
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働いていた頃のメイクは、完全に「戦闘服」でした。眉毛はキリッと、アイラインはシャープに、リップは血色良く。完璧に見せなきゃ、しっかりしてる風に見せなきゃ、って必死でした。
今は違います。調子の良い日は好きな色のアイシャドウをのせてみたり、リップクリームに少し色がついたものを選んでみたり。調子の悪い日は何もしない日もあります。それでいいんだって思えるようになりました。
特に最近お気に入りなのは、推しのイメージカラーを取り入れたメイク。推しのメンバーカラーのアイシャドウを薄くのせるだけで、なんだか推しと一緒にいるような気持ちになれるんです。外に出なくても、推しと過ごしている特別な時間みたいで。
ヘアケアは瞑想タイム
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髪を洗うのがしんどい日もあります。お風呂に入ること自体がハードルの高い日もある。でも、髪を洗える日は、それを瞑想の時間にしています。
シャンプーをしながら、今日あった小さな良いことを思い出してみる。トリートメントを馴染ませている間は、深呼吸をして心を整える。ドライヤーの音に集中して、他のことを考えないようにする。
髪がサラサラになると、なんだか心も少し軽くなった気がします。些細なことだけど、こういう小さな変化を大切にしたいと思っています。
メンタルヘルスとの付き合い方
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適応障害って何だろう
私が適応障害と診断されたとき、正直よくわからなかった。うつ病とは違うの?甘えなの?そんな疑問でいっぱいでした。
調べてみると、適応障害は「特定のストレス因子に対して、正常な適応反応を示せない状態」らしい。つまり、私の場合は職場環境に適応できなくて、心と体が悲鳴を上げたということ。
「私が弱いから」って最初は思ったけれど、先生は「環境と個人の相性の問題で、あなたが悪いわけではない」と言ってくれました。それでも、自分を責めてしまう日はたくさんあります。
薬との付き合い方
抗不安薬を処方されています。最初は「薬に頼るなんて」って抵抗がありました。でも、薬を飲むことで少しでも楽になるなら、それでいいじゃないかって思うようになりました。
薬を飲む時間を、自分を大切にする時間だと捉えています。「今日も一日お疲れさま、少し休もうね」って自分に声をかけながら飲む。薬は魔法の杖じゃないけれど、私が自分らしく生きるための道具のひとつだと思っています。
カウンセリングで気づいたこと
月に2回、カウンセリングに通っています。最初は「何を話せばいいかわからない」状態でしたが、今は貴重な時間になっています。
カウンセラーの先生は、私の話をただ聞いてくれます。否定も肯定もせず、ただ「そうなんですね」って受け止めてくれる。そこで気づいたのは、私がどれだけ自分に厳しかったかということ。
「〜すべき」「〜でなければならない」という思考パターンが強すぎて、自分で自分を追い詰めていたんです。完璧主義で、100%できないなら0%と同じだと思っていた。でも、50%でも30%でも、今の自分にできることをやればいいんだって、少しずつ思えるようになってきました。
推しから学んだセルフケア
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推しの頑張りを見て思うこと
推しを見ていると、本当に毎日努力している姿が伝わってきます。練習、レッスン、仕事…休む暇もないくらい忙しそう。でも時々、配信で疲れた表情を見せることもあって、「ああ、推しも人間なんだな」って当たり前のことを再確認します。
推しが疲れているとき、ファンとして「無理しないで」「体調を第一に」って思うのに、どうして自分には同じ優しさを向けられないんでしょうね。推しに向ける愛情の1/10でも自分に向けられたら、もう少し楽になれるのかもしれません。
推しの美容法を真似してみる
推しがインスタで紹介していたスキンケア方法を真似してみたり、髪型を寄せてみたり。以前は「どうせ私には似合わない」って思っていたけれど、今は「推しと同じことをしている」という事実だけで嬉しくなります。
推しが使っているプチプラコスメを買ってみたり、推しが食べていたスムージーを作ってみたり。高価なものは買えないけれど、こういう小さな「推しとのリンク」が、日常に彩りを与えてくれます。
体調の波との付き合い方
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良い日と悪い日の落差
適応障害になってから、体調の波がはっきりしています。良い日は「もう治ったかも!」って思うくらい元気だし、悪い日は「一生このまま」って絶望的になる。この落差が一番辛いかもしれません。
良い日は欲張って色々やろうとして、結果的に疲れて次の日にダウン。悪い日は何もできない自分を責めて、さらに落ち込む。このサイクルから抜け出すのに時間がかかりました。
波に逆らわない生活
最近は「波に逆らわない」ことを心がけています。調子の良い日は、できる範囲で活動する。でも翌日のことを考えて、8割程度に留めておく。調子の悪い日は、無理をしない。とにかく休む。
これって、推しのスケジュール管理から学んだことかもしれません。推しも忙しい時期と休養期間のメリハリをつけて、長期的に活動を続けられるよう調整している。私も同じように、短期的な「頑張り」より長期的な「続けること」を重視するようになりました。
美容を通じた自己肯定感の回復
小さな変化を喜ぶこと
髪がツヤツヤになった、肌の調子が良い、爪がきれいに伸びた。こんな小さな変化も、今の私には大きな喜びです。以前は「もっと、もっと」って思っていたけれど、今は「今日の私、ちょっといいじゃん」って思える日が増えました。
特に、推しと同じヘアアレンジができた日は、鏡を見るのが楽しくなります。「推しと同じ髪型の私」を見ると、なんだか自分も特別な存在のような気がしてくる。錯覚かもしれないけれど、それでもいいんです。
セルフケアアイテムへの投資
お金に余裕はないけれど、月に一つだけ自分のためのアイテムを買うようにしています。高価なものじゃなくて、ドラッグストアで買えるプチプラで十分。
今月はフェイスパックを買いました。推しがSNSで紹介していたのと同じブランドの。パックをしながら推しの動画を見る時間は、私にとって最高のリラックスタイムです。
メンタルヘルスと美容の意外な関係
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外見を整えることの心理効果
調子の悪い日でも、顔を洗って化粧水をつけるだけで、少し気持ちが上向くことがあります。これって、行動が心理状態に影響を与える「身体化された認知」っていう現象らしいですね。
メイクをしっかりした日は、なぜか外に出たくなったりします。逆に、何もしない日が続くと、どんどん内向きになってしまう。外見を整えることと心の状態って、想像以上に密接に関係しているんだなって実感しています。
推しメイクのモチベーション効果
推しのメイクを真似してみると、不思議と気分が上がります。推しになりきっているわけじゃないけれど、推しの一部を身につけている感覚というか。
特に、推しのイメージカラーを取り入れたメイクをすると、推しからパワーをもらっているような気がします。科学的根拠はないけれど、プラセボ効果でも何でも、効果があるならそれでいいと思っています。
食事と体重の話
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体重増加への向き合い方
適応障害になってから、確実に太りました。運動しない、食べ過ぎる、薬の副作用…理由はいくつもあります。最初は「痩せなきゃ」って焦っていたけれど、今は違う考えを持っています。
体重が増えたのは、心が生きようとしている証拠かもしれません。食べることで心を保っているなら、それでいい。痩せることより、まずは心の回復が先決だと思うようになりました。
推しと同じものを食べる幸せ
推しがSNSで紹介していた食べ物を真似して作ってみることがあります。料理のスキルは低いけれど、推しと同じものを食べていると思うだけで、なんだか特別な気持ちになれるんです。
この前は推しがストーリーに載せていたスムージーを作ってみました。材料をそろえるためにスーパーに行くのも、久しぶりの外出の良いきっかけになりました。
睡眠との戦い
過眠という症状
適応障害の症状の一つに過眠があります。10時間以上寝ても、まだ眠い。昼間も眠くて、気づくと夕方になっている。「怠けている」って自分を責めたくなるけれど、これも症状の一つなんですよね。
睡眠の質を上げる工夫
長時間寝ていても疲れが取れないので、睡眠の質を上げることを意識するようになりました。推しの歌声を聞きながら眠ったり、アロマを焚いてみたり。小さな工夫だけど、少しずつ効果を感じています。
特に、推しの静かな楽曲をプレイリストに入れて眠ると、なんだか安心できるんです。推しの声が子守唄みたいに感じられて、一人じゃない気がします。
SNSとの距離感
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他人と比較してしまう辛さ
SNSを見ていると、みんな楽しそうで、キラキラしていて、充実している。仕事も恋愛も趣味も、全てが順調そうに見える。そんな投稿を見るたびに、「私だけが取り残されている」って感じてしまいます。
推しのファン仲間の投稿も時々辛い。ライブレポートを読んで「私も行きたかった」って思ったり、グッズ自慢を見て「買えない私は本当のファンじゃない」って落ち込んだり。
SNSデトックスの効果
思い切って、一時的にSNSから距離を置いてみました。最初は推しの情報が入らなくて不安だったけれど、比較による落ち込みがなくなって、心が軽くなりました。
必要な情報だけをチェックして、あとは見ない。これだけで、かなり心の負担が軽くなります。推しの公式アカウントだけフォローして、他は一旦ミュートにしたり。
小さな目標の積み重ね
「できたこと」リストの作成
カウンセラーの先生のアドバイスで、毎日「できたこと」をメモするようになりました。どんなに小さなことでもいいから。
「顔を洗った」「推しの動画を見て笑った」「お風呂に入った」「野菜を食べた」…本当に些細なことばかりです。でも、これを続けていると、自分も案外いろんなことをやっているんだなって気づけます。
推し活での小さな目標
お金をかけられない今の状況でも、推し活での小さな目標を立てています。
- 毎日推しの写真を見て笑顔になる
- 推しの楽曲を聴いて感想をメモする
- 推しの出演番組をチェックする
- 推しのダンスを少しでも真似してみる
どれも無料でできることばかり。でも、これらの小さな目標を達成できた日は、充実感があります。
人とのつながりを見直す
本当に大切な人を見極める
適応障害になってから、人間関係が整理されました。「頑張れば治る」「甘えてる」って言う人とは距離を置き、ただ話を聞いてくれる人を大切にするようになりました。
推しのファン仲間でも、マウンティングしてくる人とは関わらず、一緒に推しを愛でられる人とだけ交流するように。人生は短いから、自分を大切にしてくれる人との時間を大事にしたいと思います。
オンラインコミュニティの活用
同じような状況の人たちとのオンラインコミュニティに参加してみました。みんな似たような悩みを抱えていて、「私だけじゃないんだ」って思えました。
推し活でもメンタルヘルスでも、一人で抱え込まずに誰かと共有することの大切さを実感しています。
未来への小さな希望
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働き方を見直したい
いつかまた働くときは、以前とは違う働き方をしたいと思っています。自分のペースで、自分らしく働ける環境を探したい。リモートワークや時短勤務、フリーランスなど、選択肢はいろいろあるはずです。
推し活の新しい形
お金をかけなくても推し活はできるということを学んだので、この経験を活かして新しい推し活のスタイルを確立していきたいです。創作活動で推しへの愛を表現したり、推しについて文章を書いたり。
同じような人への発信
この記事も、同じような状況の人に届けばいいなと思って書いています。適応障害でも、推し活はできる。美容も楽しめる。完璧じゃなくても、自分なりのペースで生きていけるんだって、誰かに伝わればいいなと思います。
今日の私から明日の私へ
毎日がしんどいけれど、小さな光を見つけながら生きています。推しの笑顔、鏡で見る自分の少し元気になった顔、丁寧にケアした髪、温かいお風呂…そんな些細なことが、今の私を支えてくれています。
明日の私がこの文章を読み返したとき、「あの頃よりも少し元気になったね」って思えるといいな。そして、今の私と同じような状況の誰かが、この文章を読んで「私だけじゃないんだ」って思ってくれたら、それが一番嬉しいです。
適応障害は長期戦です。でも、推しがいて、小さな美容の楽しみがあって、自分なりのセルフケアがある。それだけで、なんとかやっていけそうな気がしています。
完璧じゃない毎日だけど、それでも私なりに生きている。それって、案外すごいことなのかもしれませんね。