Webプロデューサーの仕事とは何か?誰にでも分かり易く簡単に説明してみた

Webプロデューサーというと「ああWebサイトをつくる人でしょ?
HTMLとかワードプレスで」と思われがちです。
ですが、それはWebデザイナーやWebライターの仕事であり、Webプロデューサーという仕事とはちょっと違います。
WEBプロデューサーは、インターネットを通じたウェブサイトやWebサービスの企画、開発、運営全般を担当する役割です。
つまり商業や団体など公開されるWebサイト全般について責任を持ち、商業サイトであれば利益を、公益サイトであれば公益を以下にして引き出すか?
またSNSや動画などが必要ならばそれらをマネジメントし活用することも必要です。
それらに責任を持つ、「Webを使ったマーケティングそのものに対する責任者」というものがWebプロデューサーとなります。
概ねWebプロデューサーは企業や個人のビジネス目標に基づいて、プロジェクトを統括し、最終的な成功へと導くのが主な任務です。
Webプロデューサーは、企画・設計から開発、マーケティング、運用・保守まで、広範な業務をカバーし、プロジェクトの全体像を俯瞰して管理します。
ここでは、7段階にわけてWebプロデューサーの仕事やWebプロデューサーの役割を解説していこうと思います。
1. 企画立案とコンセプト設計

Webプロデューサーの仕事のスタートは、プロジェクトの企画立案です。
依頼主であるクライアントや自社の要望を受け、どのようなWebサイトやサービスを提供するのかを明確にすることから始まります。
ここで大事なのは、「そのWebサイトは何を目的としているのか?」を明確にすることです。
このサイトを読ませることに依って課金させるのか?
求人応募者を増やすためなのか?
会社の商品の広報をするためなのか?
などなど、ウェブサイトは「たくさんアクセス数を集めれば良い」というものではありません。
この段階では、ターゲットユーザーや市場、競合の分析を行い、プロジェクトのゴールを設定します。
具体的には、次のような要素が含まれます。
・クライアントの要望ヒアリング
Webプロデューサーはクライアントが何を求めているのかを詳細に聞き取り、その要望をプロジェクトの方向性に反映します。要望には、売上向上、ブランド認知の拡大、ユーザーの利便性向上など様々な目的が含まれます。ここでクライアントとの円滑なコミュニケーションを確保しつつ、スケジュールや予算の最大マージンを取れるかどうかを見極めるのもWebプロデューサーの重要な役割です。
予算や時間などによって妥協点をどこで示せるか?
理想だけではなく妥協点を早めに見極められるのが良いWebプロデューサーです。
・市場調査と分析

競合他社のWebサイトやサービスの動向を分析し、自社またはクライアントが優位に立つための戦略を策定します。
ここでは、SEOやUI/UXのトレンドを把握し、それを企画に反映することが重要です。
いったいここで新しくWebサイトを立ち上げる意義はあるのか?という根本的な部分もここに含まれます。
WebサイトではなくSNSでのマーケティングの方が適している商材などもありますし、動画制作に適した素材もあります。
Webプロデューサーというのは、「Webサイト」を作るのではなく、インターネット全般を使っていかに効果を示すか?という観点が大事になります。
・ターゲットユーザーの設定
誰をターゲットにするのかを明確にします。性別や年齢、職業、興味・関心など、ユーザーのペルソナを設定し、そのニーズに応える内容を企画します。目的の商材が、いったいどのようなユーザーをターゲットにしているかによって、インターネット戦略は大きく変わります。特にWebサイトだけでなくSNSや動画などが普及している現在、想定するユーザーのペルソナ想定は重要になってきます。
・プロジェクトのゴール設定
Webサイトやサービスが達成すべき目標を明確にし、そのゴールに向けた具体的なKPI(Key Performance Indicator)を定めます。例えば、サイトの訪問者数、コンバージョン率、リード獲得数などがKPIに含まれます。ここで大事なのは「理想的なKPI」ではなく「クライアントの予算やスケジュール規模に合わせたKPI」を算出することです。
「理想的なKPI」を見せてプロデュースし、予算を確保することも大事ですが、「現実的なKPI」を示してプロジェクト規模に合わせた予算とスケジュールをあらかじめ提示しておくほうが、後々のトラブルをふせぐことになります。
2. プロジェクトマネジメント

企画が固まった後、次に進むのがプロジェクト全体の進行管理です。
Webプロデューサーは、プロジェクトチームを組成し、進行状況を把握しながら、品質や納期を守るために細かく管理します。
具体的には、以下のような業務が含まれます。
どんなに素晴らしい戦略やターゲットハンティングができたとしても、実際に現実の成果物として完成しなければ意味はありません。
具体的な成果物を完成させるために予算を集め、人を集め、スケジュールを確保し、具体的な成果物の完成まで見届けます。
いわばWebプロデューサーの最も手腕を問われる部分であり、実力を測られる部分でもあります。
・チーム編成
Webデザイナー、エンジニア、マーケティング担当者、ライターなど、必要なメンバーを集めてプロジェクトチームを編成します。各メンバーの役割や責任範囲を明確にし、スムーズなコミュニケーションを図ります。もちろん各メンバーの能力や体力やモチベーションなどを把握して、スケジュールや仕事の規模を配分することもWebプロデューサーの大事な仕事です。
・スケジュール管理
プロジェクトの納期に向けて、各工程のスケジュールを立てます。デザイン、開発、テスト、公開といったフェーズごとの進行状況を常に把握し、遅延が生じないように調整します。
・予算管理
クライアントからの予算に応じて、どの程度のリソースを投入できるかを計算し、予算内で最大限の成果を上げるためのコスト管理を行います。また、予算超過を防ぐために、常に進行状況と費用のバランスを確認します。ただしプロジェクトが予算通りに行く場合は少ないため、いかに予算のマージンを確保しつつ、スケジュールをあわせるかの手腕も必要とされます。
・品質管理
プロジェクトが進む中で、各工程で品質が保たれているかを確認します。特に、UI/UXの品質やSEOの最適化、セキュリティ対策など、重要な要素が計画通りに進行しているかをチェックします。
この場合も計画通りに行かない場合、どのようにフォローできるのか?経験がものを言う場面です。
3. 開発ディレクション

Webプロデューサーは、プロジェクトの進行状況を管理するだけでなく、具体的な開発プロセスのディレクションも行います。
技術的な側面を理解し、エンジニアやデザイナーと連携して、目標を達成するための具体的な仕様を指示します。
・機能要件定義
サイトやサービスがどのような機能を持つべきかを決定し、それをエンジニアに伝えます。たとえば、ユーザー登録システム、決済システム、問い合わせフォーム、商品検索機能など、具体的な要件を設計します。

・デザインディレクション
Webデザイナーと協力して、サイトのデザインがターゲットユーザーやブランドイメージに合致するよう指示します。色使いやレイアウト、フォント選び、UI/UXの最適化などがこの段階で調整されます。
・技術的なアドバイス
エンジニアやプログラマーと連携し、適切な技術選定や開発手法の決定をサポートします。例えば、フロントエンドやバックエンドのフレームワーク選び、ホスティングやセキュリティ対策などの技術的なアドバイスを行います。
4. マーケティングとSEO

Webプロデューサーは、サイトの公開後もその効果を最大化するために、マーケティング活動やSEO(Search Engine Optimization: 検索エンジン最適化)を担当することが多いです。
これは、単にWebサイトを作るだけでなく、それを適切にユーザーに届け、ビジネスの成果を上げるために非常に重要なプロセスです。
現代ではSEOだけでなく、コンテンツそのものへの誘導の導線は複数あり、YouTubeやSNSなどによるマーケティングも含まれるため、Webプロデューサーはいかにインフルエンサーにアクセスし、時には予算を投じることが必要とされます。
・コンテンツマーケティング
サイトやサービスに関連する記事やブログコンテンツを作成し、それをSNSやメールマーケティング、広告を通じて拡散します。これにより、潜在的な顧客を引きつけ、サイトのトラフィックを増加させます。現代のインターネットではインフルエンサーたちの影響力が大きくSNS、ユーチューバー、芸能人などへの人脈が必要とされるため、テクニカルな部分だけでない人間力が問われる部分です。
・SEO対策
検索エンジンでの順位を向上させるための施策を講じます。キーワードの選定やメタタグの設定、コンテンツの最適化、リンクビルディングなど、SEOの技術的な要素を管理します。

・データ解析
Google Analyticsなどのツールを使用して、サイトの訪問者数やページビュー、滞在時間、離脱率などのデータを分析します。
これに基づいて、改善すべき点を洗い出し、次の施策に反映します。
5. 運用・保守

サイトやサービスが公開された後も、Webプロデューサーの仕事は終わりません。
長期的な運用・保守が必要であり、Webプロデューサーはその全体を管理します。
サイトが正常に稼働し続け、ビジネスの目標に寄与し続けるようにすることが求められます。
・定期的なメンテナンス
サイトの動作が正常であることを確認するための定期的なメンテナンスを行います。バグ修正やセキュリティアップデート、コンテンツの更新などが含まれます。
・トラブルシューティング
サイトに問題が発生した場合、迅速に対応し、修正を指示します。サーバーのトラブルやプログラムの不具合、表示崩れなどのトラブルシューティングを行います。
・ユーザーサポート
サイトの利用者からのフィードバックや問い合わせに対応することもあります。ユーザーが快適にサービスを利用できるよう、必要に応じて改善策を講じます。
6. 必要なスキルセット

Webプロデューサーは、非常に広範なスキルセットを持つことが求められます。
技術的な知識だけでなく、ビジネスの視点、マーケティングの知識、プロジェクトマネジメント能力など、多岐にわたるスキルが必要です。
・コミュニケーション能力
クライアントやチームメンバーと円滑にコミュニケーションを取る能力は必須です。特に、多くの専門家が関わるプロジェクトでは、各メンバーの意見を調整し、プロジェクトを進行させる力が重要です。
・テクニカルスキル
HTML、CSS、JavaScriptなどのWeb技術に関する基本的な理解は必要です。また、CMS(コンテンツ管理システム)やSEOの知識、デザインソフトウェアの操作も役立ちます。
・マーケティングの知識
Webサイトがビジネス成果を上げるためには、マーケティング戦略の理解が欠かせません。デジタルマーケティングやSNS、SEOの知識が求められます。
・プロジェクト管理能力
大規模なプロジェクトでは、多くのタスクを効率よく管理するスキルが必要です。タスク管理ツールの使用や、スケジュール管理、リソースの最適化など、プロジェクトマネジメントの能力が求められます。
7. まとめ

Webプロデューサーは、企画立案から開発、運用、マーケティング、保守まで、非常に幅広い業務を担当します。
ビジネスや公益の成果を最大化するために、技術的な知識とビジネスの視点を併せ持ち、チームをリードしていくことが求められる職業であり、一つのWebサイトにおける「責任者」とも言うべき立場です。
テクニカルな知識だけでなく、技術者たちを集めてスケジューリングし、なおかつインフルエンサーなどとの繋がりなども求められ、Webプロデューサー自身の人脈の多彩さがその成果につながる時代になっています。
かつてのようにテクノロジーさえ追っていればよいといった仕事ではなく、世界の動きや流行、人気の人物や物事にアクセスできる人間が求められます。