おせちって何食べる?
2023年ももうすぐ終わりですね。すっかりクリスマスモードですが、毎年クリスマスが終わると一気に新年を迎える準備が始まります。新年の準備といえばおせち料理の準備もその一つですよね。毎年、何となく恒例だからとおせち料理を食べていませんか?好き嫌いでおせちの中身を決めていませんか?私もその一人です。でも、おせち料理には一つ一つ意味があるのです。そんな意味を頭の片隅に置きつつ準備すると、いつもとは違うおせち料理になるかもしれません。
1.おせち料理とは?

おせち料理とは『お節料理』と書いて、季節の変わり目に神様にお供えする料理のことでした。その中でも一番重要なお正月だけが風習として残り、今もお正月に食べられています。また、おせち料理は日持ちがするように作られているのはご存知でしたか?これは年神様をお迎えするため、音を立てたり火を使ったりすることを控えるためだそうです。昔はお母さんやおばあちゃんが炊事をするのが当たり前だったので、普段は忙しくしているお母さんたちも一年の初めはゆっくり座って年神様をお迎えしようということだったのでしょう。お供えできる日持ちのするご馳走がおせち料理ということですね。
2.おせち料理の中身って?

おせち料理といえば重箱の中に入っているイメージの方も多いのではないでしょうか?実は重箱にも意味があるのです。 重箱にはお祝いを重ねるという意味があります。それを知るとたくさん重ねたくなってしまいますが、昔は5段が一般的だったようで、それぞれの段に入れるものが決まっていました。段ごとに中身を見ていきたいと思います。

『初の重』一番上の段、最初に開けるのでお正月らしいものを入れる段
- 黒豆…真っ黒に日焼けするほどまめに働けますように
- 栗きんとん…その色が金色なことから豊かな年になるように
- 伊達巻…巻物の形から連想 頭が良くなるように
- 昆布巻き…喜んぶの語呂合わせ
- 紅白かまぼこ…紅白のおめでたさ
- 数の子…子孫繁栄
『二の重』海の幸、焼き物を入れる段
- たい…おめでたいの語呂合わせ
- ぶり…出世魚から将来出世できるように
- えび…背中が曲がるまで長生きできるように
- 紅白なます…昔は 生魚 にんじん 大根で作られた料理でした 紅白でお祝いの意味
『三の重』山の幸を入れる段
- 里芋…親芋から子芋がたくさんできるため、子孫繁栄を願う
- ごぼう…土の中に長い根を張るため、家が代々続くように
- くわい…大きい芽を出すことから『めでたい』という音の響き
- 蓮根…穴が空いていることから先々の見通しがたつように
『与の重』酢の物を入れる段
- 紅白なます…, 昔は 生魚 にんじん 大根で作られた料理でした 紅白でお祝いの意味
- 酢だこ…「多幸」と書けることから幸せを願う
『五の重』何も入れない段(控えの重)
- 中身は空っぽ
- 家によってはお赤飯を入れる
家によってはちらし寿司を入れる
3.今どきのおせち事情

昔は中に入っているものは定番の物ばかりだったおせち料理ですが、最近ではバリエーションも豊かで和食にこだわらないおせちなどもあります。
豪華なお取り寄せおせちの価格帯は5万円から10万円くらいでした。価格帯は様々で20万円を超えるもの、中には200万円なんてものもありましたが、5万円を超えてくるものは「高級」や「豪華」などのキャッチコピーが付けられていてワンランク上のおせちとされていることが多いようです。
その中身はおせちの定番メニューはもちろん、伊勢海老、あわび、フカヒレ、ズワイガニ、いくら、うになどの豪華な食材も。そのお店ごとのこだわりの調理法で料理され、お重の中にぎっしり詰められています。
- 京都祇園「花舞」監修高級重『宝の舞』¥70,000
こちらはドーンと真ん中に存在感のあるロブスターが丸ごと一匹。フォアグラのテリーヌやローストビーフなどのメニューも入っている和洋折衷なおせちです。
- オテル・デゥ・ミクニ 洋風おせち三重折(チョコ付き)¥75,600
こちらはフレンチおせちです。おせち料理の定番の黒豆もブランデー煮になっていました。車海老や鯛、鮑などの高級食材もフレンチらしくおしゃれな見た目に料理され盛り付けられています。3段目にはぎっしり詰められたスイーツ。マカロンやムースなどが入っていて甘い物好きにはたまらないですね。
- こんぴら温泉紅梅亭おせち「彩りの重」¥56,000
こちらは厚生労働大臣賞を受賞した武田利史料理長監修のおせちです。全59品で縁起のいいお料理で伝統的なおせち料理といった雰囲気で、橙の器や綺麗なお花の形に切られた野菜、彩りも豊かです。 ちなみに200万円のお重の中には、うにやのどぐろなどの高級食材が使われていました。驚くのは江戸時代に徳川家に献上されていた食材をその頃と変わらない調理法で料理していることです。徳川家の将軍になった気持ちで豪華なお正月を過ごせますね。

逆にリーズナブルなおせちでは1万円前後のものもありました。
- 蔵王福膳の和洋おせち「朝陽」¥10,900
こちらは3〜4人前とボリューム満点でありながら食材の原産地にもこだわっていてコスパが抜群です。えびやぶりなどおせちに欠かせない食材たちも彩りよく詰められていてこのお値段とは思えないクオリティーです。
- 板前魂のおせち あわびつき和風2段重「竹」¥9,970
こちらは2人前ですが、別添えであわびがついてきます。1万円を切っているのにあわびがついてくるなんて嬉しいですよね。えびやタコなどの縁起の良い食材も種類がたくさん入っています。
- Oisixおせち2024「彩華」¥13,284
こちらにもこの価格とは思えない豪華な食材が入っています。牡蠣、ローストビーフ、えびなどもこだわりの調理法で調理されています。おせちの定番料理ももちろんですが、鶏のつくねや松笠イカ煮、豚八幡巻などお酒がすすみそうなメニューもありました。

お仕事の都合などで1人でお正月を過ごす方もいらっしゃいますよね。一人でおせちなんて食べきれないと諦めてはいませんか?1人前で美味しいおせち料理もありました。
- 日本料理「卯之庵」おひとり様用おせち「初春小箱」¥6,800
定番から合鴨ロースやいくらなどのお料理が合計20品入っています。こちらは冷凍ではなく生の状態で届くおせちなので配送エリアは限られていますが、冷凍されないまま食べられるのは贅沢な感じがしますよね。
- 料亭とりよね「一人前重おせち」¥18,360
全部で26品と品数多めのお重です。いろんな食材を少しずつ食べたい方におすすめです。食材の旨みを引き出す料理法で健康に配慮されたバランスの良いメニューになっています。一つひとつ職人さんが手作りしているのだそう。
- 京料理立神「特選一人 生おせち一段重」¥16,800
こちらも生おせちのため配送エリアが限られていますが贅沢なおせちです。一人前にも関わらず、真ん中に伊勢海老がドカンと一匹のっています。ローストビーフやあわび、鱈のお寿司も入っていてとても豪華です。こんな豪華なおせち料理を一人でゆっくり味わうのも素敵なお正月の過ごし方ですよね。

お子さんがいらっしゃる家庭ではおせち料理はどうされていますか?私の家には子どもが三人いますが、好きな料理は取り合いに。栗きんとんや伊達巻き、お肉料理は父と母の口には入りません。逆に苦手なものは父と母で片付けるのが毎年の我が家のおせち事情です。そんな子どもたちも喜んでくれそうなおせちがありました。
- 一正蒲鉾「アンパンマンおせちセット」¥2,160
アンパンマンの小さいお重に入っていて、こどもが好きな卵焼き、伊達巻き、アンパンマンかまぼこ、アンパンマンの和菓子が入っています。お子様一人分の量なのも嬉しいですね。
- 紀文おせち詰め合わせ二段重「サンリオキャラクターズ」¥10,800
かわいいキティーちゃんのピンクのお重に入ったおせちです。こちらも子どもが食べやすいメニューばかりが詰められています。特に二の重はお肉料理中心で、野菜や煮物の苦手なお子様でも美味しく食べられそうなメニューになっています。ポムポムプリンのかまぼこ、シナモロールの練り切り、キティーちゃんの練り切り、バランもサンリオキャラクターでとってもかわいい見た目です。こちらは2〜3人くらいで食べるのがちょうど良さそうです。
- 一富士ケータリング株式会社「ワンピースおせち」¥19,250
こちらは大人気アニメのONE PIECEとコラボしたおせちです。31品入っていて、目安二人前とありますが二人で食べたらおなかいっぱいになってしまいそうなほどボリューミーです。 コラボ特典も豪華でノジコとナミの晴れ着姿の絵の描いた取り皿、麦わらの一味のお重箱、セリフの彫刻が入った割り箸、革命軍のランチョンマットがついてきます。ONE PIECE好きなお子様にはたまらない一品ですね。お重の中にはキャラクターのピックもついていて、開けた瞬間からテンション上がってしまいますね。また、こちらも肉料理多め。子どもたちも大喜びで食べてくれると思います。

和食よりも洋食や中華の方が好きな方も多いのではないでしょうか?そんな方におすすめな和食以外のおせちです。
- 板前魂 和洋中 中華風おせち¥9,980〜
こちらは人数や中身の種類のバリエーションが豊富です。それによってお値段が変わってきます。和食の重、中華の重、洋食の重と分かれていて、エビチリや豚の角煮、肉団子、グラタンやミートローフなどガツンとしたメニューも多く入っています。お酒が進みそうですね。
- 重慶飯店 中華おせち2段重¥32,000
横浜中華街の四川料理の老舗、重慶飯店のおせちです。あわびのオイスターソース煮、フカヒレ添え白身魚の金糸団子、タコの山椒煮、青ザーサイなど中華のご馳走がお重に詰められています。中華街の味がお家にいながらお正月に楽しめるなんて贅沢ですね。
- フードスタジオ「PRIMEVERE プリムヴェール」¥12,800
こちらは洋風おせちです。アヒージョ、牛タンシチュー、サーモンとクリームチーズのテリーヌなど24種類。デザートも入っています。ワインによく合うビストロおせちというコンセプトでつくられています。お正月は日本酒でなくワインを飲みたいという方にはピッタリです。ゆっくりワインを飲みながら過ごすお正月も素敵ですね。

調べていると「こんなおせちもあるのね?」とびっくりしたものがありました。
- パティスリーモンシェール 「スイーツ玉手箱」
3〜4人前の20品、スイーツだけでできたおせちです。タルトやロールケーキ、マカロンなど紅白を基本としたおめでたい色でできています。新年のご挨拶の品として手土産に持っていったらとても喜ばれそうです。
- 犬用ミニおせち¥2,280
小さいけれど本格的で、合鴨のロースト、鰆の焼き物、ローストビーフなど豪華な食材も入っています。私も10年ほど前に愛犬に犬用おせちを買ってあげたことがあります。ペロッと平らげてしまい「もっと食べたい」と言わんばかりに空皿を舐め回していました。その時よりも進化してさらに豪華になっています。
- そふまる やわらかおせち「大和」「飛鳥」¥7,500
どちらも16品で1〜2人前。味付けも優しく、普通のおせちは噛みにくい、食べにくいといった方用のおせちです。 大和は容易に噛める固さで、数の子などのやや硬い食材は噛みやすいように切ってくれています。 飛鳥は歯茎で潰せる固さで、大和よりもさらに柔らかく作られています。 嬉しいのは見た目がほとんど普通のおせちと変わらないこと。食べることに難しさのある高齢者や障害のある方のいるご家庭でも同じものを食べられるって嬉しいですよね。
今はインターネットなどでもおせちのお取り寄せをあちこちで見かけ、食材を一から用意しなくても美味しいおせち料理が食べられるようになりました。また、スーパーの予約商品でも色々なバリエーションのおせち料理が買えるようになりました。 親戚が集まって新年会でおせち料理を食べる人もいれば、友達と初詣や初売りに出かけた後におせち料理を食べたり、お正月でもお仕事があって仕事が終わってからおせち料理を食べたりする人もいるかもしれません。色々なニーズがある中でおせち料理のバリエーションも増え、その家庭に合ったおせち料理を食べてお正月を楽しめるようになったと感じました。

自分好みの味付けで、手作りするのも良いですよね。一見、手間のかかりそうなお料理ばかりに見えますが、意外と手がかからず作れるものもあります。
- 紅白なます
大根とにんじんを細く切って、塩をふりかけしばらく置く。すると水が出てくるので水気を絞って砂糖と酢をかけて和えて完成。
- 煮豚
豚のブロック肉をフライパンで焼き周りをこんがりと焼く。焼けたら肉がかぶるほどの水、長ネギの青い部分と生姜のすりおろしを入れる。醤油で味付け。アクを取りながら水分が少なくなるまで落とし蓋をして煮詰めて完成。
- 筑前煮
スーパーで売っている筑前煮用の野菜を使うと簡単です。
鶏肉を一口台に切っておく。深めのフライパンや鍋に油を敷いて鶏肉を焼き目がつくまで炒める。筑前煮用の野菜を入れて水と酒も入れる。麺つゆで味付け。アクを取りながら水分が少なくなるまで煮て完成。 全てのレシピの詳しい分量などは加減しながら、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ

毎年の慣習で食べているおせち料理は色々な幸せを願って作られているのですね。昔の人たちがその年を幸せに過ごそうと願いをこめた料理、代々受け継いだ伝統としてこの先も続いていくと良いなと思います。
上で紹介したおせちは2024年版なので、残念ながら今年の販売が終了しているものも多くあります。また来年のおせちを用意する時の参考になれば幸いです。
きっと2025年版はより進化したおせちが増えていることでしょう。 どうぞ良い年をお迎えください。
#おせち #お正月 #料理 #オススメ #新年 #神様 #風習 #ご馳走 #重箱 #お祝い #初の重 #二の重 #三の重 #与の重 #五の重 #幸せを祈る #伝統 #進化