愛玩動物看護師資格を一発合格するための勉強方法について

愛玩動物看護師の国家資格を一発で取得するための勉強法、試験対策についてまとめています。

現任者ルート、既卒者ルートで資格取得のためのおすすめテキスト、勉強法を調べました。

1から取得を目指す方への情報も。

1、国家試験の試験内容と合格基準

国家試験勉強を始める前に出題範囲と合格基準点などの試験の内容を確認しておきましょう。

愛玩動物看護師の試験問題は200問とやや多めです。

通常ルートでの取得でも他のルートでも同様で、試験は大学や養成所で習うような内容から出題されています。

「基礎動物学」「基礎動物看護学」「臨床動物看護学」「愛護、適正飼育学」の4つの大きな内容のくくりがあります。

この内容から動物看護師として基本的な事項を問われる「必須問題」(50問50分)、知識や技能を問われる「一般問題」(100問150分)、実際に起きる症例や事例の対処法を問われる「実地問題」(50問100分)の3つの区分に分けられて出題されます。

回答方法はマークシート式で選択肢は5つです。

合格基準は必須問題が70%以上、その他が60%以上の正答です。

どちらも満たして合格になります。

2、国家試験の受験資格

国家試験自体の内容は上に書いた通りですが、この国家試験には受験資格があります。

本来は大学や専門学校などで勉強したのちに受験できる通常ルートでの試験です。

しかし、法律が施行されてまだ間もないので、今はいくつかのルートがあります。

それぞれの条件を満たすことによって受験資格を得ることができます。

通常ルート以外の受験は令和9年でなくなる予定です。

どのルートで受験資格を得るのかによって資格取得までの道のりが違うので、その条件をここで見ていきます。

大学や専門学校などの養成所で必要なカリキュラムを学んでいて、すでに卒業された方、在学中でも必要なカリキュラムを学び終わっている方は、農林水産大臣・環境大臣の指定する講習会を受講した後に受験資格を得ることができます。

このルートは既卒者・在学者ルートと呼ばれています。

例外として講習会の受講が終わっていれば、令和9年以降も国家試験を受けることができます。

愛玩動物看護師を5年以上経験している方は、講習会を受講して予備試験に合格した後に国家試験の受験資格を得られます。

このルートは現任者ルートと呼ばれています。

このルートだけ、試験を2回受けることになります。

最初の試験は予備試験になるので、本試験と同様に試験対策をしておきましょう。

例外として、予備試験に合格すれば令和9年以降も国家試験を受けることができます。

3、国家試験の出題傾向から見るおさえておきたい内容

愛玩動物看護師国家試験はまだ2回目が終わったばかりで、過去の出題傾向から今後の出題傾向を予想するのが難しい試験です。

そのため、偏りなく勉強することが1番の試験対策になります。

中でも苦手を残さずに勉強しておいた方が良いところを以下にピックアップします。

「愛玩動物看護師法」は必ず必須問題に出題されます。

法律の分野は覚えることも多く、聞き慣れない言葉が多いので、苦手な方が多い科目のようです。

法律の成立年や、管轄する機関等の実務とは関係の薄い法律の問題から、愛玩動物看護師の免許が与えられないケースはどんなケースか?

愛玩動物看護師が行ってはいけない事項は何か?等の実務でも知っておかなければならない事まで出題されています。

一回の試験内での出題数はそこまで多くない印象ですが、必ず出てくる内容なので捨て科目にしてはいけません。

「動物臨床看護学」は多く出題される傾向にあるようです。

愛玩動物看護師として働く時に必ず必要になってくる重要な科目です。

具体的には薬の取り扱い方、医療廃棄物の取り扱い方、病気の予防に関すること、入院動物のストレスに関する対処法、動物が亡くなってしまった時のことなどの実践的な内容になってきます。

すでに働いている方はもちろんですが、学校で勉強した方も聞いたことのある内容であることが多いかと思います。

そのため非常に取り組みやすい内容だと思います。

今までやってきたことで間違って覚えていることはないか?

当たり前だと思っていたことを言語化するとどうなるのか?

自分の知識が最新の情報にアップデートされているか?に気をつけて勉強すると良いでしょう。

上の二つは予備試験でも多く出題されています。

「動物看護学」は実地問題としての出題が多い傾向があります。

保定の方法から、投薬の方法、飼い主とのコミュニケーション、基本的な給餌方法などです。

一般問題では「動物形態機能学」が臨床看護学に次いで問題数が多くなっていました。

骨、筋肉、血管、臓器などの身体の基本的な知識が必要です。

こちらも経験者には知っていることが多い内容かもしれませんが、もれている知識はないか?

飼い主さんにきちんと説明できるか?などに注意しながら勉強すると良いと思います。

「動物感染症学」の内容からの出題数も多めです。

動物の感染症について具体的な特徴や症状、免疫に関する事項、寄生虫に関する事項などです。

この内容は覚えることが多い内容です。

すでに現場での経験がある方は見たことのある症例も出てきたりするかもしれません。

なぜその感染症になるのか?予防するためにはどうしたら良いのか?など実践に置き換えながら勉強すると頭に入りやすいかもしれません。

細かいところまで含めるとかなり暗記しなければならないことが多いので、早めに手をつけた方が良い内容です。

4、独学で一発合格のための勉強法

まずはテキストを揃えましょう。

愛玩動物看護師のテキストには、試験対策の問題集と過去問がセットになっているテスト対策に特化した物と、解説が多めの教科書のような物とが販売されています。

おすすめはどちらも用意して勉強する方法です。

試験までに十分勉強時間が取れるなら、まずは教科書を読み込んで勉強する方が良いです。

確実に知識が増えるので一発合格のためには近道です。

試験まで時間のない方は問題集を用意して問題を解き、わからないところの解説を詳しく読み知識を増やします。

ある程度自分の知識がある内容は、省略した方が合格に近付きます。

第一回、第二回の国家試験での合格率は90%近く、受験者の中には「思ったより簡単だった」という感想を持っている方もいるようです。

合格者が多く出ていることから、今後は徐々に難しくなっていくと予想している人もいるようです。

いずれにしてもまだ2回しか行われていない試験なので、問題の傾向など予想と外れる可能性も考えられます。

できるかぎり知識を増やすことが合格のためのポイントとなります。

前者の国家試験まで時間がある場合の勉強法では、テキストをしっかり読みます。

出題範囲を細かく解説してくれているものが多いので、自分が持っている知識と擦り合わせながら見ていきます。

現場で働きながら身につけた知識を言語化し、間違って覚えているものはないか確認していきます。

読むだけでなく抜けている知識や大事な部分はノート等に書いて覚えるなどしましょう。

暗記用のアプリを使うのもおすすめです。

一通りの勉強が終わったらひたすら過去問を解き、答え合わせをして間違っている部分の見直しをしていきます。

予備試験を受ける場合には、ここまでを予備試験の日までに終わらせるつもりで勉強しましょう。

後者の国家試験まで時間がない場合の勉強法ですが、テキストをしっかり読み込む時間はもったいないです。

狭く深い知識よりも浅く広い知識を身につけることを目標にした方が効率が良いと思います。

試験範囲が広いため深く勉強した内容が出ない、もしくは出題数が少ないということが考えられるからです。

知っている内容と知らない(苦手な)内容をまずは見極めるために、問題集をできる限り解いていきます。

その後、間違えてしまった問題を調べて解説を読みます。

不正解をそのままにせず、納得して正解できるまで繰り返し解いていきます。

隙間時間でも問題に触れることができるアプリや動画もあります。

メリットは5分あれば勉強ができるという手軽さですが、隙間時間では間違えてしまった問題をゆっくり見直す時間がないと思います。

せっかく勉強しても分からない問題をそのままにしてはもったいないので、メモやスクリーンショットなどを上手く使い、あとで見直せるようにしておきましょう。

5、予備試験と本試験

現任者ルートで資格取得を目指す場合、講習会を受講した上で予備試験を受ける必要があると上にも書きました。

この予備試験の概要について本試験と比較しながら書きたいと思います。

2023年度第2回の試験を例にします。

第3回の試験についてはまだ発表がありません。

実施日は本試験が2月18日実施に対して、予備試験は2023年10月1日に実施されています。

予備試験の内容は「必須問題」(50問50分)と「実地問題」(50問100分)になります。

予備試験に「一般問題」はありません。

合格基準は60%以上の正答です。

合格率は98%と高い合格率でした。

出題範囲は本試験と同様で、とても広い範囲となっています。

繰り返しになりますが、予備試験まで時間のない方は、浅くて広い知識をつけられるように心がけて勉強すると良いです。

本試験同様にマークシート式の出題方法です。

本試験の4ヶ月前に予備試験があるため、年度末の試験をゴールに想定して勉強していると、思ったより時間がなく感じるかもしれません。

勉強のゴールは予備試験だと思っていると、余裕を持って勉強できると思います。

2024年度の本試験に合格したい場合は、今から勉強をはじめた方が良いということになります。

ちなみにですが、2024年度の指定講習会は4月1日から開始しているところもありますので、予備試験までに講習を終了できるようにしてください。

目安は16時間コースで2週間程度です。

6、おすすめのテキストと問題集

※「愛玩動物看護師国家試験対策 楽しく学べる参考書」国試研 

国家試験の出題範囲を1冊だけで網羅しています。よく出る項目がピックアップされて載っており、動画での解説もあります。監修している鈴木先生が、文章だけではわかりにくいところを面白く解説してくれます。闇雲に覚えるのではなくポイントを絞って解説されていて、覚えやすいテキストです。隠し応援メッセージもあるそうなので、購入した際は探してみてください。

※「愛玩動物看護師国家試験 完全対策問題集 2024年版」国試研 

上のテキストの問題集です。

全600問で、愛玩動物看護師国家試験と動物看護師統一認定試験の過去問から構成されています。

問題と回答が別紙になっているので答え合わせがしやすくなっています。

上のテキストを読み込んだ後に力試しとしてこの問題集にチャレンジするのがおすすめです。

間違えた問題は、解答に解説が載っているのでそれを読んで復習できます。

それでも分からない場合はもう一度テキストに戻って勉強できます。

全部やり切っても余力がある場合は、2023年度版もあるのでチャレンジしてみてください。

※「愛玩動物看護師の教科書」第1巻から第6巻 緑書房

写真やイラストが多めで分かりやすい作りになっています。

全て読み込んで理解するにはボリュームがあり大変ですが、専門的な知識や細かい情報も載っています。

テスト対策だけではなく、実際に愛玩動物看護師として働く上で専門的な知識をつけたい方におすすめです。

全てを頭に入れるのは時間がかかりますが、語呂合わせが書いてあり覚えやすいように工夫されています。

試験後も実務で困った時の参考書として使えます。

※「愛玩動物看護師国家試験 完全攻略! 問題&解説集」緑書房

第1回愛玩動物看護師国家試験と予備試験を参考に予想した問題が610問掲載されています。

試験範囲がこれで網羅されており、こちらも取り外せる解説集がついています。

一問一問に詳しい解説がついているので、国家試験まで時間がない中で問題数をこなしたい方におすすめです。

現在は第1回の国家試験や予備試験を参考にしたテキストが販売されていますが、今年の夏頃には第2回の試験内容が加わった2025年度版の発売が予想されます。

6月から7月頃に最新の物もチェックしてみてください。

7、これから愛玩動物看護師を目指す方へ

ここまで、現職で働かれてる方など国家試験を目前に控えた方向けに、勉強法などをまとめてきました。

ここからは「愛玩動物看護師ってどんな資格なの?」「動物の看護師さんになりたいけどよく分からない。」

といった方に向けて、この資格のことを下にまとめました。

1から愛玩動物看護師を目指す方は必見です。

①愛玩動物看護師とは

犬、猫などの愛玩動物が病気になったり怪我をした時に、世話や看護をしたり、飼い主に寄り添い助言などをする人のことです。

高齢動物のケアや、動物の栄養管理など専門的な知識を持ち、医師の診察や治療を補助したり、飼い主の不安を取り除くようにコミュニケーションをとったりする役割があります。

②動物看護師との違い

動物看護師は民間資格でした。

2021年度が最後の試験になり、2022年度からは愛玩動物看護師と名前が変わり国家資格になりました。

名前が変わっただけでなく、採血や注射など一部の医療行為ができるようになり、ますます動物医療の現場で活躍できるようになりました。

③活躍できる職場について

やはり一番多く必要とされているのは動物病院でしょう。

動物医療の現場で動物の看護をしたり、飼い主に寄り添い動物たちの健康や住みやすい生活環境を守ることができます。

ペットショップやペットホテルでも、専門の知識を生かして活躍することができます。

ペットシッターやドッグフードの販売店など動物に関わるほぼ全ての職種で、愛玩動物看護師の知識が活かせます。

まとめ

犬や猫も長生きをして高齢の時代に、ペットの介護や持病の悪化などで飼育に悪戦苦闘している飼い主も多くいると思います。

筆者もその一人です。

専門知識を持って飼い主に寄り添ってくれる愛玩動物看護師は、とても心強い存在です。

ぜひ挑戦してみてください。

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