【令和6年度改正版】旅客運行管理者試験に一発合格する為の勉強法を徹底解説

旅客運行管理者の資格を取得すると、転職やキャリアアップの役に立ちます。

過去に観光バスが起こした悲しい事故を受け、二度と繰り返さないために、適切にドライバーの健康チェックや勤務時間と常務時間の調整などができる人材の必要性が高まっているからです。

旅客運行管理者の求人はバスやタクシーの事業所が主です。

ドライバーに無理をさせないための管理や指導、車両の管理、天災など予期せぬハプニングで運行に支障が出る場合にも、適切にドライバーに指示するなどが仕事内容です。

内勤の仕事なので、ドライバーと比較すると体力を使わないうえに、ドライバーとしての経験を活かせることから、ドライバーのキャリアパスとしてもおすすめの仕事です。

そんな旅客運行管理者の資格試験は、どのようなポイントに注意して勉強をすれば良いのか?

過去問からみる出題傾向などから合格に近づく勉強法をまとめました。

これを読めば、旅客運行管理者の一発合格に近づきます。

1、旅客運行管理者の試験

旅客運行管理者の資格試験は1年に2回行われています。

勉強の期間は短い人で2ヶ月程度、大体4ヶ月くらい前から試験勉強を始めるのが目安とされています。

あとで詳しく書きますが、法律関連が主な試験範囲のため、数字やキーワードの暗記をする必要が出てきます。

暗記物が苦手な方は余裕を持って試験勉強を始めても良いかもしれません。

試験の方法はCBT試験で、パソコンとマウスを使用します。

普段パソコンを全く使わず、操作に不安がある方は、本番を想定して操作ができるように練習しておくことをおすすめします。

運行管理者の資格試験には「貨物」と「旅客」の2種類があり、この記事では「旅客」の試験対策をまとています。

試験には受験資格があるため、誰でも受けられるというわけではありません。

一つ目は運行管理に関する実務経験を1年以上経験して実務経験承認者の承認を得られる場合です。

この条件は試験日の前日までに1年以上経過していれば良いので、試験勉強と並行して実務経験を積んでいきます。

二つ目は規定の基礎講習を修了する場合です。

未経験の方は、この方法で受験資格を取得する事ができます。

こちらも申し込みの時点で満たしている必要はなく、指定日までに修了予定であれば申し込みをする事ができます。

並行して行う場合は、試験勉強の時間を少し長めに見積もると余裕を持って勉強できると思います。

2、試験範囲と合格基準

試験範囲は5科目です。

「道路交通法関連 8問」「道路運送車両法関連 4問」「道路交通法関連 5問」「労働基準法関連 6問」「その他の運行管理者の業務に必要な知識と能力 7問」の合計30問で、制限時間は90分です。

これらの運行管理者に必要な部分から出題されます。

法律の内容からの出題が多いため、細かい数字やキーワードの暗記が必要になります。

合格基準は全体の正答率が60パーセント以上であること、各科目1問と「その他〜」が2問以上正答していることです。

どちらの条件も満たして合格になります。

全問正解する必要がなく、ある程度ポイントを絞って勉強しても合格を目指せる試験です。

合格率は30%前後で、未経験の方でもしっかり勉強すれば一発合格できる試験です。

3、旅客運行管理者の出題傾向

運行管理者の試験は、毎年似たような問題になることが多い試験ですが、一部は初見の問題が出されることもあるようです。

難しい問題になることは少なく、しっかり勉強しておけば答えられる問題であることも多いです。

試験の対策としては、テキストや過去問をしっかり勉強したあと、余裕があれば追加で勉強することをおすすめします。

基本的には初見の問題は出題数が少ないので、全て間違えてしまっても他の問題が合っていれば合格できるでしょう。

ただ、「2024年問題」と言われている大きな法律の改正があり、令和6年の第1回試験(8月実施予定)からは、改正後の法律で出題されます。

改正後の法律で出題される事が明言されていますので、勉強して理解しておいた方が良いでしょう。

2024年版で販売されているテキストには改正後の内容が反映されているものも多いので、テキストに沿って勉強すると良いでしょう。

選択肢の中から合っているものと間違っているものを選ぶ問題、穴埋め問題、計算問題などが出題されます。

選択肢から選ぶ問題と穴埋め問題は、ひっかけ問題のような出題のされ方をしている場合があり、読み落としがないように細かい部分までしっかり読むことが必要です。

出題範囲の数字はしっかり覚えておく事が対策になります。

計算問題は、CBT試験のため問題用紙に書き込むわけにはいきません。

本番ではメモ用紙が渡され、それを使いながら計算することになります。

過去問を解く時にはメモ用紙を使いながら問題を解く癖をつけておくことが対策になるでしょう。

闇雲に勉強してもなかなか頭に入りにくい内容ではありますが、全体的に「安全に運行するためには?」という視点で勉強すると頭に入りやすいでしょう。

実務でも大変重要なことになってきますので、ぜひ覚えておいてください。

4、「道路運送法関連」の勉強のポイント

利用者が安全に利用できるようにするため、公共の福祉の増進のための法律だということを理解するのがポイントです。

運行管理者の義務と事業者の義務の違いをきっちり区別できることが重要です。

事業者の義務であることも勉強し、責任の所在が事業者なのか運行管理者なのかを区別できるようになることが必要です。

過労運転の防止の項目は、よく出題されています。

「勤務時間と乗務時間を国土交通大臣が告示で定める基準に従い、ドライバーに尊守させなければいけない」というところです。

この義務を負うのは事業者ですが、運行管理者の試験の範囲内です。

見落とさずしっかり勉強することをおすすめします。

また、休憩施設の整備、確保、保守の項目からもよく出題されています。

運行管理者の義務からは数字系が多く出題されている傾向があるようです。

「運転者の点呼などの記録は1年間保管しなければならない」や「もし、事故が起きてしまった場合の詳細な記録は3年間保管しなければならない」などです。

他にも、適正指導の内容では「10時間」や「20時間」など混同しやすい数字が出てきたり、高齢ドライバーの適性診断の内容でも紛らわしい数字が出てきます。

繰り返し勉強して覚え間違えのないようにしてください。

この項目では法改正で一部覚えなくてはならない数字がありますので、法改正未対応のテキストを使用している場合は注意してください。

ここでの難関ポイントは計算問題です。

休憩時間や拘束時間、運転時間や配置基準などの基礎になる数字をしっかり覚えた上で、計算方法を考えなければいけません。

勉強に時間のかかる項目ではありますが、なんとなく数字を覚えたくらいで暗記は一旦やめて、過去問や例題をやるのも良いかもしれません。

問題を繰り返し解く中で、覚えきれなかった数字が覚えられ、だんだんと頭に定着させる事ができます。

ある程度覚えられたら、実践の練習をしながら暗記をした方が効率的です。

5、「道路運送車両法関連」の勉強のポイント

ここでは自動車の登録、点検、整備などの内容から出題されます。

車両の本拠に変更があった場合についてはよく出題されています。

15日以内に変更手続きをしなくてはいけないことなど、内容をしっかり覚えておくことをおすすめします。

定期点検の内容からもよく出題されています。

必要な点検と整備の頻度やタイミングを勉強します。

また、タイヤの残りの溝の深さや非常口についての内容、乗車人数の制限などの保安基準についても勉強しましょう。

覚える事が多い内容ではありますが、実務でも知っておかなければならない内容です。

安全に運行することに直結する内容が多いため、実務に備えるつもりで勉強するのがポイントです。

6、「道路交通法関連」の勉強のポイント

追い越しの方法や標識、飲酒および酒気帯び運転についてなどから出題されます。

この科目では、運転免許証を取得する際に勉強したことの抜粋のような内容になっていますので、比較的勉強しやすい科目と言えます。

勉強時間もそこまで長くかからない内容です。

忘れていることはないか?勘違いして覚えていないか?

などに注意して勉強すると良いでしょう。

勘違いしやすい項目としては、駐停車禁止の場所です。

場所によって10メートル、5メートル、3メートル、1メートルと駐停車禁止の区間があります。

どの場合にどれくらいの区間が駐停車禁止になるのか混同しないように覚えておくのがポイントです。

この項目から比較的出題されやすい傾向があります。

7、「労働基準法関連」の勉強のポイント

働く側の人が無理な条件で働かされることのないように決められた法律です。

運行管理者はドライバーの拘束時間や乗務時間、休憩時間を保守、管理しなくてはならないことから、理解しておかなければならない内容です。

労働時間についてや「拘束時間」「休息時間」「休息地」などのキーワードの定義と意味を理解しておきましょう。

「改善基準告示」の内容からは穴埋め問題として多く出題されている傾向があります。

過去の傾向から、出題ポイントは似たようなポイントから出されることの多い労働基準法ですが、2024年の4月より施行される「2024年問題」では一番大きく変わった法律です。

新しい法律と照らし合わせながら勉強するのが良いでしょう。

第32条から第39条の内容が変更されています。

過去問では3月までの法律から出題されているものもありますので、混同しないように理解することがポイントです。

8、「実務上の知識と能力」の勉強のポイント

仕事の内容からの出題が多い傾向です。

今までの法律関連の勉強を全て終わらせた後に勉強するのがポイントです。

法律の内容と重複している内容や、より深く掘り下げるような内容になっています。

実務に置き換えた時の対応や、具体的な対応について勉強します。

特に、過去の事故からドライバーの急な体調不良についての内容、そこから来る事故を防ぐための対応についてはよく出題されています。

その他、高齢者が絡む事故防止のための指導について、車内事故について、シートベルトについてなどの内容についても勉強をしておくことをおすすめします。

また、適性診断の目的からも過去に出題されています。

適性診断はドライバー自身に事故を起こす危険性があることを認識させ、ヒューマンエラーを防ぎ、安全運転につなげていくことを目的としています。

選任するための判断材料ではないということを理解しておきましょう。

実務上、少しの事故でも起こさないようにするために必要な内容です。

そのため、事故防止に関する指導についての問題がよく出題されています。

9、2024年問題改正後はどう変わった

2024年4月1日より、特定の業種の労働時間に関する規定が厳しくされました。

ドライバーもその職種のうちの一つです。

主な変更点は次の通りです。

一年のドライバーの拘束時間が3,380時間から3,300時間に変更になりました。

1ヶ月の拘束時間が原則281時間、最大294時間と制限されました。

また、281時間を超える月が4ヶ月以上連続してはならないことになりました。

休息期間が継続8時間から継続11時間を基本とすることに変更されました。

また下限も設けられ、9時間を下回ってはいけないことになりました。

最大で働ける労働時間が短くなることや、次の勤務までの休憩の時間の確保ができるようになり、ドライバーの労働条件をよくすることが目的です。

その一方で、長距離バスのドライバーの休息時間の確保、人手不足の中でニーズに応じた運行の確保など、運行管理者にとって悩ましい問題の一つとなっています。

2022年にすでに改正されていて、猶予期間は2024年3月まででした。

多くの事業所では猶予期間内に変更された内容で対策をして業務をされていたようです。

しかし、運行管理者試験でこの内容が反映されるのは今年(2024年8月実施予定)からとなります。

特に過去問を勉強する際は気をつけておきましょう。

10、おすすめテキスト/過去問集

※「いちばん分かりやすい!運行管理者 合格テキスト(旅客)」コンデックス情報研究所(著) 成美堂出版

基本講習の内容が分かりやすく解説されています。

基本講習のテキストと併せて勉強すると効率よく勉強できます。

語呂合わせなどもあり、暗記系に苦手意識のある方におすすめのテキストです。

※「詳解 ’23~’24年版 運行管理者(旅客)過去問題集」 コンデックス情報研究所(著) 成美堂出版

上のテキストの過去問集です。

併せて勉強すると分かりやすいでしょう。

過去問が8回分収録されていて、一冊でたっぷり勉強できるところもおすすめです。

※「無料CBT付き 運行管理者(旅客)対策標準テキスト+本年度予想模試8回分 ’24年度版」

東都観光バス株式会社 秋山惠一(著) 秀和システム出版

この本は過去の出題からよく出るところを中心に載せられていますので、効率的に勉強する事ができます。

また、実際にCBT試験が体験できるのもおすすめポイントです。

パソコンだけでなくスマホからも使う事ができるので、隙間時間で勉強したい方にもおすすめです。

※「誰でもできるスピード仕上げ 運行管理者試験 旅客編 2024-2025 重要問題厳選集」公論出版 

タイトルの通り、過去10回分以上から厳選された重要問題集になっています。

またその問題の解説もあり、一通り勉強した後の総まとめとして使う事がおすすめです。

重要な内容を間違えて理解していないか?

やり忘れていないか?

など確認しながら勉強を仕上げる事ができます。

試験の前の力試しとしてこのテキストをやってみるのも良いかもしれません。

法改正にも対応しています。

まとめ

安全に観光バスやタクシー等を運行させるためには欠かせない旅客運行管理者です。

2024年の法改正でさらに必要性と重要性が高まっていると言えるでしょう。

キャリアアップのために取得してみてはいかがでしょうか?

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