【2024年3月最新】第一種衛生管理者の試験を一発合格するための勉強法

みなさんは第一種衛生管理者という資格をご存じですか?

衛生管理者ならなんとなく聞いたことはあるけど、という方も多いのではないでしょうか。

この衛生管理者という資格は従業員の健康を守りつつ安全かつ衛生的な環境を作り出すお仕事です。

実は衛生管理者には第一種と第二種がありどちらも国家資格になります。

ではどのように違うのか、どちらを取るのが適切なのか、などもこの記事で解説していきます。

1.衛生管理者とはどのような仕事?

衛生管理者とは労働安全衛生法という法律に定められた国家試験です。

常時50人以上の労働者が働く事業所では必ず1人以上の衛生管理者を置くように法律で決められています。

また従業員が201人以上なら2人以上、501人以上なら3人以上と事業が拡大するほど衛生管理者の必要人数は増えるため、持っていると転職などにも有利に働きます。

また、衛生管理者は企業の一般的な給与に資格手当が付与されるため、転職後の年収アップなども期待できる資格です。

①仕事内容について

主な職務は職場が安全かつ衛生的であるように作業環境の管理、作業管理、健康管理を行い、業務に起因する体調不良や死亡事故などを未然に防ぐための業務です。

②具体的な仕事例

・職場の労働環境や設備を巡回し、衛生日誌を記録する。

その際に照明、温度、換気などの労働環境で衛生面上に問題があった場合は至急対策を取る。

・従業員の健康診断の受診を促し、結果が悪い場合は産業医と面談を取り付ける

・従業員の健康への意識向上のためにイベントを行う

また大規模な事業所と小規模の事業所での仕事内容も変わってきます。

大規模事業所だと、専任の衛生管理者として労働衛生管理の仕事のみに集中して仕事ができる場合もありますが、小規模の事業所だと衛生管理者の業務と他の業務を同時にこなす職場がほとんどになります。

2.第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の違い

衛生管理者は2種類の資格があり、大きな違いは有害物質を含む業務を行えるかどうかです。

①第一種衛生管理者

有害業務を含む業務でも衛生管理者として働ける資格です。

合格率は第二種より若干低いですが、それでも42%の合格率(2021年度)があるので他の国家資格よりは受かりやすい資格です。

具体的な就業先は、電気業・ガス業・水道業・熱配給業などのライフラインを扱う業務や、医療業・清掃業・運送業などの有害物質を含む業種が挙げられます。

また、製造業・鉱業・建設業・自動車整備業・機械修理業なども化学物質などの影響により健康を害するリスクがあるため第一種衛生管理者の資格が必要です。

第一種衛生管理者は業種ごとの働き方や専門知識をしっかり身に着け、労働災害や健康被害を未然に防ぐようにより多くの知識を必要とする資格です。

②第二種衛生管理者

有害業務と関連の少ない業務に限り、管理衛生者の業務を請け負うことが出来る資格です。

対象業務は金融業・保険業・卸売業・情報通信業などの営業やデスクワークなどの業種です。

第一種衛生管理者に比べると命に係わる健康被害は起こりにくいものの、従業員のストレスなどによるメンタルケアには十分配慮して取り組む必要があります。

第一種衛生管理者の資格を取得していれば全ての業務に対応できますが、有害物質を扱部署でないなら第二種衛生管理者の資格で十分です。

どちらが必要になるか自分の今後のキャリアなども考えながら取得するといいと思います。

3.受験資格や申し込み方法

気になる受験資格や申し込み方法・受験会場を詳しく解説していきます。

①受験資格

受験資格は3つの条件があります。

1、最終学歴が大学卒業・短期大学卒業・高等専門学校卒業かつ労働衛生の実務経験が1年以上ある人

2、最終学歴が高等学校卒業または中学教育学校卒業で3年以上の労働衛生の実務経験がある人

3、最終学歴が中学校卒業の場合、10年以上労働衛生の実務経験がある人

なお、第二種衛生管理者面免許を持っている場合は、第一種衛生管理者試験の一部科目が免除されます。

②労働衛生の実務経験とは

労働衛生の実務経験は13種類あります。

  • 健康診断実施に必要な事項または結果の処理
  • 作業環境の測定等の作業環境衛生上の調査
  • 作業条件、施設の衛生上の改善
  • 労働衛生保護具、救急用具の点検及び整備の業務
  • 衛生教育の企画、実施に関する業務
  • 労働衛生の統計に関する業務
  • 看護師または准看護師
  • 労働衛生関係の作業主任者
  • 労働衛生関係の試験研究機関における労働衛生関係の試験研究
  • 自衛隊の衛生担当者、衛生隊員
  • 保健衛生に関する業務
  • 保健所職員のうち試験研究に従事する者
  • 建築物環境衛生管理技術者

これらに該当する実務経験があれば、事業代表者に照明してもらうことで受験資格として受理されます。

また、事業場の清掃・給油室の清掃・衛生管理・デスク回りの整理整頓・備品の安全管理などの業務も作業環境管理に該当するため、一度自分の職歴を見返してみてください。

自分の業務が労働衛生の実務経験に当てはまるか分からない場合は、労働衛生技術協会に問い合わせてみてください。

③申し込み方法

(1) まずは受験したい日がすでに満員になっていないか各都道府県の安全衛生技術センターのサイトにて確認する。

→衛生管理者は需要がある資格ですが試験人数が限られているため直前の試験は満員の可能性が高いです。余裕をもって試験に申し込んでください。

衛生管理者試験の申し込みは試験予定日の2か月前です。

(2) 申請書を入手する

申請書をもらう方法は2種類あります。

・申請書を取り扱っている安全衛生技術センターに直接取りに行く

・安全衛生技術試験協会などに郵送で申し込み

 メモ書(試験種類と必要部数を記入)

 返信用の郵送料金分の切手を貼った宛先明記の返信用封筒(角型2号封筒 縦34cm横24cmの大きさ)

 この2つを同封して安全衛生技術センターに郵送する。

(3) 申請書を提出する

提出する書類は5つです。

・免許試験受験申請書

・試験手数料(振替払込受付証明書)

・証明写真

・最終学歴の卒業証明書

・事業者証明書

これらが準備できたら郵送または窓口持参にて安全衛生技術センターに提出する。

④試験費用

第一種衛生管理者・第二種衛生管理者ともに試験手数料は6,800円です。(令和5年6月1日から実施される試験から8,800円となります)

ただし、銀行や郵便局からの払い込み費用が別途かかります。

安全衛生技術センターなどで直接申し込む場合は現金で支払えます。

⑤試験会場

「東京」公益財団法人 安全衛生技術試験協会

〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館9階

Tel 03-5275-1088

「北海道」北海道安全衛生技術センター

〒061-1507 北海道恵庭市黄金北3-13

Tel 0123-34-1171

「宮城」東北安全衛生技術センター

〒989-2427 宮城県岩沼市里の杜1-1-15

Tel 0223-23-3181

「千葉」関東安全衛生技術センター

〒290-0011 千葉県市原市能満2089

Tel 0436-75-1141

「東京」関東安全衛生技術センター 東京試験場

〒105-0022 東京都港区湾岸1丁目11-1 ニューピア竹芝ノースタワー21階

Tel 03-6432-0461

「愛知」中部安全衛生技術センター

〒477-0032 愛知県東海市加木屋町丑寅海戸51-1

Tel 0562-33-1161

「兵庫」近畿安全衛生技術センター

〒675-0007 兵庫県加古川市神野町西之山字迎野

Tel 079-438-8481

「広島」中国四国安全衛生技術センター

〒721-0955 広島県福山市新涯町2-29-36

Tel 084-954-4661

「福岡」九州安全衛生技術センター

〒839-0809 福岡県久留米市東合川5-9-3

Tel 0942-43-3381 こちらの安全衛生技術センターで申請書も受付していますので、最寄りのセンターを把握していてください。

4.合格率

衛生管理者の試験は科目ごとで40%、全体で60%正解すると合格となります。

第一種衛生管理者試験の合格率

2021年度 42.7%、2020年度 43.8%、2019年度 46.8%

第二種衛生管理者試験の合格率

2021年度 49.7%、2020年度 52.8%、2019年度 55.2%

第一種衛生管理者よりは第二種衛生管理者の合格率が高い傾向にあります。

ただ、全体的に見ても40%の合格率がありますので、他の国家試験に比べると仕事しながらでも取れる可能性は十分にあります。

5.一発合格するための勉強方法

出題形式は5肢択一のマークシート方式です。

基本的にはまずテキストや実際の過去問を使用し、間違えたところや正解だったけどあいまいな問題の復習をし、また間違い選択肢も正しく指摘できるように勉強します。

そしてまた同じ問題を解き、復習したことが理解できているかのチェックを2,3回行います。

8割取れればまた違う問題を解き、そのたびに復習をしていくという勉強法がおすすめです。

ここからは科目別に第一種衛生管理者の資格に一発合格するための勉強法などを記載していきます。

【労働安全衛生法】

厚生労働大臣の許可の有無を問う問題が多いので、厚生労働省が係るものをまとめておくと有利です。ここだけでなく全範囲で出されています。

(例)

・特定化学物質

・情報機器作業

関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)

  • 労働安全衛生法に基づく労働者の心理的な負担の程度(ストレスチェック)

近年、労働者のストレスチェックの重要性が見直されてきているので近年の過去問では頻出問題です。

医師の面接の方法や、検査する実施者などが出題されています。

  • 年次有給

年次有給の法律上の必要日数などをしっかり把握しておく必要があります。

労基則第24条の3(所定労働日数の少ない労働者に対する年次有給休暇の比例付与)をしっかり理解しておいてください。

労働衛生(有害業務に係るもの)

  • 化学物質と常温・常圧での空気中における状態

蒸気になる物質とガスになる物質が間違えやすいのでそこをしっかりと把握する。

  • 化学物質による疾病のリスクの低減措置

過去2年で全く同じ問題が出ているので「化学反応のプロセル等の運転条件の変更」が一番優先度高い!と覚えてしまっていいと思います。

労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)

  • 受動喫煙防止

時間分煙や飲食等は認められていない

  • 脳血管障害および虚血性心疾患

虚血性心疾患、くも膜下出血、心筋梗塞、などの違いはしっかり把握しておいてください。

【関係法令】

関係法令は労働安全衛生法、労働基準法などの全体の基礎になる問題です。

その中でも第一種衛生管理者は有害業務に係るものが出題されます。

過去3回の過去問からよく出題されている問題をご紹介します。

関係法令(有害業務に係るもの)

この問題は暗記問題になります。語呂合わせで覚えたりしてセットで覚えることが多いです。

特によく出題されている問題はこちらの2つになります。ここは完璧に覚えましょう。

  • 作業環境測定とその測定頻度

作業の内容と数字がセットで覚えられるようにしましょう。

(例)

・鉛の濃度は1年に1回

・粉じん濃度は6か月に1回

【労働生理】

  • 血液
  • 心臓・循環器
  • 呼吸器

労働生理は暗記するには問題量が多いです。

すべて覚えようとすると挫折してしまうのでこの3つを中心に覚えてください。

心臓などはいろいろな名称がありますので分からなくなってしまいます。

一度図に書いて自分の中でイメージすることをおすすめします。

6.おすすめのテキスト

・23~24年版 ユーキャンの第一種・第二種衛生管理者 速習レッスン【よくでるテーマを集中学習!】

イラストが多いので理解しやすく、補足の情報量も多い。仕事で再確認するときも重宝するテキストです。

【おすすめ問題集】

・23~24年版 ユーキャンの第一種・第二種衛生管理者 重要過去問&予想模試

第一種と第二種の2冊あり、こちらもイラストが多いため理解しやすい。

8回分の問題集と予想模試までついているので、この本を完璧に勉強しておけば安心して試験に臨めます。

・試験の過去問5年分

本番で使用された過去問もネット上にアップされていますので、5年分解けるようになれば問題なく試験に臨めます。

SAT株式会社のホームページには解説も載っていますので分からないところは確認してください。

7.最短で合格したいなら

最短で受かりたい方は通信講座を受講してください。

なんと最短7日で合格できるカリキュラム。

知識ゼロの方でも7日で受かっていますので、勉強する時間がないけどすぐに資格が欲しい!という方におすすめです。

また絶対受かりたいけど独学では不安だ。という方にもおすすめします。

通信講座は受講者のサポートがしっかりしているサービスを選ぶことが大事です。

【オススメの通信講座】

・SAT株式会社の衛生管理者講座

フルカラーなテキストで分かりやすく知識がしっかり付き、収録システムも充実しており、雑音や画像が乱れることもなく集中して勉強することが出来ます。

また1講座が10分~20分前後なので隙間時間に勉強できます。

また確認問題もついているので、自分がどこまで理解できたのか把握することが出来、間違えた部分は何度もスマホで繰り返し学習ができます。

まとめ

衛生管理者は企業からも需要の高い資格です。

今の職場や転職などでも持っているだけで有利に働く資格。

しかも合格率が40%を超える国家資格なので比較的取得しやすい資格です。

仕事や子育てしながらの資格勉強は簡単ではありませんが、衛生管理者は一度取得すると再受験や更新の必要がないため、一度取れば資格の欄に一生書くことも出来ますので、ぜひ勉強頑張ってみてください。

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