【2024年3月最新】危険物取扱者に一発合格のために知るべき事と効率の良い勉強法

国家資格である危険物取扱者とはどんな資格?

独学で危険物取扱者に合格するための勉強のコツを甲種、乙種、丙種に分けてまとめました。

これから危険物取扱者試験を受験しようとしている方は必見です。

資格の簡単な概要とおすすめのテキストもご紹介しています。

独学で資格取得を目指すならぜひ一度目を通してください。

1.危険物取扱者とはどんな資格なのかを知る

既に受験を決めている方はご存知かと思いますが、良くわからないと思っている方のために簡単に資格の概要をまとめておきます。

危険物取扱者(甲 乙1〜6類 丙)は国家資格です。

取り扱い方を間違えると火災の危険があるような危険物を取り扱う職場では必要、もしくは持っていると有利になる資格です。

例えばガソリンスタンドで働く人やガソリンなどを運ぶタンクローリーの運転手、化学メーカーや化学物質の貯蔵庫で働く人等です。

危険物取扱者の資格にはいくつか種類があり、何を扱う職業なのかによって取得するべき種類が異なります。

またそれにより試験の内容も変わってきます。

大きな分類では甲種 乙種 丙種の3種類に分かれています。

さらにその中の乙種は第1類から第6類まで分類されていて、例えば第4類に合格したとしても他の類に属する危険物を取り扱うことはできません。

目的に応じて取らなければいけない資格が異なり、試験内容、試験日も異なります。

参考として扱える危険物と受験資格を下にまとめておきます。

甲種は第1類から第6類まで全ての危険物を取り扱い、定期点検をすることができます。

免許のない一般人がその危険物を扱う時の立ち会いができます。

受験資格があり、大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者、大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者、乙種危険物取扱者免状を有し実務経験2年以上の者、乙種危険物取扱者免状の第1類または第6類 第2類または第4類 第3類 第5類の中の4種類以上の交付を受けている者、修士 博士の学位を有する者のいずれかに該当する必要があります。

乙種はそれぞれ指定の類の危険物の取り扱いと定期点検ができます。

免許のない一般の人がその指定の危険物の定期点検や取り扱いをしようとした時に立ち会うことができます。

乙種の細かい分類については次の通りです。

第1類 塩素酸塩類などの酸化性固体

第2類 硫化リンなどの可燃性固体

第3類 リチウムなどの自然発火性、禁水性物質

第4類 ガソリンなどの引火性液体

第5類 ニトロ化合物などの自己反応性物質

第6類 硝酸などの酸化性液体

受験資格は特に設けられていません。

丙種は乙種第4類の中のさらに限られた引火生の危険物の取り扱いと定期点検ができますが、一般の人が取り扱いする時の立ち会いはできません。

こちらも受験資格は特に設けられていません。

2.受験方法について

試験の日程と回数は都道府県によって大きく差があります。

例年数十回試験を実施している地域もあれば、数回しか実施していない地域もあります。

どうしても試験日が合わない場合は、住んでいる地域以外でも受験することができます。

東京は中央試験センターに申請をして、中央試験会場で受験をします。

その他の支部は指定した試験会場で受験します。

例えば神奈川支部で試験の申し込みをすると、神奈川大学横浜キャンパス、慶應義塾大学日吉キャンパス、横浜市立大学金沢八景キャンパス、専修大学生田キャンパス、神奈川中小企業センタービル、関内新井ホールのどこかで受験することになります。

その日の受験人数などの兼ね合いで会場が決まっているようです。

申請方法は書面での申請と電子申請があります。

書面の場合は受験地のセンターか支部、消防署から願書を取り寄せるか直接撮りに行って入手します。

必要事項を記入した書類と試験手数料支払証明書を受付期間内に持参するか送付して申し込み、受験票を取得します。

電子申請の場合は手順に従って申し込み、コンビニ支払かクレジットカード支払、ペイジーから支払いをすると受付完了メールが届きます。

その後試験10日前に電子申請の画面から受験票を印刷して取得します。

申請の注意点は、各証明書が必要な受験は電子申請ができないことと、東京都の試験手数料が令和6年5月1日分より上がる予定だということです。

また、試験には定員があるため、いっぱいになると受付期限内でも締め切られてしまう場合があります。

中央試験センターの定員の枠はないですが、受験者数によっては試験終了時刻が遅い時間になることもあります。

申請日はだいたい試験日の7週間から8週間前に開始になることが多いようですがこの限りではありません。

早めの申請を心がけてください。

うっかり申請忘れにも気をつけてください。

3.【合格率40%前後】甲種の試験対策

甲種は危険物取扱者の最上級の資格です。

全ての危険物が取り扱いできるようになるため、試験範囲はかなり広いです。

乙種第1類から第6類までの危険物の性質と物理学と化学を勉強しなければなりません。

しかし甲種を受験しようとしている方は、大学で化学を勉強した経験のある人や、乙種を4種以上取得していたりする方です。

そのため、ある程度知識のある人しかいないと思います。

聞いたことのある言葉で出題されていることも多いので、構えずに勉強に取り組むことが合格のポイントです。

試験科目は「危険物に関する法令 15問」「物理および化学 10問」「危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法 20問」合計45問 5つの選択肢から選ぶマークシート方式 制限時間2時間30分 合格基準はそれぞれの科目で60%以上の正答です。

勉強用のテキストや問題集が書店などで購入できます。

「物理および化学」では計算問題も出題されます。

モル計算、熱化学方程式などの計算式が必要な問題が出ます。

高校レベルくらいの知識の問題ですが、方程式の暗記だけでは解くことができず、使いこなして計算する必要があります。

この科目は10問しかないので1問の点数配分が大きくなります。

暗記だけで解ける問題が出ることもありますが、応用問題が出ても解けるようにしておいた方が良いです。

この科目の頻出問題として静電気、放電エネルギーの計算や化学反応式による量的計算があります。

燃焼の定義、原理、仕方も出やすいです。

応用的な出題になることが多いので、覚えるだけじゃなく理解するように心がけましょう。

「危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法」では、どれだけ暗記できるのかが合格のポイントです。

暗記しなければいけないことがたくさんある科目です。

知っているものや得意なものからどんどん覚えてなるべく種類を多く覚えるようにしましょう。

種類が多い分、過去の出題傾向を見ても満遍なく出ているような印象ですが、よく出ている物質は硫黄、硫化りん、硝酸エステル類、過塩素酸、硝酸が挙げられます。

外さずに覚えておくほうがベターです。

「危険物に関する法令」は他の2科目が終わった後、最後に勉強しましょう。

これは上二つで勉強した科目と繋げて考えられる部分が多いからです。

乙種と同じ科目ですが、乙種と比べると引っ掛けようとするような出題の仕方なので難しいです。

暗記することも多いですが、疑問は残さずに理解しましょう。

1類から6類まで指定数量を覚えていないと解けない問題もあります。

危険物取扱者制度や保安講習、予防規程に関する問題、消火設備に関する問題がよく出されています。

テキストを隅々まで読んで、分からないことがなくなるまで勉強しましょう。

甲種のおすすめテキストは「分かりやすい!甲種危険物取扱者試験 大改訂第2版 (弘文社)」です。

例題と解説テキストが一冊にまとまっています。

とにかく分かりやすく書かれています。

覚える範囲が多い甲種の試験ですが、覚えやすい工夫がされています。

理解を深めなければならないので、暗記にはなるべく時間をかけずに終わらせたいところです。

4.第4類だけ難しい?乙種の試験対策

乙種は第4類だけ合格率30%前後、その他は70%前後の合格率です。

第4類だけ合格率が極端に低くなっていますが、これは第4類が最も受験者数が多いことと関係しています。

第4類(ガソリンなど)は最も身近な危険物であるため受験者数が多く、その分落ちる人も多いということです。

また、他の分類は何かしらの乙種を取得後に受けている人も多いです。

科目の免除を受けて受験している人が含まれているため、高い合格率になっていることが考えられます。

きちんと準備して試験に臨めば一発合格が目指せる試験です。

乙種の被験科目は「危険物に関する法令 15問」「基礎的な物理学および基礎的な化学 10問」「危険物の性質並びにその火災予防および消火の方法 10問」合計35問 5つの選択肢から選ぶマークシート方式 制限時間 2時間 合格基準はそれぞれの科目で60%以上の正答です。

乙種の試験は「危険物に関する法令」の科目では指定数量の計算問題がよく出されています。

指定数量はその物質の名前を見ればすぐに答えられるくらい覚えておいた方が良いです。

他にも保安講習や予防規定、定期点検等の問題から多く出題されています。

言葉が難しかったりもするので、他の2科目を勉強し終わった後、最後に勉強した方が効率が良いかもしれません。

この科目は第1類から第6類まで共通なので、自分が受ける分類以外の物質の問題が出されることも考えられます。

関係ないからと思わずに勉強してください。

「基本的な物理学および基本的な化学」では物質三態の問題がよく出ます。

比重と密度の暗記、沸騰や潮解などを理解して覚える必要があります。

子どもの頃に理科の授業で聞いたことのある言葉もよく出てくるので取りかかりやすいと思います。

この科目も共通です。

受ける分類とは違う物質のことでも出題されます。

「危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法」はその名の通りです。

分類ごとの専門的な性質や消火方法などしっかり頭に入れておきましょう。

特に性質の基本的なところは勉強した方が良いでしょう。

聞いたことのある言葉で書かれていることが多いため比較的取りかかりやすい科目です。

乙4のおすすめテキストは「<10日で受かる!>乙種第4類 危険物取扱者(ツールボックス)」です。

カラーや図解で説明文が書かれており、練習問題もあります。

化学のことがよく分からない人でも理解しやすいように書かれています。

乙1~6類のおすすめテキストは「一発合格!乙種1.2.3.5.6類危険物取扱者試験 テキスト&問題集(ナツメ社)」です。

この本は共通の2科目は載っていませんので注意してください。

例題があり使いやすいですし、物質の性質のことが丁寧に書かれているので分かりやすいです。

5.【合格率40%前後】丙種の試験対策

丙種の試験は「危険物に関する法令 10問」「燃焼および消火に関する基礎知識 5問」「危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法 10問」の3科目 合計25問 4つの選択肢から選ぶマークシート方式 60%以上の正答で合格 制限時間は1時間15分

丙種は甲種や乙種に比べて簡単だという人もいますが、問題数が少ないため点数配分が大きくなります。

確実に一問一問解いていく癖をつけていきましょう。

出題範囲が狭いため、あまり問題にバリエーションがありません。

とにかく問題集を解いて覚えていくのがおすすめの勉強法です。

おすすめのテキストは「1回で受かる!丙種危険物取扱者テキスト&問題集(成美堂出版)」です。

問題集が3回分もついていながら分かりやすい解説もあります。

6.条件に当てはまれば免除になる科目がある

上でも少し触れましたが、条件に当てはまれば受験科目が免除になる場合があります。

免除の科目があるのは乙種と丙種です。

甲種が免除になることはありません。

仮に乙種を1類から6類まで持っていたとしても、甲種を受験する時は3科目全てを受けなくてはなりません。

乙種と丙種の免除の条件と試験科目などを下にまとめておきます。

乙種は既に他の類を持っている場合、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(以下、性消)だけを受験すれば良いとされています。

その場合は問題数が10問で制限時間は35分です。

火薬類免状を持っている方が第1類と第5類の取得のための試験を受ける時、基本的な物理学および基本的な化学(以下、物化)の一部と性消の一部が免除になります。

問題数は全24問で制限時間は1時間30分です。

乙種危険物取扱者免状と火薬類免状のどちらも持っていて、第1類か第5類を取得するための試験では性消の5問のみになり他は全て免除となります。

制限時間は35分です。

5年以上消防団員としての勤務、消防学校の教育訓練のうち基礎教育または専科教育の警防科を終了すること、の条件をどちらも満たして丙種の取得をする場合、試験は燃焼及び消火に関する基礎知識の科目が全て免除になり、全20問で制限時間は1時間になります。

いずれも合格基準点は非免除の時と同じで各科目60%以上です。

免除を受けようと思った時、試験の申請の時に証明する書類を忘れずに貼付する必要があります。

電子申請では免除は受けられませんので書面での申請をしてください。

7.危険物取扱者を取得するための費用

試験を受けようと思ってから勉強をして実際に資格を取得するまで、いくらか費用がかかります。

大きな出費は無いですがどんな出費があるのか確認してみましょう。

どの申請方法でも試験手数料がかかります。

甲は6,600円、乙は4,600円、丙は3,700円かかります。

東京都は5月1日の申請分から、甲は7,200円、乙は5,300円、丙は4,200円になる予定です。

書類で願書を送る際にかかる送料、支払いの手数料なども実費でかかります。

電子申請で申請した時に自宅にコピー機がない場合は、受験票を印刷しに行かなければなりません。

その際にコピー代がかかります。

テキストは2,000円前後からのものが販売されています。

高くても5,000円くらいで購入できます。

独学で取得を目指す場合には必ず必要になります。

試験会場に行くための交通費も実費で必要です。

県外に受験しに行く場合は交通費はその分多くかかりますし、日帰りできない場合は宿泊費もかかります。

試験に合格した場合は、交付手続きをして免状を取得しますので、取得のための手数料がかかります。

例えば東京都の場合は2,900円です。

また、郵送での交付を希望する場合には封筒や切手が必要です。

大きな出費は少ないものの細かいところでかかってきますので、小学生や中学生の子どもが取得を目指す時には注意が必要です。

8.免状を取得した後について

危険物取扱者の資格は定期的に更新が必要な資格です。

更新をしなくても失効することはありませんが、その資格を使って働くことができなくなります。

更新のタイミングは10年に1度です。

消防法の改定や事故の傾向など、危険物取扱者として働くために知っておかなければならない事の情報をアップデートするため、危険物取扱者保安講習を受けなければなりません。

また、住所や名前の変更の場合なども更新しておかなければなりません。

更新の申請は東京都の場合は中央試験センターの窓口で行います。

消防署などにある専用の書類を使って郵送で申請することも可能です。

東京都以外での更新の場合、住んでいるか働いている、もしくは免状の交付を受けた道府県のセンター支部で更新の申請をします。

期限内の更新であればそこまで時間がかからずに更新できますが、期限を切らしてしまうと新しい免状を受け取るまでに時間がかかってしまいます。

仕事で使っている方、使う予定の方は忘れずに期限内に更新するようにしてください。

更新時も費用が発生します。

免状の紛失や破損の場合は再発行してもらう必要があります。

その際も手数料や実費がかかります。

まとめ

危険物取扱者は比較的とる方が多い資格です。

小学生や中学生でもチャレンジして合格している子もいます。

例えば甲種は小学2年生の子が合格しています。

仕事で使う方はもちろんですが、資格を増やしたい方や小学生、中学生、高校生の長期休みのチャレンジとして、独学でも一発合格を狙える資格ですのでぜひ挑戦してみてください。

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