一級小型船舶操縦士免許取得完全ガイド!費用、難易度、二級小型船舶操縦士免許との違いについて詳しく解説

一級小型船舶操縦士免許の取得を考えている方にとって、その取得費用や試験の難易度、二級小型船舶操縦士免許、特殊小型船舶免許、海技士との違いについてなど知りたいことはたくさんありますよね。

この記事では、一級小型船舶操縦士免許取得の完全ガイドをご紹介させていただきます。

まず一級小型船舶操縦士免許とは何か、その特徴や取得することのメリット、さらに各種船舶免許との違いについて詳しく解説していきます。

一級小型船舶操縦士免許の取得を目指す方は必見の情報が満載です。

それでは、さっそくみていきましょう!

船舶免許とは

正式には小型船舶操縦士免許証といいます。

小型船舶操縦士免許は種別によって、操縦できる船の規模や種類、運行距離など様々変わってきますので、それぞれ比較しながら解説していきたいと思います。

そもそも船舶免許とは、総トン数が20トン未満であれば小型船舶免許、20トン以上であれば海技士免許といったように区分されています。

この記事ではタイトルにもあるように小型船舶免許、特に1級の方に焦点を当てながら解説をさせて頂きます。

小型船舶免許とは、スポーツやレクリエーションに用いられる船舶や、ある一定の条件を満たすプレジャーボートに適用されます。

具体的な部分を挙げると、以下のような内容となります。

  • 一人で操縦を行う構造であること。
  • 長さが24メートル未満であること。※大型バス2台分程度の大きさのイメージ
  • スポーツやレクリエーションのみに用いられるものであること

免許の有効期間は5年間で、免許更新講習を受ける必要があります。

正直プレジャーボートって言われてもピンと来ませんよね。

「レンタルボート」で調べるとどのようなものなのか出てくるので是非とも調べてみてください。

海外映画とかでよく見かける、いわゆるセレブが乗っているような5人乗りくらいのパーティボート。

そのサイズ感でイメージしてもらえればいくらかわかりやすいと思います。

実際のところプレジャーボートとは、ヨットやモーターボート等全てをひっくるめた総称になります。

一級小型船舶操縦士免許の特徴

航行区域に制限がないボートの免許となります。

船の大きさが総トン数20トン未満または24m未満でここは2級と同じです。

そして次が最大の特徴で、航行区域はなんと無制限!!つまりどこへでも行けるのです。

受講年齢は17歳9ヶ月以上からで、取得年齢は18歳以上からとなっております。

2級船舶免許の特徴

ずばり1級との違いは航行区域が平水区域と5海里(約9.3㎞)以内と定められているところです。

船の大きさ, 総トン数は1級と同じですね。

ボート・ヨットなどマリンスポーツを気軽に楽しみたい方には、2級小型船舶免許で特段支障は無いとも言えるでしょう。

受講年齢は15歳 9ヶ月以上からで、取得年齢は16歳以上からとなっています。

1級よりも早く取得することが出来るのが特徴ですね。

改めて1級と異なるのは操縦できる船ではなく、岸からの距離であるということをお忘れなく。

特殊小型船舶の特徴

一言で言うならずばり水上オートバイ専用の免許です。

航行区域は湖川及び海岸から2海里(約3.7㎞)となっています。

受講年齢は15歳 9ヶ月以上からで、取得年齢は16歳以上となっています。

この資格は水上オートバイ専用免許であり、ボート自体の操縦はできないので注意しましょう。

海技士免許の特徴

海技士とは総トン数20トン以上の船舶の船員になるための国家資格です。

この資格を証明するものを「海技免状」といいます。

海技免状は1級から6級(無線部は1級から3級)まであり、それぞれの免状によって運航できる船や職務などが決まります。

つまり大型船舶を運航するためには、海技士の免許が必要となってくるのです。

船舶免許試験の難易度と勉強方法

実際に試験を受ける上での試験の難易度やその勉強方法について1級船舶免許に焦点は当てますが他の免許の説明も交えながらご紹介致します。

⑴級船舶免許取得難易度とそのポイント

  • 級船舶免許の合格点

1級船舶免許の合格点は「430点」となっております。

学科試験においては一般科目として50問出題され上級科目として14問が出題の合計64問が試験問題として出題され、合格基準が試験科目別の成績が配点の50%以上であり、その上総合成績が合計の65%以上の正解が必要となってきます。大体半分ちょっとの点数取れればOKですね。

  • 2級船舶免許の合格点

2級船舶免許の合格点は「330点」です。

学科試験は一般科目から50問の出題となり、科目毎の合格基準は1級と同様です。

  • 特殊小型船舶免許(水上オートバイ)の合格点

特殊小型船舶免許の合格点は「260点」です。

学科試験は一般科目40問の出題で科目毎の合格基準は1級と同様です。

  • 海技士免許の合格点

上記3つの試験同様にこちらも合格基準は1級と同じです。

ただこの資格試験のみ口述試験があり、得点の総計が配転総計の65%に達する必要がありますので対策が必要ですね。

⑵船舶免許取得に必要な勉強時間の目安

試験対策の勉強時間の目安は個人差がありますので、一概には言えませんが、国家試験が免除される登録教習に通う場合は1級船舶免許:学科24時間+実技4時間、2級船舶免許:学科12時間+実技4時間の受講が必要となるでしょう。

ちなみに船舶免許の学科または実技試験に落ちてしまった場合、2年以内に受験し合格すれば免許が交付されます。

登録教習所の学科または実技試験に落ちてしまった場合は、1年以内に受験し合格すれば免許が交付されますので覚えておきましょう。

(3)上級科目への対応方法

ここで上級問題に必ず絡んでくる海図問題についてお話します。

海図問題は上級試験において最も難易度の高い部分と言っても過言では無いでしょう。

海上を航行している船が何分後にどれぐらい進んで、その位置にいるか、「クロスベアリング」、「トランシット、「」レーダー測定」と言ったような、いくつかの手法で船舶の位置を導き出します。

どれも複雑で難易度は高めですが、必ず出題される分野でありますので確実に抑えたいポイントと言えるでしょう。

この三つの手法については以下のようなものとなります。

  • クロスベアリング

海図で位置が分かるいくつかの物標を活用し、方位を同時に測定する事で船舶の航行位置を求める方法です。

多数の目標の方位を測定した際、方位線が交差します、つまりその交差したポイントが船の海上の位置となるのです。

座標を求める時のかなりポピュラーな手法で、航海の練習での必修項目と言っていいでしょう。

  • トランシット

「トランシット」とは「重視線」を意味し、コンパスが無くても海図上に線を引くことができます。

付近の風景の中で二つの目標物が一直線に並んで見えるとき、海図上でその目標物を特定することで、その二つを結ぶ線を引くことが可能になります。

そこから自船がこの線の延長線上にいる、ということが判明するという手法です。

  • レーダー測定

レーダーの真方位指示と相対方位指示というものを利用する

レーダー表示される映像については、表示法が二つあり、レーダー画面の上が真北を示しており。

映像の方角とそこまでの距離を測定することで、海図にその位置を記入することが可能となる真方位指示というもの。

また画面の上が船舶の船首と一致している場合。

この映像を利用し船舶の位置を導き出すには、船舶の針路と、その船首角を加えた方角を導き出し、その方角と距離で現在位置を把握することができることを相対方位指示と言います。

このように難解な海図を読み解く問題については数問しか出ませんが、確実に出題される分野であることに変わりはないので、過去問をたくさん解くことで、まず問題の解き方に慣れることから始めると良いでしょう。

問題集や過去問集を購入してひたすら問題解くことをおススメします。

教習を受ける場合は、担当講師の講義内容をしっかり聞いて、出題ポイントを把握すること、定規やコンパスの使い方をその場で分かるまで何度も聞いて自分のモノにすることが効率的かと考えられます。

実技試験のポイント

船舶免許を取得するには、学科試験と実技試験に合格する必要があります。

1級、2級小型船舶操縦免許の実技試験内容は同じものであり、小型船舶の取扱い、基本操縦、応用操縦の3項目となります。

出航前に、桟橋で出航前点検とロープワークを実施します。

点検は指定された2箇所に対して行います。

船体・操縦席・エンジン・法定備品・法定・書類、ロープワークは巻き結びやクリート止めなど、いずれかが指定されます。

結び方の名称・手順・用途の違いを把握し、試験当日慌てないように練習しておきましょう。

一つ一つのロープワークはそこまで難しくないです。

実際に操縦するコースは、一筆書きのように行います。

操縦装置の確認・発進・離岸や人命救助までが実技試験内容です。

操縦自体は難しい部分はあまり無いように感じましたが、最後の着岸については意外とコツが必要で、事前にユーチューブの実技試験の解説などで、当日のイメージを練ることができれば上手くいくと思われます。

進級制度について

2級の小型船舶免許を取得したものの、やっぱり1級船舶免許も欲しい!!と思う方も少なくないと思います。

そんなあなたに朗報がありますので是非ともご覧ください。

  • 実技試験の免除

小型船舶の免許では2級から1級へ進級することができます。

イメージとしては車の普通自動車免許から中型自動車免許へ更新するようなイメージでいいでしょう。

進級で免許を取得する際に免除される項目があります。

どちらの免許でも操縦できる船の大きさは変わらないということから、実技試験自体は免除となりますのでラッキーですよね。

  • 学科試験の免除

学科試験において1級小型船舶免許試験では、新規に受検する場合、本来でしたら全部で64問が出題されるのですが、2級小型船舶免許をお持ちの場合は、「小型船舶操縦者の心得及び遵守事項」と「交通の方法」、「一般運航」の合計50問が免除となり「上級運航」のみの受験となることから、問題数はなんとたったの14問になります。

かなり問題数が減るので気持ちが楽に感じますよね。

船舶免許取得の費用について

ここで気になるのが船舶免許取得にかかる諸々の費用ですよね。

それぞれ触れて行きたいと思います。

 ⑴船舶免許取得にかかる費用

船舶免許を取得するまでの合計費用を近年の全国平均でみると、一級小型船舶操縦士免許の場合で112,575円、二級小型船舶操縦士免許だと89,830円、特殊小型船舶免許の場合で52,000円といったような数字になります。

なかなかの値段ですよね。

⑵費用の内訳

内訳としては申込金、教材費、学科教習、実技教習、その他の費用(設備費用、身体測定費用、免許申請代行費用、修了試験)といった料金が発生してきます。

船舶免許を取得することでの将来性について

船舶免許を取得することは趣味だけでなく将来的な就職、転職に繋がる可能性も広がりますので是非とも参考にして下さい。

⑴就職、転職に活かすことはできるのか?

5つ程、活用できそうな職業を選定してみました。

①警察官

警察の公務において船舶免許が必要なものがあります。

警察の乗り物の一つで警備艇というものがあり、その職務に就くに当たって「1級」の船舶免許は必須条件となっております。

②消防士

消防においては、水害発生時の水難救助現場では救助活動に船外機付きのウレタンボートが必要不可欠であり、また、臨海の消防本部では消防艇を有している所も多くあることからかなり実用的であると言えるでしょう。

③観光系企業

観光系企業では、船舶免許+特定操縦免許があれば屋形船やクルージングの船長になれます。

また、ほとんどの求人で小型船舶免許と特定操縦免許の取得が条件となっていることから、屋形船やクルージングの船長になり、お客様を喜ばせたい方は是非、小型船舶免許を取得し同時に特定操縦免許を取得しましょう。

④漁師(沿岸漁業従事者)

漁師と一言で言っても複数の種類がありますが、沿岸漁業は日帰りの範囲に従事します。

漁獲する種類は魚類だけではなく、昆布ですとか貝関係など幅広く、乗りたい船も多種多様ですね。

⑤渡し船・遊漁船の船長

渡し船は生活導線の渡し船、遊漁船は釣り目的のお客さんをポイントまで運ぶ、船上で釣りができる遊漁船を指します。

渡し船や遊漁船では、1日に何回も決まった道を往来するため、船舶の操縦が好きな方には最適な職業です。

⑵趣味やレジャーでどのように活きるのか

海や旅行に出かけた際に、「クルージングしたい」や「水上バイクを操縦したい」と思ったことはないでしょうか。

船舶免許があればその夢を実現することが出来ます。

  • 旅行の行き先が増える

島国である我が国は約6,852の島から出来ています。

しかし、その中で船を持たずに個人で行ける島は少ないです。

離島には様々な楽しみ方があり、ガイドにもない魅力が満載です。

無人島に行って未開の地を冒険することも、人生経験のひとつとなるでしょう。

  • 釣りの行き先が増える。

船舶免許があれば、いつでも沖へ出られます。

1級船舶免許であればかなり遠いとこまで自由に行けちゃいます。

どこで釣ろうか、餌は何にしようか、何を狙おうか、自由自在です。

自ら船を運転し、友人と船をチャーターすれば、費用も安くできるし、さらに、旅行先でも船をレンタル借りて出港すれば、その土地だけの魚をゲットすることもできますね。

  • 複数ライセンス取得でマリンスポーツを満喫できる

これは合わせ技になるのですが、他のライセンスもセットで取得してみるのもありかと思います。

例えばダイビングのライセンスを取得すれば、自分の運転で穴場まで行き、潜ることもできます。

家族や友人を連れて自分でレクチャーをすれば、一緒にダイビングが楽しめます。

このように複数のライセンスを入手すれば、より良いマリンライフを送れます。

  • クルージングを企画できる

船舶免許を持っていれば、自分の船で家族や友人を誘い船上でパーティーができます。

ナイトクルージングや、船上バーベキュウなど、非日常を味わえます。

一級小型船舶操縦士免許取得のポイントまとめ

いかがでしたでしょうか?

船舶免許、それも一級小型船舶操縦士免許を取得することで人生の幅が大きく広がることをイメージできましたでしょうか?

一級小型船舶操縦士免許を取得することで、趣味やレジャーにフル活用できるのはもちろんのこと、就職活動や転職活動においても活かすことができるのがこの国家資格の強みです。

取得するか迷われている皆様もぜひこの機会に、一級小型船舶操縦士免許を取得されてみてはいかがでしょうか?

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