【本当は教えたくない】管理栄養士免許を一発合格する為の勉強法

1.管理栄養士とは

管理栄養士とは栄養士法に定められた国家資格。

栄養士の場合、管理栄養士課程もしくは栄養士課程のある大学、短期大学、専門学校に入学し、所定の単位を取得すれば卒業とともに栄養士となることが出来ます。

ですが管理栄養士は管理栄養士の国家試験に合格し、厚生労働省の免許を受けて管理栄養士として働くことが出来ます。

栄養士養成施設の方も卒業後に栄養士として実務経験を1~3年以上(修業年限によって変わる)働くことで管理栄養士の受験資格がもらえます。

2.管理栄養士の仕事

  • 医療現場

患者一人一人の病状に合わせた食事の提案や栄養指導、医療チームの一員として医師や看護師などと協力して働きます。献立の作成や栄養指導も行うため、膨大な知識量が必要になります。

  • 学校給食

成長期に必要な適切な食事と栄養に関する知識を提供します。子供たちの食育や食生活の改善、食物アレルギーの対応など個別的な指導の担当もあります。

  • スポーツ

アスリートのパフォーマンスを最大化するために栄養面のケアやケガや疲労が起こりにくい身体づくりの役割も担っています。スポーツ栄養士などのまた別の資格もあり、幅広く活躍できます。

  • 行政

乳児期から高齢者まで地域住民の健康づくりと栄養・食生活の改善などを促すために市町村の保健センターなどで健康づくりの講座を開催したり、栄養相談にのったりと多岐にわたり活動しています。

  • 福祉(保育園や障害者施設)の現場

身体の機能に合わせた食べやすい食事作りや0歳から小学校入学前の子供たちに必要な離乳食や幼児食を提供します。保育園では食材や料理に対する興味や関心を高め、自立した食生活ができるように食育も行っています。

  • 研究や教育機関の現場

食に関する研究やエビデンスづくり、未来の管理栄養士・栄養士の育成などに携わる方も多くおり、企業で食品研究が健康に役立つ商品の開発につながることもあります。

3.管理栄養士の合格率

管理栄養士の試験はだいたい2月から3月ごろに実施されます。

また新卒や既卒かで合格率大きく変わります。(令和5年度参考)

・管理栄養士養成課程(新卒) 合格率87.2%

・管理栄養士養成課程(既卒) 合格率9.9%

・栄養士養成課程(既卒) 合格率16.0%

新卒時に一発で受かることの重大さがわかる数字ではないでしょうか。

それだけ管理栄養士の勉強内容は膨大で仕事しながら受験するのはなかなか難しい現状です。

4.管理栄養士試験を一発合格した勉強法

筆者は管理栄養士養成課程にて新卒で合格しました。

そのときに実施した勉強法は「過去門をひたすら解く」というシンプルな勉強法でした。

ただ、やみくもに過去問を解くだけでは管理栄養士試験を突破できるほどの知識はつきません。

筆者がやった過去問勉強方法は2つです。

(1)まずは一昨年の管理栄養士試験の過去問を解く(なぜ一昨年なのか。去年出た問題は比較的に出にくい傾向にあるため、まずは2,3年前の過去問を解くことをおすすめします)

→わからなかったところを理解する(理解できなければ教員などに質問していました)

→次にもう一度試験を解く。そのときに試験問題は5択なのですべての間違いを記入する(試験は正しいものを選ぶので、他の選択肢の間違いもなぜ間違いなのか解いていく)

→もう一度解いてみる

という流れで問題文全てが理解できるように過去問を解きました。

問題集には直接書き込むことはせず、ノートなどに正答を記入して何度でも解けるようにしていました。

管理栄養士の試験は試験内容がとても膨大です。

それを教科書などで一から理解しようとしても1年では到底間に合いません。

その分管理栄養士の過去問は重要なところしか試験に出さないので、管理栄養士の過去問を問題文と選択文すべての解答ができるまで解きます。

分からないところはまとめて教員に質問に行くのが早いです。

またはお友達に聞いたりしてみんなで理解すると不思議と忘れないですよ。養成課程の強みですね。

やはり同じ目標の方が近くにいるとサボっていられないと奮起させてくれます。

(2)模擬試験を受ける

→過去問と同様、わからなかったところ・選択肢の間違いをすべて復習する

→自分の中で得意な教科・苦手な教科を把握する。

模擬試験は本番と同じように時間制限で解くため時間配分も重要になってきます。

ちなみに日本医歯薬の試験は毎回難しすぎましたので、もう何を聞いても全くわからない!という問題は復習しませんでした。

ただ将来、病院の栄養士になりたい!と思っている方はこの問題もスラスラと解けると就職後に役立つかもしれません。

5.実際の勉強スケジュール

実際の管理栄養士養成課程を経験した筆者の受験年(大学4年生)はどのように過ごしていたのか記載していきます。

ただお仕事されている方にはあまり有益ではないかもしれませんが、このくらいで合格率は87%まで上がります、という目安にしてください。

〇4月~7月

他の学科と違い栄養学科は4年生になっても必修科目が残っており、夏休み前までは普通に授業という形でした。

ただ模試などが行われていたり、管理栄養士対策専用の自習室が用意されたりしており、放課後はそこに残って勉強する学生も多くいました。

20時に終業と決まっており、ぎりぎりまで勉強する姿もありました。

朝の8時くらいから夜の20時まで缶詰め状態で勉強している方もいらっしゃいましたよ。

〇8月(夏休み)

夏休みはなく管理栄養士対策教室は解放され、むしろ出席を取るほど強制的に勉強していた記憶があります。ここから国家試験の重大さを感じました。

朝8時から夜の20時まで勉強する生徒はより増えました。

基本的にここから過去問などを重点的に解き、教員が出やすい問題をまとめて授業してくださいました。

分からないことを聞けるのは在学時のみですので、管理栄養士として活躍したい!と強く思っている方は、この1年だけは勉強に当てても損はないですよ。

むしろ一緒に勉強した仲間たちと絆が深まりました。

〇9月~12月

2学期は過去問を解き、授業も管理栄養士試験の対策勉強ばかりでした。

この時期になると試験対策で時間配分の対策などを行っていました。

〇1月~3月

年末年始も夏休みと同様教室は解放されていました。

もうこの時期はひたすら模擬試験の復習や解きなおし、過去問をすべて正答まで書けるように繰り返していました。

あと管理栄養士の試験は全体で6割取れば合格です。

私は苦手科目を克服するより得意科目をほぼ満点取れるように勉強しました。

1年間ずっと勉強を続けるって並大抵の努力ではできませんよね。

同じ目標を持つ仲間がいるだけで勉強嫌いな私でも頑張ることが出来ました。

もし卒業時に試験に受からなかったとしても、職場内の栄養士はみな通る道なので理解者を作れるとまた来年も頑張ろうと思えます。

6.教科別!一発合格勉強法

教科は10年前と変わらず「社会・環境と健康」「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「食べ物と健康」「基礎栄養学」「応用栄養学」「栄養教育論」「臨床栄養学」「公衆栄養学」「給食経営管理論」の9教科です。

9教科もあり、どれも知識量が膨大です。

1つずつおすすめの勉強法を教えます。

①社会・環境と健康

この教科はひたすら暗記です。

環境問題の取り決めの条約名や内容をセットで覚えられるように単語カードなど使い、電車の中などに勉強する隙間勉強をおすすめします。

ただ覚えてさえいれば簡単に点が取れる教科でもありますので、公害など有名なことはしっかり覚えましょう。

国語や社会がお好きな方は得点につながりやすいと思います。

②人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

私は一番この教科に力を注ぎました。

化学の分野にもなり、一度理解できれば他の問題でも解けるようになります。

最初は本当に訳も分からず、すぐに答えを見てしまうほど理解してなかったです(4年生の春ごろ)でも管理栄養士の過去問を繰り返すと同じような問題ばかり出るので、こつこつと4月から勉強を始めてください。

化学や数学が得意な方はすぐに理解できると思います。

研究系の職に就きたい方は就職後も必須なので今のうちに力にしてください。

③食べ物と健康

この教科も主に暗記になります。

4月から少しずつ過去問などで勉強していくことをおすすめします。

人の記憶は1時間後には50%が忘れられるとされています。

毎日少しずつやることが必勝法です。

卵の構造は全て暗記した方がいいくらい高頻度で出ます。

甘味料などは全部が出るわけではないので過去問からよく出る問題を抽出するとスムーズ。

こちらも覚えることは膨大な教科ですが、就職後に使うことが多かったのでしっかりと暗記したいですね。

④基礎栄養学

基礎栄養学は食物の構造や利用などを学ぶ教科で、テレビなどで話している栄養学はこちらの教科からよく話されています。

基礎なのでここを疎かにすると応用栄養学が全く分からなくなります。

計算問題なども何かしら出ることが多いです。

でも数学苦手な方が無理に計算に時間を割くともったいないので、もし余裕があればしっかり覚えてください。

管理栄養士の国家試験は全体の6割で合格です。

仕事が始まればいやでも勉強するので受かるための勉強をおすすめしますよ。

無理はしないで。

⑤応用栄養学

応用栄養学と言いつつ医療の現場で使う知識はこの応用栄養学です。

食事摂取基準などだれしも目にするこの項目は絶対に覚えてください。

医療の現場でなくても学校や保育園でも使用します。

過去問を解きまくることです。

応用栄養学を丸暗記にすると就職してからが大変なのでここは何度も過去問を解いてしっかり解けるようにしましょう。

⑥栄養教育論

小学校の栄養教諭を目指す方はしっかり勉強しておきたい教科。

ただ覚えるだけで点が取れる教科なので夏以降にしっかり覚えていきたい教科です。

普段の生活の中で染みついた知識も生かせる教科なのでぜひ、覚えてみてください。

⑦臨床栄養学

管理栄養士と栄養士の違いはここだ!と思うくらい医療現場で使用する知識の教科です。

正直、保育園などではあまり使用しない知識でした。

でも暗記だけではなかなか心の折れる膨大な量なので過去問を解きながら、なんとなく分かる部分を完全に分かる知識にした方が良いです。

今では栄養士フリーランスの方も増えてきており、そのときに臨床栄養学は必須の知識となります。

ぜひ時間をかけて勉強することをおすすめします。

⑧公衆栄養学

公衆栄養学も暗記教科。

点が取りやすい教科でもあります。

歴史や数値が多い分野になりますので歴史などが得意な方は覚えやすいと思います。

また市や県の栄養士になりたい方は必須の知識になりますのでしっかり覚えておくと、就職後に楽になりますよ。

⑨給食経営管理論

学校給食や保育園で働きたい栄養士はこの知識が大事です。

最近では保育園も管理栄養士を雇う職場が多くなっています。

それだけ管理栄養士は必要とされている時代です。

0歳から高齢者まで様々な施設で栄養を管理しているため、もし転職するときもこの知識は必要なので、しっかり理解してください。

実際に病院の直営に採用される管理栄養士はとても少なく、最初は大量調理の現場で働かされることが多いです。

周りが調理師さんばかりだと誰にも聞くことが出来ないので、今のうちに身に着けてくださいね。

まとめ

暗記の教科としっかり勉強する教科をまとめてみました。

〇暗記系教科

「社会・環境と健康」「食べ物と健康」「栄養教育論」「公衆栄養学」

〇しっかり理解する教科

「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」「基礎栄養学」「応用栄養学」「臨床栄養学」「給食経営管理論」

管理栄養士の試験を一発合格するには9教科の勉強のバランスが大事になります。

それと勉強しすぎずたまには友達や家族との息抜きも本当に大事です。

自分を追い込みすぎず、自信をもって試験に挑めるように4月から準備していきましょうね。

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