海洋散骨ディレクター資格とは何か⁉合格率80%の資格試験を一発で合格する方法を解説

1.海洋散骨ディレクター資格とは何か

海洋散骨ディレクターとは、一般社団法人全国海洋散骨船協会認定の資格の一つです。海洋散骨を希望するお客様から海洋散骨を受注し、すべてをコーディネートする職業で重宝される民間資格です。海洋散骨ディレクターは、船舶の種類や用途、運航や海域、安全・気象など海にまつわる法律やルールの知識を持ち、葬祭や葬送文化に対する正しい知識、法律や手続きを理解し、大切な方を失ったご遺族に対する心構えと接客応対を心得て、ご遺族と打ち合わせをしながら散骨をプランニングし施行する、海洋散骨に必要な知識と技能を持ったプロフェッショナルの証明です。合格率は80%ですが、ひっかけ問題が非常に多く出題されることもありしっかり予習をし内容を理解しないと厳しい為、比較的試験難易度が高い民間資格と言われています。

2.海洋散骨ディレクター試験制度発足の背景について

近年、海洋散骨の一般化により、海洋散骨を請け負う事業者も増加し、散骨を事業として行う船舶も増加しております。こうした状況の中、一部では営利を目的として、海上運航のルールを守らない(知らない)事業者が、海に関わる周囲の方々に迷惑をかけ、また利用者の安全に対する配慮が十分とはいえない状態で散骨船を運営している場面も見かけるようになりました。こうした秩序や倫理観に欠ける海洋散骨船の増加に対し、私達は海のプロフェッショナルとして大いに危機感を感じていました。海洋散骨ディレクター試験制度は、増加する散骨船が、正しい海のルールとマナーを守った散骨を行い、安全で快適な海洋散骨を提供するために必要な知識を身に着け、「海のプロフェッショナル」「葬儀のプロフェッショナル」「ホスピタリティのプロフェッショナル」の人材を育成する必要があると考え発足されました。

3.海洋散骨ディレクターに求められる役割について

海洋散骨ディレクターは海洋散骨の一切を取り仕切るプロフェッショナルでなければなりません。そのためには、海で事業を運営するための知識、葬送全般に関する知識、お客様と接するうえでの真摯な態度と知識が求められます。

①お客様の代弁者となる

大切な家族を亡くし、せめて故人が生前希望していた海洋散骨を実現したいご遺族、墓じまいのために複数の親族の遺骨を海洋散骨したい方など、その思いはさまざまです。しかし、お客様は海洋散骨を希望したとしてもどうしてよいかわからず、また海上でのルールやマナーも知らない場合がほとんどです。お客様のイメージする海洋散骨を実現するためには、打ち合わせを通じてどのような海洋散骨を望んでいるのかを海洋散骨ディレクター自身が理解したうえで、できることとできないことを精査して説明し、理解していただくことが必要です。

②船長に代わってお客様のケアをする

海洋散骨に出航すると、船長や船舶のスタッフは操船や見張りなど、航海に神経を集中しています。そのため、乗船されている、お客様のケアは海洋散骨ディレクターが担う大切な役割となります。

➂安全管理者としての役割を担う

海洋散骨ディレクターは、航海上の危険からお客様を守る安全管理者としての役割も担っています。操船中の船長の目の届きにくい細かい安全上の管理をしなければなりません。

4.海洋散骨ディレクターの資格を取得するメリットについて

海洋散骨ディレクターの資格を取得することで、葬儀社は以下のメリットを得られます。

①現代の顧客ニーズに対応しやすくなる

最近では、葬儀社様がアフターサービスの一環として、「海洋散骨サービス」を提供するケースも少なくありません。そのため、葬儀社社員の方が海洋散骨ディレクターを取得することで、現代の顧客ニーズに対応しやすくなり、業務の幅を広げられます。

②葬儀業界内での競争力の向上

海洋散骨ディレクター取得済みの社員がいる葬儀社は、海洋散骨サービスを提供できることから、競合他社よりも優位な立場に立てるでしょう。また、海洋散骨ディレクター有資格者を抱える葬儀社は、海洋散骨のポータルサービスにも登録できるため、無資格である場合よりも販路を拡大しやすいといえます。

③海上供養のプロというイメージの向上

葬儀社は「海上供養のプロが在籍する葬儀社」として、客観的なイメージの向上にも繋がります。海洋散骨ディレクターを取得することで、海のルールにも精通した専門家がいるというアピールが可能です。自社ホームページや店舗内に認定有資格者がいることをアピールできれば、客観的な信頼性や信用性を向上できるでしょう。

5.海洋散骨ディレクター資格試験について

海洋散骨ディレクター資格は講習と試験の2部制で行われます。約2ヶ月に1回のペースで一般社団法人全国海洋散骨船協会のホームページで募集されます。満席等でタイミングが合わなかった際は次回募集の通知をメールで受け取ることが可能です。実際には1回あたり12名前後の方が受験されているように見受けられます。また、試験日の2週間前までにはテキストが自宅宛てに届きます。

①海洋散骨ディレクター資格試験の募集要項について

  • 応募資格:どなたでも受験可能(個人資格)
  • 受験料:18,000円 再受験は12,000円(消費税込)
  • 試験方式:筆記試験 選択問題と記述問題62問(試験時間45分)
  • 合否基準:100点満点中、80点以上で合格
  • 合否の発表に関して:後日郵送にてお知らせ
    合格者にはIDカードを同封される。

※資格の有効期限:3年間(更新後は5年)
※自然災害等により試験が中止となった場合、後日試験を行います。
※定員になり次第終了となります。

試験会場:東京都渋谷区東 3-25-10 T&T ビル 3 階(株式会社 東都 会議室)

②講習の内容と流れについて

講習は下記の流れで行われます。また、講師は2名で第3章、第4章は現役の船長が講師を務められています。

第1章

海洋散骨と海洋散骨ディレクター

第2章

海の交通ルール

★第3章

船舶の運航と事業

★第4章

海図や気象の基礎知識

第5章

葬送文化と散骨

第6章

海洋散骨事業の心得

第7章

海洋散骨事業の実際

午前の部講習

第2章まで10:30-12:00

午後の部講習

13:00-15:30 (長いと16:15分頃)

➂試験について

講習終了後の16時から試験が始まります。時間がおしていると16時15分前後から始まります。試験方式は筆記試験で、選択問題と記述問題62問で出題され試験時間45分で行われます。配点は1点から3点となっており、ひっかけ問題が非常に多く、よく問題を読まないと間違ってしまうので落ち着いて問題を解きましょう。また、講習では出題される場所を何一つ教えて頂けません。よって予習をしないで受験すると大体の方が落ちてしまいます。例え、小型船舶操縦士の免許を持っているから大丈夫と高を括ると痛い目を見ることになるので注意しましょう。合格者は3週間程で自宅宛てにIDが郵送されます。不合格の場合には翌週に通知が届きます。よって翌週に郵便物が届かなければ合格という判断が出来ます。試験についての問い合わせは受け付けて頂けないので注意しましょう。

④1発で合格する方法について

まずはテキストを5回音読して下さい。テキスト自体85ページしかないので1時間もあれば1回読み終わります。特に第3章、第4章をしっかり理解して当日を迎えないとほぼ合格できないと思って下さい。1発合格するためにはこの第3章、第4章を重点的に理解、暗記できれば他の章は一般常識も含まれているのでそんなに解くのが難しいことはないからです。当然、ガイドラインや目的をしっかりおさえる必要はありますが、まずは一番難しい内容である船舶の運航と事業、海図や気象の基礎知識をしっかり勉強することをおすすめします。しっかり勉強していれば試験当日、30分程で見直しを含めて終わり退出できる感じになると思います。2024年1月現在100点満点は2名しかおらず大体の方が80点前後との事です。

6.海洋散骨ディレクターと組み合わせたら最強の資格について

①一級小型船舶操縦士免許+特定操縦免許

②二級小型船舶操縦士+特定操縦免許

海洋散骨ディレクター資格×①②のいずれかがあればどの職場でも即戦力間違えなしです。

まとめ

今回は、海洋散骨と海のプロフェッショナルを証明できる海洋散骨ディレクターについて紹介させて頂きました。海洋散骨ディレクターは、昨今の海洋散骨のニーズに応えながらも、船舶や海のプロであることを伝えやすくなる民間資格です。海洋散骨という新しい自然葬を行う上で、ご遺族に対して要望が叶うかどうかを、葬送および海洋の観点から専門的に支援できます。また、船舶関連事業者の新たな事業としても、選択肢の1つといえるでしょう。海洋散骨ディレクターの資格取得を検討、受験される方の参考になれば幸いです。尚、100%受かるという保証は出来かねますので予めご了承下さい。

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