【ジョークで盛り上げよう!】エイプリルフールとは?

エイプリルフールには、どんな意味や由来があるのでしょうか。

なぜ嘘をついてもいいの?いつごろ始まった風習?どうして4月1日?午前と午後で違うって本当?この記事では、そんなエイプリルフールのいろんな疑問にお答えします。

1.エイプリルフールとは?

エイプリルフールとは、4月1日だけは「罪のない嘘やいたずらで笑わせてもいい」という習慣のことです。

日本では「嘘をついてもいい日」とよく言われますが、海外ではエイプリルフールの「嘘」は、ジョーク(joke=冗談)、トリック(trick=いたずら)、プランク(prank=悪ふざけ)という単語で表現されます。ライ(lie=嘘)という言葉はマイナスイメージが強すぎ、あまり使われないようです。

あくまでジョークを仕掛けてみんなで楽しむ日、それがエイプリルフールです。

2.エイプリルフールの由来

2.エイプリルフールの由来

実はエイプリルフールがいつ、どうして始まったのか、確かなことは分かっていません。

ここでは、いくつかの説をご紹介します。

①インド説

3世紀までさかのぼるインドの春祭りに、いたずらをし合う風習があり、それがヨーロッパに伝わったという説。

インドの春祭りは、色の付いた水や粉をかけ合う「ホーリー祭」の原型でもあるのだとか。インドの仏教徒は春分の日から3月31日までの間、厳しい修行を行うという。

しかし、せっかくの厳しい修行も、4月1日になって俗世界に戻れば、再び煩悩に悩まされる……。

修行の末、悟りの境地に達しても、無駄になってもとのもくあみになってしまうということから「揶揄節」と呼ばれ、修行僧たちは世間からからかわれたのだとか。それがエイプリルフールに発展。

②ペルシャ説

古代ペルシャが発祥で、春分の日から数えて13日目となる4月1日前後にいたずらをする「シズダベダール」というお祭りが原型という説。

「嘘の13日目」といって、春分から数えて13日目である4月1日前後に、いたずらをする習慣があったそうです。

③フランス説

1564年、フランスの国王シャルル9世が「ルシヨンの勅令」を発令した。

これは暦の改変で、当時は3月25日が新年で、4月1日までお祝いをしていたのだが、発令以降は1月1日が新年に。

これに反発した国民が、4月1日を「嘘の新年」とし、騒動を起こしたとか。それは国王の怒りにふれ、多くの処罰者が出たという。その日の悲劇を忘れないためにも、そこからエイプリルフールが始まったという。

フランスではエイプリルフールを「ポワゾンダヴリル」と言う。その日には、魚の形をしたお菓子が店頭に並び、子供たちは魚の形に切り抜いた紙を誰かの背中にこっそり貼り、見つかったら「ポワソンダブリル」と叫ぶ遊びを行うそう。

面白おかしなニセの贈り物をしあったのが原型だとか。ちなみに「ポワゾン」は魚、「ダヴリル」とは4月を意味する。4月の初めは禁漁とされていたため、「これはポワゾンダヴリルだ!」といって、漁師が偽の魚を送ったという説も。

④イギリス説

1660年の王政復古の記念日は5月29日。その日は、「オークアップルデー」または「ロイヤルオークデー」と呼ばれる。

この日はイギリス国王に忠誠を誓い、その証としてオークの実や小枝を帽子、襟元につけるという。それをつけるのは、午前中だが、つけ忘れるとからかわれることも。

それがやがてエイプリルフールに。 17世紀にイギリスで行われていた、君主制回復を祝う「オークアップルデー」が起源という説。この日は午前中だけはオークの小枝を身に付けねばならず、身に付けていないと、卵を投げつけられたり、細かいトゲのあるイラクサで叩かれたのだとか。

諸説ありますが、海外の民俗学的な分析では、春の到来を祝うお祭りだと推測されています。

期間限定でルールが取り払われ、ある程度の不正やいたずら、ウソが許される…というのは、世界中で見られるお祭り文化なのだとか。

ちなみに中南米などのスペイン語圏では、新年の到来も近い12月28日に嘘をつく「エル・ディア・デ・ロス・サントス・イノセンテス(聖なる愚か者の日)」という日があるそうですよ。

⑤キリスト説

キリストが捕らえられ、ゴルゴダの丘で磔となり3日後に蘇ったという伝承はご存知の通りだが、ちょうどその時期が4月初旬だったという。ユダがキリストを裏切ったことを忘れないように、という説があるが、これは定かではない。無駄足だったという意味で、旧約聖書「ノアの方舟」からという説も。

3.日本にエイプリルフールはいつからあるの?

3.日本にエイプリルフールはいつからあるの?

日本には、大正時代に欧米から伝わり、広く知られるようになりました。新聞などで欧米の習慣として紹介されていたようです。

また、上述のインド発祥の風習が中国に伝わって「万愚節」になり、それが江戸時代の日本に伝わって「不義理の日」と呼ばれていたという説もあります。

不義理の日は、日ごろご無沙汰をしている人に、手紙などでわびる日だったとか。

この時には、嘘をついていたこと、お金を返していないことなどを詫びることもあったようだ。それが時代を経て、エイプリルフールになったと考えられている。

 江戸時代の人は、義理堅い、ということか。日本においては、嘘を告白する日だった。欧米での騒ぎを横目に、日本人の真面目な国民性が垣間見え興味深い。

 SNSが普及する現代では、エイプリルフールが企業の戦略として使われ、毎年ユニークなネタを提供してくれる日にもなっている。

4.世界各国のエイプリルフール事情

4.世界各国のエイプリルフール事情

さて、エイプリールフールはやはり欧米の風習であることは否めません。4月1日、世界各国では凄い盛り上りをみせるのではないでしょうか。でもどんな風に?凄く興味のあるところですよね。では、それぞれの国のエイプリルフール事情を解説していきます。

イギリス

イギリス人はジョーク好きです。これはもはや国民性ともいえます。それゆえに、エイプリルフールも国を挙げての全力投球。国営放送のBBCなどテレビ局をはじめ、新聞社などのマスコミ各社が「まさか!」という大ネタを、こぞって発信します。まさに国民的なイベントと言えますね。

 中でもBBCは、1950年代以降、大々的に嘘をつくのが恒例となっているとか。例えば、1950年代には木から生えたパスタが大量に収穫されたという番組を放映し、視聴者からの問い合わせが殺到したそうで現在まで、それは伝説になっています。

また、1980年にはビッグベン(現エリザベスタワー)の老朽化に伴い、デジタル時計に改修するので、使わなくなった長針、短針をオークションに出すなどと発信し、こちらのオークションにも申し込みがあったとか。イギリスの嘘は壮大ですね。

アメリカ

アメリカはマーケティングの国らしく、PRの場としての特に企業広報として発信される場合が多いようです。よって、スケールが桁違いに大きいのが特徴です。手の込んだ企画で、笑いを誘うネタも多くテスラ、グーグル、マイクロソフトなど、GAFAと呼ばれるテックブランドやマクドナルド、スターバックス、ディズニーまでアメリカを代表する主要企業がそろい踏みで、4月1日にSNSや動画を駆使して、本当のような嘘の話を発信するから凄く面白いです。今年もどんなネタが繰り出されるか、楽しみですね!

メキシコ

メキシコでは、エイプリルフールを「ディア・デ・ロス・サントス・イノセンテス」といい、その日は12月28日。「イノセンス」の意味は無実で、直訳すると「無実の人の日々」。キリスト誕生を知ったヘロデ王のストーリーに由来します。もともとはスペインの習慣のようで、ベネズエラなどのラテン系の地域にもあるそうです。

エイプリルフールがNGの地域

インドネシア、マレーシアなど、イスラム教徒の多い地域はエイプリルフールがNGです。もともとその風習もない。コーランの教えでは「嘘をついてはいけない」ことから、硬く禁止されているので、くれぐれも気をつけましょう。

5.エイプリルフールに嘘をつくときの基本ルール

5.エイプリルフールに嘘をつくときの基本ルール

・人を精神的にも肉体的に傷つけない
あくまでユーモアの日であって、全員が楽しい気持ちになることが目的です。終わったときに、関係するすべての人にとって、面白いものであることを目指しましょう。

・財産上の損害を与えない
物を毀損(きそん)しないこと。違法なことが一切行われないのは当然ですね。

・「だまし」を含む
例えば、 “お祭りでいたずらをする”という同様の習慣は、秋のハロウィーンにもあります。

ハロウィーンの場合は、「窓を石けんで洗う」「車に卵を投げる」「トイレットペーパーで家を覆う」など、わりと直接的。

エイプリルフールでは、ちょっとした「だまし」を入れるのがポイント。エッ!?と思わせてから、タネ明かしで噴き出させる…というひねりこそがエイプリルフールなのです。

「嘘も方便」など、嘘にまつわる諺は数多く存在しそれはどちらかというと、ポジティブなものです。エイプリルフールの嘘もしかり。この日の嘘は、広辞苑にもあるように、「罪のない嘘」に徹したいですね。ジョークやギャグ、いたずら……などで笑いを誘うような楽しくポジティブな嘘を仕込んでみましょう!

 
相手を不幸にしたり、傷つけるようなことは絶対にしてはいけません。心配や不安を煽ったりすることもいけません。混乱に乗じたデマや根拠のない噂など、このご時世の中では、新たな混乱を招く場合も多いので注意しましょう。あまり行き過ぎると、過去には訴訟騒ぎになった事例もあるので最新の注意を払いましょう。

 イギリスでは、午前中に嘘をつき、午後にはネタばらし、その場で盛り上がって一件落着となるのだとか。その後には、一切持ち込まないというルールが徹底しているそうです。できればそれに準じたいもの。みんなで笑ってハッピーエンドにすれば楽しいイベントにしましょう。

6.「嘘は午前中だけ。午後にネタばらし」という風習も

6.「嘘は午前中だけ。午後にネタばらし」という風習も

このルールは、英語圏に特有の習慣のようです。嘘は正午までと決められていて、午後に嘘をつくと逆に「エイプリルフール!」と、愚か者扱いされてしまうとか。

上述の、イギリスの「オークアップルデー」で、オークの小枝を身に付けるのは正午までだったことが由来とされています。

その日のうちに種明かしできるという意味では、理にかなっていますね。

7.世界各国の風習やルールも知りたい!

7.世界各国の風習やルールも知りたい!

フランス

フランス語でエイプリルフールは「ポワソンダブリル(poisson d’avril)」。4月の魚という意味です。

カトリック信徒にとって4月1日は肉食を控える受難節の期間中で、魚がよく贈り物にされていたことからの名前だとか。

魚形の紙をこっそり相手の背中に貼るいたずらをしたり、魚型のパイやムース、お菓子などを作って食べたりします。

イギリス

「嘘は午前中だけ」というルールがあるイギリス。放送局や新聞社まで大真面目に嘘をつく伝統があるようです。

それが混乱を招かないためにも、午後にはタネ明かしをしてホッとさせるのだとか。

中国、イスラム圏

中国やイスラム圏では、エイプリルフールという文化がなかったり、禁じられたりしていることもあるようです。
ジョークを言うにも、相手の文化に合わせることが必要ですね。

まとめ

世界各国で、満を持して仕込まれるエイプリルフールネタ、企業のなかには、1年前から周到な仕込みを行うところもあるそうです。

ところで、エイプリルフールのネタにした嘘は、その嘘が叶わない!という都市伝説があります。とにかく誰も傷つけることなく楽しいイベントにしましょう。


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