保税倉庫立ち上げの流れと注意点

保税とは、一時的に関税の徴収を留保することです。保税が出来る場所は、指定保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場、総合保税地域の5種類に決まっています。それらをまとめて、保税地域と呼びます。

保税地域の種類によって、主な機能や保管期間が異なります。

保税の目的は、貿易の振興と発展です。また、外国貨物を法の規制下に置くことで、貿易の秩地域序を維持することが出来ます。

本来、外国貨物の扱いは保税地域の1つである指定保税地域を利用します。指定保税地域は、国や地方公共団体などが所有し、管理する土地および建物などの公共施設で、財務大臣が指定し設置した地域のため、誰でも安く自由に利用することが可能です。

しかし、指定保税地域は保管期間が1か月と短く、貨物の種類を指定されてしまうことがあるため、すべての外国貨物を保管するのは難しいです。また、指定業者が独占的に使用することは認められていないため、長期取引ビジネスの場合などは、指定保税地域の利用は向いていません。

このように指定保税地域で、カバーできない外国貨物の補完的役割としてあるのが保税倉庫となります。保税倉庫でできることや、メリットについてご説明します。

また、今回日本企業の前例にないカンボジアのプノンペンで保税倉庫を建てるということから、日本での一般的な保税倉庫立ち上げの流れをもとに、カンボジアでの保税倉庫の許可や建て付けについて調査結果をまとめてみましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

保税倉庫ってなに?

保税地域の1つである保税倉庫とは、輸出入される外国貨物を税関の輸入許可が下りるまででの間、関税の徴収を留保しながら保管する倉庫のことを指します。

保税倉庫に保管できるものは、輸入貨物の場合は、輸入許可を受ける前の貨物のみで、輸出貨物であれば、すでに輸出が許可された貨物となります。ですので、保税倉庫にある貨物は国内貨物はなく外国貨物という扱いです。

保税倉庫では、外国貨物の積み下ろしや保管だけでなく、記帳することによる貨物の点検や仕分け、手入れなども可能です。また、税関長の許可を受けることで、見本の展示や簡単な加工が可能になるケースもあります。

外国貨物の保管期間は2年間ですが、延長をすることが可能です。保税倉庫は、税関長の許可を得ることで、国際空港や港から遠い地域でも設置することが可能です。長期取引ビジネスであっても、在庫の保管場所が確保できるため、取引に影響を及ぼすことがありません。

保税倉庫立ち上げのメリット

保税倉庫の立ち上げには以下4つのメリットがあります。

  1. 外国貨物を安全に保管することができる
  2. 輸送コストや流通時間を削減できる
  3. 販売状況に応じて在庫数(輸入数)を調整できる
  4. 作業時間に余裕が出来る

上記のメリットについて詳しく見ていきましょう。

1. 外国貨物を安全に保管することができる

保税倉庫は、税関から指定を受けています。そのため、安全に大切な外国貨物を保管できる場所が確保できます。

2.輸送コストや流通時間を削減できる

保税倉庫では、届け出を出し台帳に記帳することによって、外国貨物の点検や仕分け、手入れ、シールやラベル貼りなど行うことができます。また、税関長の許可を受けることで、食料品の加熱やワックスがけなどといった簡単な加工も可能になります。

これらはすべて輸入通関前の作業になるため、免税対象です。

作業だけでなく輸送費に関しても、港で通関をする場合は、通関後に内陸の倉庫に運ぶまでの輸送にたいして税金がかかりますが、港よりも内陸部に保税倉庫を立ち上げることで通関を保税倉庫内で行うため、保税倉庫までの輸送は免税対象となります。

同じように内陸地に輸送する場合、通関の場所によって輸送時に課税となるか免税となるかが変わってしまいます。同じ距離の輸送費を支払うことを考えると、税金分だけも安くできるのはありがたいことですよね。

つまり、輸送先近くのところに保税倉庫を立ち上げ、保税倉庫内でできる範囲の作業は通関前に終わらせてしまえば、課税コストの削減することにつながるということです。

3. 販売状況に応じて在庫数(輸入数)を調整できる

外国貨物のまま保管をしておくことで、輸入時にかかる税金を抑えることが出来ます。そのため、国内の売れ行きを見ながら通関に通す在庫の量を調整することで、無駄に輸入時の税金を支払うことを防ぎます。

保税倉庫を使用しない場合、売れ行きに応じて1回1回取引が行われます。その場合、多く注文しすぎると、輸入コストが無駄にかかるのは先ほど話した通りですが、少なすぎても問題です。商品の輸送に船や飛行機を使用しているため、次の取引がすぐに行えるわけではないので、販売機会を失ってしまう可能性があります。

企業としては大ダメージですよね。しかし、保税倉庫に保管しておけば、すぐに商品を出すことが可能です。在庫の調整役として活用できるということです。

4.作業時間に余裕ができる

本来の指定保税地域の利用には、作業時間に制限があります。港湾エリアですとだいたい16時ごろに終了してしまいます。そのため、16時以降に配送先に変更がかかった場合や、至急の配送を頼まれた場合に対応することが出来ません。

しかし、保税倉庫であれば倉庫会社の業務時間であれば、諸々の対応を行うことが可能になります。最悪、作業者が自分で引き取りに行く事も可能ですので、融通が利きますね。

16時以降も作業は可能ですので、全体の作業時間に余裕ができます。

注意点

保税倉庫を立ち上げる際の注意点は3つあります。

1つ目は、保税倉庫の立ち上げ場所についてです。

保税倉庫を配送先よりも内陸部に立ち上げてしまうと、港から保税倉庫までの輸送と、保税倉庫から配送先までの輸送において重複輸送が起きてしまいます。この場合、輸送費が重複することになりますので、港で作業するよりも輸送費が上がってしまう可能性があります。

ですので、保税倉庫を立ち上げる際は、配送先を加味しながら場所を決定するようにしましょう。

2つ目は長期滞留についてです。

輸入申告がなく承認手続きがないままの長期滞留はできません。ですので、必ず申告と手続きを行う必要があります。

3つ目は、スケジューリングについてです。

搬入手続きが終わらない限り通関手続きに移行することができないので、期日がある場合は、スケジュールを細かく組み立て、スケジュール不備がないようにきちんと整える必要があります。

日本国内での保税倉庫を立ち上げ手続き

保税倉庫のメリットや注意点が分かったところで、日本国内の港近くにて保税倉庫を立ち上げる際の手続きについて簡単に確認していきます。

国内の保税ライセンス申請に必要なもの

以下の項目を記載した申請書を、保税倉庫を立ち上げたいと思っている候補地の地域を管轄している税関長に提出します。

申請に必要な項目

1.保税倉庫の概要(名称、所在地、構造、棟数および延面積)

2.保税倉庫で管理する予定の貨物の種類

3.10年以内で許可を受けようとする期間

申請書は指定のフォーマットがございます。原則、申請書の申告の証跡として、倉庫付近の地図や、「申請者の信用状況を証するに足りる書類」「保税蔵置場としての利用の見込み書」「営業貨物の保管規則および保管料率表」などの書類を添付して税関長に提出を行います。

税関長が添付資料は不要と認めた場合のみ、添付資料を省略することができます。

※詳細は、関税法基本通達42-7(保税蔵置場の許可の申請手続)、42-8(許可申請書の添付書類の取扱い)に記載されております。

主な許可要件と条件

保税倉庫の許可申請時の許可基準の主な要件は、人的要件、場所的要件、施設的要件、量的要件の4つになります。この4つの要件に加え、欠格事由がないことが条件となっております。

①人的要件

関税などの経済的負担に耐えうることができ、保管業務や、各種手続きなどの処理の能力が十分であると認められた者。

②場所的要件

原則、保税倉庫を立ち上げたいと思っている候補地が、その地域を管轄している税関から路程約25キロメートル圏内であり、通関手続きや各種税務署の業務において税関長が問題ないと判断した場所であること。

※やむを得ない事由により上記の場所への立ち上げが不可と、税関長が認めた場合に限り、その他の場所への保税倉庫立ち上げが可能になることもあります。

③施設的要件

保税倉庫の出入り口や窓など、外部から侵入できる部分において、不審者が入れないよう施錠などのセキュリティー措置がなされていること。

④量的要件

輸出入において貨物の取扱見込量が、保税倉庫を立ち上げたいと思っている候補地の港や地域に、すでに同種条件にある保税倉庫などと比較して、同時くらいかそれ以上の体制が確保できていること。

⑤欠格事由(許可条件)

過去に法令違反の事実がなく暴力団員でないこと、保税地域の許可が取り消されてから3年を経過している必要があります。また、①~④の要件を満たしていない場合や、保税倉庫の利用見込みまたは価値が少ない場合は、許可条件をクリアすることが出来ません。

なお、保税倉庫の収容数の増加や減少、改築、移転その他工事をする場合は、あらかじめ税関に届出をする必要があります。

※これらの申請は、あくまで保税倉庫の許可のため、倉庫業を行う申請を行う場合は、別途申請が必要になります。

保税ライセンス申請から許可までの大まかな流れと処理期間

①税関への事前相談

②申請書類の準備

③税関担当者による現地調査

④本申請

⑤税関の審査

⑥許可

保税ライセンスの許可は、書類不備や不揃いの期間をのぞいて約3~4か月で処理されます。

大まかな流れにもあるようにまずは、保税倉庫の許可申請を行う前に保税倉庫を立ち上げたいと思っている候補地の地域を管轄している税関に行き、保税倉庫の場所、輸出入別の取扱品目や量、保税業務の経験の有無など含め、税関側に相談することが必要です。

保税倉庫の許可手数料

保税倉庫立ち上げの許可を受けるための手数料は、保税倉庫の面積によって異なります。

目安として6000坪程度の土地ですと、月額42,100円となります。

毎月、翌月分を月末までに納付する必要がございます。

AEO制度とは

AEO制度とは、「Authorized Economic Operator制度」の略で、認定事業者という意味です。2001年9月11日のアメリカで起きた同時多発テロをきっかけに各国で導入され、日本でも2008年度から導入されています。

税関にて事業者は認定され、貨物のセキュリティー管理や、コンプライアンス体制が整っていることが、認定に必要な条件です。

認定されると、税関手続きを簡単かつスピーディーに行うことが出来ます。

つまり、貨物を安全に管理し、法を守っている業者には、認定されていない事業者よりも、楽に貨物の引き取りができるようにしようという制度です。

AEO制度の税関上の目的は、民間企業と税関の信頼関係の構築、貿易におけるセキュリティーの確保、税関手続きの効率化の3つです。

税関は、輸出入が規制されているものなどに対する水際取締対策や、輸出入を行う業者などが、知らないうちにテロ組織の手助けをしてしまうリスクを防ぐことが最重要事項と考えています。

そのため、上記のリスクが低い業者の、取り締まりにかける労力を軽減し、その分、リスクが高い業者の取り締まりに労力をかけようとしています。これを可能にするのがAEO制度となります。

AEO制度の種類

AEO制度には6つの種類があります。

①特定輸出者制度

この制度は、貨物を安全に管理し、法を守って輸出を行う事業者が対象です。

貨物を保税地域に搬入せずに、輸出申告を行い、自社の倉庫等で輸出の許可を受けることができます。そして、輸出申告を行う税関官署を自由に選択できます。そのため、初めての港からの積込みも、日頃から利用している税関を選択することで、税関内で情報共有がなされ審査時間を軽減することが出来ます。

②特例輸入者制度

この制度は、貨物を安全に管理し、法を守って輸入を行う事業者が対象です。

輸入貨物が到着する前に通関手続きを完了することができるため、貨物が到着してからすぐに引取を行うことが可能となります。特定輸出者制度と同じく、輸入申告を行う税関官署は、自由に選択可能です。また、再輸入時の手続きが不要となります。加工再輸入減税手続きを行う際も、幾つかの税関手続きが免除されます。そのため、加工再輸入減税制度や、再輸入時の免税制度の手続きを簡素化することが可能です。

③特定保税承認者制度

この制度は、保税倉庫などの許可を受けている倉庫業者が対象です。

保税倉庫の立ち上げには通常、保税倉庫を立ち上げたいと思っている候補地の地域を管轄している税関長の許可が必要となりますが、税関への届出のみで対応が可能となります。

許可期間も通常は6年間であるのに対し、8年間与えられるため更新頻度も少なく済ませることができます。

税関による定期的な保税業務検査の内容が簡略化され、帳簿保管期間も通常2年に対して、1年と短縮することができます。毎月かかる許可手数料も免除されるためコスト削減にもつながります。

④認定通関業者制度

この制度は、通関業者が対象です。

輸出者の委託を受けた者に対して、特定輸出者制度と同様のメリットを受けることができます。また、特定輸入者制度と同じように、輸入貨物が到着する前に通関手続きを完了することができます。加工再輸入減税手続きを行う際も、幾つかの税関手続きが免除されます。

⑤特定保税運送者制度

この制度は、認定通関業者、特定保税承認者その他の国際運送貨物取扱業者が対象です。

本来は、外国貨物を保税地域間で移動させる際、税関に対象となる貨物ごとに運送の申告を行い、承認を受ける必要がありますが、本制度を利用することで、運送承認が不要となります。そのため、手続きが簡素化し、事務負担の軽減が可能です。

⑥認定製造者制度

この制度は、輸出する貨物を製造する業者が対象です。

貨物を保税倉庫に搬入する前に、輸出申告を行い、輸出許可を受けることができるため、積込みまでにかかる時間を軽減することができます。また、貨物の保管場所にかかわらず、申告を行う税関官署を自由に選択できます。

高床式保税倉庫のタイプとセキュリティー

保税倉庫には、低床式と高床式のものがございます。今回は、高床式を採用いたします。

高床式は、地面より1mほど高い位置(トラックの荷台の高さほど)に倉庫の床がある構造のことを指します。そのため、トラックからの荷下ろしが簡単になります。

また、地面から高い位置で貨物を保管するため、湿気やほこりを避けることができ、品質管理を高い水準に保つことが出来ます。

セキュリティーは、出入り口や窓など外部から侵入可能な部分に関して施錠を徹底する必要がございます。それに加え、車両ナンバーを読み取り、敷地内に来る運送トラックなど、すべての車両の入退場履歴管理をしたり、ファイバーセキュリティーシステムや、カードを使った入退室管理の導入だったり、防犯カメラを設置し作業状況や在庫状況、侵入者などのチェックを行っているところが多いです。

倉庫や港の安全確認

貨物が到着する港から、倉庫までの運送途中に貨物が盗まれる危険やトラックが襲われる危険がないかを確認する必要がございます。

倉庫内のセキュリティーに関しては、前章の「保税倉庫のタイプとセキュリティー」で紹介した通りです。

カンボジアプノンペン保税倉庫の立ち上げ

カンボジアには保税区・保税倉庫に関する制度はなく、非居住者用在庫を持つことができません。つまり、カンボジアで「保税在庫」を許可しているものはなく、法律も存在していないのが現状です。

例外として、一部現地の民間物流会社が最近保税倉庫を立ち上げたといわれている程度しか情報がないため、カンボジア政府にて明文化されていない事に関しては、隣国のタイをモデルケースとします。

保税倉庫の運営申請

保税倉庫の運営を行うための承認は、経済財務大臣が付与します。承認には、施設の所有者と管理者が順守すべき要件があります。

保税倉庫に関するすべての費用は、施設の所有者又は管理者が負担する必要があります。

保税倉庫に関する手続き、担保、情報要件、保管期間などを承認する事項の詳細は、経済財政大臣は省令により、定められています。

建設時のサービス手数料

カンボジア王国内での建設において、事業の免許やその他の許可の申請にはサービス手数料がかかります。サービス手数料は、経済・財政省、国土整備・都市計画・建設省の共同省令にて定められています。

ちなみに、徴収したサービス手数料は、国や地方公共団体の財源となります。

関税体系

輸入時に課せられる税金は、輸入関税、特別税、追加税、付加価値税(VAT)の種類で、

輸出関税が課せられるのは、以下617品目です。

10%:魚、甲殻類、軟体など

10%または20%:硫黄、土石類など(一部除く)

10%:鉱石など

10%:ゴムなど(一部除く)

5%、10%または15%:木材およびその製品など(一部除く)

なお、カンボジアは、後発開発途上国(LDC)のため、先進各国から特別特恵関税制度を適用されています。

QIPとは(ライセンス)

保税地区では「非課税」という恩典がありますが、この恩典を受けるには、外資誘致政策であるQIP(適格投資プロジェクト)の登録証明書を取得する必要があります。

上記、ライセンスを受領したプロジェクトに関しては、投資プロジェクトの登録から日々の輸出入許可に至るまで、ワン・ストップ・サービスを受けることが出来ます。また、法人税免税、免税輸入、輸出税免税等の優遇措置が適用されます。

なお、優遇措置非適格プロジェクトと判断された場合は、すべての優遇措置を受けることが出来ません。

QIPの取得の流れ

まずは、土地や工場の契約を終えた段階で、カンボジア開発評議会(以下、CDC)に以下必要書類を提出します。

<必要書類>

・土地長期リース契約書(本紙1部)

 (土地の場所を示す地図・工場レイアウト図添付)

・QIP申請書(英語)

・生産ライン図 (EIA不要を確認する目的)

・親会社登記簿(翻訳証明書付)

・親会社会社定款(翻訳証明書付)

・現地法人役員パスポートコピーと写真(4×6 10枚)

・現地法人役員任命状

・無犯罪証明書

その後問題がない場合は、3~5営業日後にCDCより書類が届くため、続けて仮登録申請を行います。この際、届く書類はクメール語となります。

<必要書類>

・QIP申請書 現地法人代表者サイン

・事業計画書現地法人代表者サイン

・会社定款 全頁に現地法人役員全員のサイン

・QIP申請手数料の支払い

・CDCによる投資サイトの確認

その後問題がない場合は、3~10営業日後に条件付登録証明書が届くため、最終登録申請を行います。

<必要書類>

・VAT番号登録申請書(署名のみ・CDCが作成代行)

・銀行残高証明書(法定資本金の25%)

条件付登録証明書の受領から、28営業日後に最終登録証明書が届きます。QIP申請は、問題がなければ2ヶ月弱で完了します。QIP申請完了後に、操業に必要な手続きを以下行っていきます。

・関税総局に、輸入関税免税申請(マスターリスト)

・工業・科学・技術・革新省にて工場操業証明書の取得

・環境省にて環境保護宣言書の取得

・土地管理都市計画建設省にて、長期土地リース証明書の取得

・土地管理都市計画建設省にて建設許可証の取得

関税総局に関しては、規定の書面で問い合わせを行い、関税分類、原産地、課税価格について、輸入申告の前に申請することで、30営業日以内(課税価格は90営業日以内)に返答を得ることができます。

その他の機関については、返答機関の明記がないため、問い合わせの際に期限を提示する必要があります。ちなみに、タイでは操業証明書の申請が操業開始15日前までに必要とのことです。

また、上記で提示した必要書類については、場合によって変更がある可能性がございます。SEZ地域内か地域外かでも変わってきますので、必ずCDCに事前相談を行ってください。

通関ライセンスの取得

カンボジア財政経済省より通関ライセンスを取得することで、カンボジア輸出入における通関業務を保税倉庫にて行えるようになります。利便性の高いサービスの提供が可能になります。

自社で通関ライセンスを取得しない場合は、通関業務を行う際に、ライセンスを保有する会社と提携する必要があります。

自社で通関ライセンスを取得することは、スピーディーかつ透明性の高い通関の実現ができます。

立ち上げ想定の保税倉庫のタイプとセキュリティー

2階建てで、1階を駐車場のようにする想定です。そのため、運送トラックは、1階部分に駐車することができ、荷下ろしや積込みなどの作業を倉庫内で行うことが出来ます。

カンボジアでは、日本に比べ電気が落ちることが多いです。出入り口や窓など外部から侵入できる部分の施錠はもちろんですが、電源に頼る防犯カメラや入退室管理などが、電気が落ちても使用できるように、蓄電池や太陽光パネルなどの設置も検討する必要があると考えております。

現地のコネクションの広げ方

カンボジア日本経営者同友会(以下、CJBI)という、日本とカンボジアのビジネス機会を創出するため設立された団体があります。CJBIはメンバー間の交流会をおこなったり、日本企業からの、ビジネスマッチングの要望も積極的に行っていったりすることを目的としているため、現地パートナーを見つけることが出来ると思います。

なお、JETROでもカンボジアへの事業進出サポート、現地パートナー業務のサービスがあるため、利用してみるのもよいかもしれません。

早々に着工できる方法について

前章で説明した通り、QIPの取得に関しては書類不備などがない限り、1年かからずに終えることが可能かと思います。

保税倉庫立ち上げ時に懸念すべきは、要件です。一応、カンボジア関税消費税総局にて保税倉庫要件は用意されていますが、細則がないため、細則追加によって急にビジネスモデルを変更せざる負えないリスクがございます。常に、個別に政府見解を調査し、その上で最終的な判断する必要がございます。

まとめ

保税倉庫は通関手続きが終了するまでの一時的な保管場所です。流通や円相場等の兼ね合いを見計らって出荷のコントロールをすることも可能ですが、保管期限がございますので注意するようにしましょう。基本的に貨物を搬入してから3カ月を超えた外国貨物の保管可能な期間は、税関長の蔵入承認の日から2年間です。長期保管が必要と判断し、承認された場合や、市況の急激な変動等により2年以上の保管が止むを得ないと認められる場合のみ延長ができます。原則、延長はできないと考えておいた方が良いでしょう。

また、通関前の外国貨物を搬出した場合は、密輸入とみなされ処罰される可能性があります。誤って搬出するといったエラーが起こらないよう、保税倉庫内の貨物には適切な表示をするなどの工夫が必要です。

カンボジアは、輸送ルートなども含めまだまだ物流システムは発展途上ですが、カンボジア政府は今後力を入れていく分野と判断していますので、今の段階での進出はかなりチャンスとなっています。

~最後に~

(注)本文はあくまで仮訳からの抜粋であり、詳細な具体例は未だ入手出来ていない状況です。本文を参照した結果にて生じたいかなる損害に関しても責任は負いかねますので、正確を期すためには原文のご参照、各機関へのお問い合わせをお願いいたします。


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