冬到来!猫の寒さ対策はどうする?留守番や暖房機器の注意点について

12月に入ると一気に冬が到来。

雪という童謡の歌詞に「猫はこたつに丸くなる」があるように、猫だって寒いのはとても苦手。寒い状況が続いたり、乾燥しすぎたりすると猫も体を壊してしまいます。

大切な愛猫が体調を崩さないためにも、冬の寒さ対策はとても重要なのです。

本記事では、猫が快適に冬を過ごすための寒さ対策から、気を付けるべき注意点についてまとめました。

1.猫だって寒いのは苦手

猫が寒がりなのは、祖先である「リビアヤマネコ」が関係しているといわれています。

リビアヤマネコは、サバンナなどの暑くて水の少ない砂漠地帯に生息していたことから、猫は寒さに弱いのではないのかといわれています。

また猫は筋肉量が少なく、体温が上がりにくい体質を持っていることから、寒さに弱いといわれているそうですよ。

では猫にとって「寒い」と感じる温度は何度くらいなのでしょうか。

●猫が寒いと感じる温度は?

猫にとって快適と感じる温度は、筋肉量の差や短毛・長毛によって多少異なりますが、冬場は『約20〜23度』夏場は『約25度前後』といわれています。

ただし子猫や老猫、持病のある猫、被毛の少ない猫に関しては体温調節が難しく、寒さにとても敏感なため、気温が25度前後は必須といえるでしょう。

寒さのあまり食欲の低下、体調を崩してしまう猫もいますので、外出する際は猫が過ごしやすい温度を保てるように工夫が必要といえます。

●寒さを感じるときの猫のサイン

猫が「寒い!」と感じていることを表すサインがあるのをご存じでしょうか。もしも下記のような行動や仕草を取っていたら、すぐに対策をとってあげましょう。

・体を丸めて動かない  
・毛布やこたつなどから出てこない  
・食欲は増えるが、水を飲む量が減る  
・毛を逆立て、体をふくらませている  
・トイレの回数が減る  

猫が体を丸める1つの理由として「リラックスしているから」があげられますが、丸まる頻度が多かったり、なかなか動こうとしない場合は、寒さのサインといえます。熱の放出をできるだけ防ごうとしているのです。

また寒さで体調不良になると、猫カゼにかかってくしゃみや鼻水を出すことも。ここまでくると、猫にとって身体への負担がとても大きい証拠ですので、震えるような状況にはしないよう、一度室温を見直すようにしてくださいね。

●猫はどのくらい寒さに耐えられる?

猫の年齢や大きさ、毛量や持病の有無等で変化します。

また外で生活する野良猫の場合、風や湿度、保護されている場所の有無などによっても変ってくるため、体感する寒さはこれらが組み合わさった状況下でのものとなります。

それらを踏まえると、一般的に考えられる寒さの限界としては、気温が0度以下を下回ると猫にとって大変厳しい状況になるのではないでしょうか。 かといって10度以下は平気かといったら、そうではありません。体に負担は生じますし、ストレスも感じます。特に温度環境が激しい外で暮らす猫の寿命が短い傾向にあるのは、このためといえるでしょう。

2.暖房はいつから使えばOK?寒さ対策について

寒い冬の日に欠かせないのが「暖房」。

猫と一緒に暮らすご家庭の場合、どのくらいの温度設定をすればよいのでしょうか。

●猫が過ごしやすく感じる温度や湿度

冬の時期、猫が過ごしやすい温度は年齢や毛量、筋肉量によって多少の違いはあるものの、約20〜23度といわれています。

特に冬場は空気が乾燥しやすく、ウイルスにも感染しやすくなりますので、温度管理と合わせて湿度を約40〜60%にしてあげるとよいでしょう。

猫は暑さには強いですが、湿度が高すぎてしまうと、うまく体温調節をすることができません。そのため、室内は温度と湿度の両方を気にするようにしてあげてください。

特に猫のよくいる場所の温度が適温になっているかどうか、チェックしてあげるとよいですね。

●暖房をつける時期

環境省では快適性を損なわず、省エネルギーを目指すために冬場の室内温度は20度が望ましいと推奨しています。

そのため人や猫にとっても、室温が20度を下回る場合は、暖房を付けるのがよいといわれています。

地域差にもよりますが、大体11月頃から暖房を付ける地域が多いようなので、その時期を目安に暖房器具の準備をするとよいでしょう。

3.猫と過ごす上での暖房機器の取り扱い方

気温が20度以下になった場合、暖房器具の使用が望ましいとされていますが、猫がいるご家庭の場合、どのような暖房器具を用意するとよいのでしょうか。

また暖房器具を使用する際、どのような点に気を付けるべきなのか見ていきましょう。

●エアコン

ボタン1つで部屋全体を温かくできるエアコンは、比較的安全な暖房器具です。

室温を20〜23度にしてあげると、猫も快適に過ごせますよ。

しかしエアコンだけでは部屋の中が乾燥してしまいます。加湿器を用意したり、いつでも新鮮なお水が飲めるようにしたりと、水飲み場を複数設置してあげましょう。

もしもエアコンを付けて出掛ける場合は、猫がリモコンをいたずらしないように、隠しておくのがポイントです。また自動運転でつけっぱなしにしていく、もしくは気温が下がる夕方以降にエアコンが起動するようにタイマーセットするなど、愛猫の様子を見ながら調整してあげてくださいね。

●ヒーター

ヒーターには電気を使用する「電気ファンヒーター」と、灯油を使用する「石油ファンヒーター」の2つがあります。

どちらも比較的すぐに部屋を温めてくれる暖房器具ですが、電気ファンヒーターの場合、コンセントを使用して部屋を温めるため、猫がコンセントを噛まないように対策を立てる必要があります。

石油ファンヒーターは、温風によって空気が乾燥しやすくなります。そのため、猫が脱水症状にならないように気を付けてあげなければいけません。

またどちらも吹き出し口に近づきすぎると、やけどをしてしまいますので、猫が近づけないようにヒーターガードを置いておくと安心です。

●ホットカーペット、床暖房

ホットカーペットや床暖房もエアコン同様、比較的安全な暖房器具といえます。

しかし、ひとつの場所でジーっとする猫にとっては、低温やけどを負ってしまうリスクがあります。

もしも下記のような症状や行動があった場合は、低温やけどをしている恐れがあります。

・部分的に脱毛箇所がある

・特定の場所を触ると嫌がる

・同じ箇所をずっと舐めている

・皮膚が赤くなっている、水ぶくれがある そのため、なるべく接触面の温度を下げてあげる、もしくは人間用のホットカーペットではなく、ペット用のホットカーペットを用意してあげるとよいでしょう。

●こたつ

比較的電気代が安いこたつですが、熱元が体に近くなってしまうことから、やけどを負う危険性があります。

特に留守中にこたつを付けたままにしてしまうと、万が一、猫が低温やけどなどをしてしまった際、すぐに対応することができません。

また長時間こたつに入ってしまうと、熱中症や脱水症状なども伴いやすいため、こたつを使用する場合は、こたつ布団を1か所めくっておき抜け道を用意してあげるとよいでしょう。

もしくは、一定以上の温度を超えたら自動的に電源がオフになる「ペット用こたつ」を活用するのもよいかもしれませんね。

●湯たんぽ

現在の湯たんぽは、お湯を入れるタイプのもの以外にも、電子レンジで温めて使用するもの、充電式のものなど、さまざまな湯たんぽが販売されています。

どれも酸欠や脱水症状の心配がないため、安心して使用することができる暖房器具といってもよいでしょう。

特に電源を使用しない湯たんぽであれば、猫がコードを噛む心配もないので留守中も安心です。

ただし、長時間湯たんぽに接していると低温やけどになる恐れがあります。そのため、身動きがあまりできない子猫や老猫に関しては、定期的に接する面を変えてあげてくださいね。

●エコな寒さ対策も

暖房器具を使わないエコな寒さ対策もあります。

例えば「段ボール」は保温性や保湿性が高く、形も好みに変えることができます。また狭くて薄暗い段ボールは猫にとって落ち着く場所にもなるので、猫ハウスとして使用するにはとても優秀です。

さらに汚れたり壊れたりしたら、また新しいものに取り替えることができるのも段ボールのメリットといえます。

ただし、猫によっては段ボールを嚙みちぎって食べてしまう子もいるため注意が必要です。

そして朝晩の寒さには対応するのは難しいので、気温が下がる時間帯は毛布をかけてあげたり、暖房器具と併用したりしてあげてください。

4.寒い冬の時期に安心して猫をお留守番させるには?

冬の寒い時期に留守番をさせるのは、飼い主としてもやはり心配ですよね。特に寒くなると、私たち人間と同様に猫も様々な病気のリスクが増えるのも事実。

愛猫の健康を維持するためにも、留守中の寒さ対策についてご紹介します。

●ぬるま湯を複数設置してあげて

猫って冷たい水よりも、お湯を好む子が多いのはご存じですか。特に冬場は、室内に置いてある猫用の飲み水でさえも冷たい水になってしまいます。

特に冷たい水が苦手な猫の場合、水を飲む量が減ってしまいます。そのため人肌以下の温度のぬるま湯を用意してあげるとよいです。

また猫が水を飲む機会が増えるように、飲み水を複数準備してあげるといいですね。

●猫自身が暖まれるものを置いておこう

猫は寒さを感じると、暖かい場所に移動します。もしもそこが猫自身のお気に入りの場所であるなら、マットレスを敷いてあげたり、毛布を置いてあげたり、保温性の高い段ボールに毛布をかけるなど冷え対策をしてあげるとよいでしょう。

飼い主さんのそばを好む子であれば、飼い主さんのにおいがついた毛布などを用意してあげると、リラックスして快適に過ごすことができますよ。

また冬でも日中であれば、南向きの窓から暖かい日差しが入ってきます。猫が日向ぼっこできるように、カーテンを開けてあげてもよいですね。ただし、冷気がたまりやすい窓の近くに寝床を設置するのは止めましょう。

●トイレの場所は暖かい場所へ

トイレの設置場所が寒い場所にあったり遠かったりすると、猫は排泄を我慢してしまいます。そうすると、泌尿器系の病気を発症するリスクが高まってしまいます。 そうならないようにするためにも、なるべく冬場は冷える場所に置くのは避け、リビングなどの比較的暖かい隅の場所に置いておくとよいでしょう。

5.これだけは絶対ダメ!寒さ対策を行う上での注意点

「愛猫が寒くないように…」とよかれと思ってしたことが、実は絶対にやってはいけないことがあります。それは『温めすぎ』と『寒すぎ』です。

暖房で28度以上に設定すると、部屋の中が暖まりすぎてしまい、猫が暑がってしまう恐れがあります。またカーペットや湯たんぽでの低温やけどが心配ですし、エアコンなどの人工的な風は体が乾燥するため、猫にとっては大変ストレスになります。

猫自身が快適に過ごせるように、暖房が効いている部屋と涼しい部屋を猫が行き来できるようにしてあげるとよいでしょう。

一方寒すぎのケースは、飼い主がいない場所や時間帯になります。家に人がいないときや、暖房を使用していない朝晩などは、猫が寒い思いをしているかもしれません。1日の中で気温が大きく変化しないように、なるべく20〜25度になるようにしてあげるとよいですね。

●猫にとっては有毒!間違った寒さ対策

私たち人間は寒い時期になると、体を温めるために唐辛子やコショウを使った料理を食べますよね。実は唐辛子は猫にとって有毒な食材といわれています。

人間にとっては美味しい香辛料ではありますが、猫には刺激が強すぎてしまい、健康を損なってしまう恐れがありますので、絶対に与えないようにしましょう。

また猫は洋服を着るのが苦手な子が大変多いです。毛のある猫に関しては、寒くても服を着させるのは控えるようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

猫が快適と感じる温度は約20〜23度、湿度は約40〜60%といわれていますが、年齢や持病、飼育頭数によっても変化してきます。猫の様子を見ながら、快適な室内にしてあげてくださいね。

また寒い時期は血行を促進させるためにも、小まめなブラッシングを行うのも1つ。被毛の状態を保ってあげることによって保温効果が高まり、冷え対策にも効果的ですよ。

寒い冬の日も、大好きな愛猫とぬくぬく快適に過ごせるヒントになれればと思います。


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