【今更聞けない】インフレ・デフレとは?

1. インフレとデフレの違いについて

①インフレ

①インフレ

インフレ(インフレーション)とは、物価が継続的に上昇する状態で、通貨の価値は下がります。たとえば、りんご1個50円だったのが、翌日には100円になるという状況です。

景気が良くなると、インフレが起こりやすくなります。インフレ時には、企業の売上が増加し、従業員の給料が増え、モノを買おうとする意欲が生まれる、という循環が生まれます。

しかし、物価の上昇以上に収入が上がらなければ、生活は苦しいものになりますね。短期間のうちに物価が2倍や3倍になることもあり、これをハイパーインフレと呼んでいます。日本では第ニ次世界大戦後にハイパーインフレになりました。

②デフレ

②デフレ

デフレ(デフレーション)とは、物価が継続的に下落する状態をいい、通貨の価値が上がります。

りんご1個100円だったのが、翌日には50円に値が下がる状況ですね。物価が安くなるからといって、デフレが良いわけではありません。

モノの値段が下がり企業の売上が減少すると、従業員の給与がカットされ、長引けば雇用も不安定になります。そうなると人々は購買意欲がなくなり、企業の売上がさらに下がります。この状態をデフレスパイラルといいます。

最近は、このようなデフレスパイラルを払拭しようとして、インフレ目標を設定する動きがあります。

2. 2022年現在の物価上昇中について

2. 2022年現在の物価上昇中について

近頃、さまざまなモノの値上がりを感じている人は多いのではないだろうか?

たとえば、大手パンメーカーは、2021年からの小麦粉の値上がりを受け、2022年1月1日出荷分から一部の食パン・菓子パンの値上げをした。また、電気代やガス代は燃料や原料の価格に合わせて上昇傾向にあるほか、同年3月下旬には大手製紙メーカーがトイレットペーパーなど家庭紙製品全品を値上げするなど、さまざまな商品の値上げが相次いでいる。

物価の変動を表す指数である「消費者物価指数」を見ても、2021年度から前年同月比で上向く傾向にある(図2)。給料が伸び悩む中、このまま生活必需品の価格が上昇し続ければ、スタグフレーションに近い状態になりかねない。

3. 日本はスタグフレーションを経験済みについて

3. 日本はスタグフレーションを経験済みについて

物価の動きを観察するには、さまざまな製品の原料になる資源価格の値上がりに注目すべきです。中でも原油は、生活に欠かせないプラスチック製品やガソリンの原料になるため、原油価格の変動は暮らしや企業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。

過去を振り返ると、1970年代の第1次オイルショック後に日本はスタグフレーションを経験しました。第1次オイルショックのきっかけは、1973年に勃発した第4次中東戦争で、石油輸出機構に加盟している中東の国々が原油の供給制限と輸出価格の大幅な引き上げを行い、国際原油価格が3カ月で約4倍に高騰。

当時エネルギーの8割近くを輸入原油に頼っていた日本の社会は大きく混乱しました。消費者物価指数は、第4次中東戦争前の1972年には前年比4.9%上昇でしたが、1973年は同11.7%上昇、1974年は同23.2%上昇しています。

一方、実質GDP成長率の推移を見ると、物価が急上昇する中、同時期に大きく落ち込んでいる様子が分かります。

4. スタグフレーションに備えるためにやっておくべきことについて

4. スタグフレーションに備えるためにやっておくべきことについて

岸田内閣は、従業員の給与総額を増やした企業に、増加分の一定割合を税額控除する方針を示すなど、賃上げに取り組んでいます。

こうした政策が奏功し、日本経済がコロナ禍から立ち直れば、インフレになってもスタグフレーションを防ぐことができるかもしれません。

しかし、もしものために、個人でもスタグフレーションに備えておくことは大切です。具体的な方法はさまざま考えられますが、副業やサイドビジネスで収入源を増やすのは多忙なビジネスパーソンには難しいことでもあります。

そのような時は、本業で給与を上げるためのビシネススキル向上を目指すと同時に、収入の一部を資産運用に充てて、早めに資産形成に取り組むことも考えておくべきです。

まとめ

インフレとは、モノの値段が全体的に上がり、お金の価値が下がることです。

インフレの原因のひとつに好景気があります。景気が良いとモノがよく売れて、需要が供給を上回り、モノの値段が上がります。(ディマンド・プル・インフレ)

また、賃金や原料の高騰などで、モノを作るための費用が上がり、モノの値段が上がることがあります。(コスト・プッシュ・インフレ)

重要なことは、経済的なショックや不景気が来ても耐えられるようにしておくこと。この機会に、お金の使い方や資産のつくり方を考えておくべきではないでしょうか。


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