戸建て・マンション・賃貸?実際に最適な選び方とは?

先の事は誰にもわかりません。しかし、どこかのタイミングでいずれかを選択する場面が出てくる事でしょう。そんな時に役立つ知恵をこの記事ではご紹介していきます。

1. 一戸建てならではのメリットや、魅力について

1. 一戸建てならではのメリットや、魅力について

【一戸建てのメリット】

  • 騒音やプライバシーにまつわるトラブルが起きにくい
  • 専用の庭や駐車場を持てる
  • 環境の良さが手に入る
  • 土地が資産になる
  • 自由な家づくり
  • 管理費・修繕積立金がない

(1)騒音やプライバシーにまつわるトラブルが起きにくい

(1)騒音やプライバシーにまつわるトラブルが起きにくい

複数の住戸をひとつの建物にまとめて造る集合住宅では、隣人とのトラブルが発生しやすい傾向にあります。

特に、トラブルの原因になりやすいのが音。普段の生活の中で、どうしても発生してしまう音ですら、トラブルに発展してしまう可能性も。
その点、一戸建ては独立しているので、上階から聞こえる足音や、隣人のおしゃべりが聞こえにくいのです。

自分たちが立てる音が、家の外に響いてしまうことも少なくなります。子育て中の家庭でも、子どもが室内で走り回ったり、大声を出したりしてご近所に迷惑をかけるかも――そんな心配も無用です(もちろん、常識の範囲内で)。

プライバシーの確保という面でも、マンションに比べて独立した一戸建てが有利です。例えば家族構成や、不在にしがちな日、時間帯を推測されにくいですし、近隣からの干渉も受けにくくなります。ペットの飼育に対する制限もありません。
女性や、小さな子どものいる方にとっては、安心して暮らせるポイントといってもいいでしょう。

(2)専用の庭や駐車場を持てる

(2)専用の庭や駐車場を持てる

一戸建てにあってマンションにないものと言えば、やっぱり庭と言っても過言ではないのでは? 自分の敷地内であれば、法に反しない限りは自由に使うことができます。
マンションだと、自由に使えるスペースは、せいぜいベランダやバルコニー程度のスペースですよね。

庭があれば、ガーデニングを楽しんだり、家庭菜園をやったりもできますし、物干し台を置いて洗濯物を干したりと、さまざまな用途に活用できます。

専用の駐車場を設置できるのも、一戸建てならではのメリットです。駐車場を借りて、毎月お金を払う必要はありません。2台以上車を所有しているなら、金銭的なメリットはより大きくなります。
敷地に余裕がなくても、一階の一部をガレージ(ビルトインガレージ)にするという手も。

(3)環境の良さが手に入る

(3)環境の良さが手に入る

一戸建ては、都市部にももちろん多いですが、郊外に立地することが多いですよね。

敷地も広く、自然も比較的豊かなエリアが多いので、通勤に時間がかかっても都会の喧騒から離れて静かな環境で暮らしたい、子どもを外でのびのびと遊ばせたいという方にはぴったりの環境が手に入るでしょう。

また、周辺にある公園や学校も広いところが多いのも、郊外で暮らすことのメリットです。

(4)土地が資産になる

(4)土地が資産になる

一戸建てを購入すると、建物だけではなく、土地もあなたの所有物になります(借地権付き物件を除く)。

建物は時間が経つと、価値が低下していき、いずれは価値がゼロになります。
一方、土地は時間の経過だけで価値が変化することはありません。むしろ、周辺の開発が進んだ、新しく鉄道の駅ができた、といった理由で、価値が上がることだってあるため、将来の資産価値(リセールバリュー)は安定しています。
子どもに、資産として一定の価値を保ったまま、引き継ぐこともできますね。

厳密に言えば、マンションも土地の一部(持ち分)を所有していることになりますが、更地にして売る、建て替えるなど、資産としての自由度は低めです。
住宅を担保にして融資を受けるリバースモーゲージも、一戸建てを担保とすることが原則となっています。

(5)自由な家づくり

(5)自由な家づくり

新築の注文住宅なら、設計図は白紙ですから、間取り、デザイン、素材、設備を自由に決めることができます。法律や技術の制限はありますが、ハウスメーカーや工務店、設計事務所と相談しながら、理想のイメージにに近い住まいを造りやすいと言えるでしょう。

マンションでは専有部に限られてしまうリフォームやリノベーション、増築も自由。中古住宅を購入して、大規模リフォームでプランをすっかり造り変えてしまうこともできます。
また、家族が増えたから部屋を増やす、あるいは子どもが家を離れたので「減築」する、といった風に、ライフスタイル、ライフステージの変化に合わせて家のかたちも変えていけますし、場合によって建て替えの選択肢もあります。

(6)管理費・修繕積立金がない

(6)管理費・修繕積立金がない

マンションでは、毎月の住宅ローンの返済に加え、管理費と修繕積立金を管理組合に支払わなくてはいけません。

一戸建ては、土地の購入費用から設計、建築費用など、マンションに比べると高額になる傾向がありますが、管理費や修繕積立金の支出(人によっては駐車場代も)を考慮すると、トータルでは同じくらいお金がかかってしまうこともあり得ます。

自分でメンテナンスを行う必要はありますが、実行のタイミングや内容は自分で決められるので、マンションよりは金銭的な負担を軽減できると言えるかも。

2.一戸建てのデメリットについて

2.一戸建てのデメリットについて

メリットがあればデメリットもあるのが世の常。一戸建てのデメリットとは、どんな部分なのでしょうか?

【一戸建てのデメリット】

  • 維持管理は自己責任
  • 耐用年数が短い
  • 気密性、断熱性が低い
  • 防犯上のリスクが大きい
  • 建て替えられない物件がある

(1)維持管理は自己責任

(1)維持管理は自己責任

マンションには管理組合があり、維持管理の計画を立てて費用(管理費・修繕積立金)を徴収して、定期的にメンテナンスを行います。維持管理のかなりの部分を「おまかせ」にできるのです。

他方、一戸建ての維持管理は所有者に任されています。極論なことを言えば、全くお手入れをしなくてもいいのです。

しかし、時間が経てば各部は必ず劣化していきます。特に日本の一戸建ては木造が多く、湿気やシロアリなど大ダメージを与える要因も少なくありません。
庭の植栽なども、放っておけばどんどん成長します。伸びた草や枝が、敷地からはみ出すと、隣人とのトラブルの種になる恐れもあるでしょう。

突発的にリフォームが必要な事態が起きたりすると、その修繕費を調達する必要も出てきますね。家計へのダメージになるかもしれません。

(2)耐用年数が短い

(2)耐用年数が短い

維持管理にも関係することですが、一戸建て、というよりも木造は、鉄骨(S)造や鉄筋コンクリート(RC)造のマンションよりも、税法上の耐用年数(法定耐用年数)がはるかに短いのが現実です。

一般的に木造住宅の法定耐用年数は22年。築23年以上になると、建物の価値はゼロと判断されてしまいます。
それに対し、RC造は47年と倍以上の長さです。

お金をかけて、こだわって家を建てても、30年後、売ろうとしても建物には値段がつかないこともあり得るのです。

もちろん、耐用年数を過ぎたからといってすぐに住めなくなるというわけではありません。適切な維持管理を行えば、木造でも良好な状態を保つことは十分に可能です。
長期優良住宅制度のように長寿命な家づくりを促進したり、22年で一律に価値をゼロとする評価方法を見直す動きなどもあります。

(3)気密性、断熱性が低い

(3)気密性、断熱性が低い

木造の一戸建ては、RC造のマンションに比べ躯体にすき間ができやすく、どうしても気密性が低くなりがちです。

気密性が低い、すなわちすき間が多いと、室内の空気が外に流れ出したり、外気が室内に入りやすくなってしまい、暖冷房の効率が低下してしまいます。

断熱性についても、マンションよりも窓が多くなるため、全体で見ると熱の流出が大きくなりやすいです。
高気密・高断熱を謳う住宅メーカーも増えていますが、高性能な断熱材やサッシを使うと当然コストがかかりますし、築古の中古住宅は全く断熱が施されていない物件も珍しくはありません。

(4)防犯上のリスクが大きい

(4)防犯上のリスクが大きい

独立して建っており、窓も多い一戸建ては、マンションに比べて外から侵入しやすく、空き巣などに狙われやすいのが弱点です。
外出時には、たくさんの窓に鍵を掛けなくてはならず、手間がかかる上にかけ忘れのリスクも高まります。

低層の一戸建てにおける空き巣被害では、窓から侵入されるケースが半分以上を占めています。しかも、鍵をかけていない窓から忍び込まれてしまうことも非常に多いのです。

マンションであれば、防犯カメラやオートロックが導入されていたり、警備会社と契約して24時間の警備体制を敷いていることも多いです。
一戸建てで、ホームセキュリティを導入する人も増えていますが、その場合、費用は全て自己負担。防犯対策のコストが割高なのも頭の痛い点です。

(5)建て替えられない物件がある

(5)建て替えられない物件がある

中古の一戸建てを検討している方、特に都市計画区域で物件を探しているなら「再建築不可」物件に注意しましょう。

都心部に古くからある、住宅が密集しているようなエリアなどで、奥まったところに建っている物件は、建築基準法の「接道義務」(消防車や救急車が通行できるよう、敷地が一定以上道路に面することを義務付ける)条件を満たさないことが多々あります。
この場合、リフォームはできますが、解体して建て替えることは不可能。一度取り壊してしまえば、もうその上に新しく家を建てることはできません。

その分価格も割安ですが、担保としての評価は低いため、住宅ローンが組めない、組めても融資割合が低くなることも。また売却もしづらくなります。

3.戸建住宅の種類について

3.戸建住宅の種類について

一戸建てとひとくちに言っても、様々な種類があります。
日本では木造が一戸建ての主流ですが、大規模なマンションと同様、S造やRC造の戸建住宅もあります。

木造は、技術的にも確立されており、材料も広く流通しているので、コストパフォーマンスに優れているのが特徴。そのため小さな工務店から大手まで、依頼先の選択肢も幅広いのもメリットになるでしょう。
耐震や断熱も、技術や建材の進歩によって高いレベルを実現するのも、さほど難しくはないなっています。

S造は、大手のハウスメーカーが多く採用している構造。鉄骨の厚みによってさらに区分されますが、住宅だと6㎜以下の材を使った、いわゆる軽量鉄骨造が主流です。
工場で生産された部材を使うので、木のような材のばらつきはなく、安定した品質を確保できます。

RC造の最大のメリットは、耐震性や防耐火性能がとても高いこと。繰り返しになりますが、耐用年数も長いので、長期間にわたってその価値が評価されやすい構造です。
コンクリートは、型枠によってどんな形でも実現できるため、デザイン性の高い住宅を造るのにも向いています。

今、日本で造られている木造住宅には、大きく分けて軸組工法、2×4(ツーバイフォー)工法の2つの工法が用いられています。

軸組工法は在来工法とも呼ばれ、柱や梁で躯体をつくっていく、日本に古くから伝わる工法です。今では、耐震性を高めるため、筋交いや合板で壁を補強したりもしますが、基本は柱と梁が構造体となるので、間取りの自由度が高く、大きな開口部を設けることもできます。
また、リフォーム・リノベーションによる間取りの変更も、比較的容易に行えます。

2×4工法は、正確には枠組壁工法といい、アメリカで発展した工法です。
2インチ×4インチの木材と合板で造った壁や床など、面で構造体をつくっていくやり方で、規格化の度合いが軸組工法よりも高く、質のばらつきが少ないというメリットがあります。
また、面が多いので耐震性に優れる一方、既存の壁を除去したりすることは難しく、リフォームやリノベーションの自由度は低めです。
(木材のサイズには、2インチ×6インチ、2インチ×8インチ、2インチ×10インチなどもあり、「ツーバイシックス」などとも呼ばれたりもします)

また、大手ハウスメーカーの住宅は、部材を工場で生産して現場では組み立てる、プレハブ工法で建てられます。
プレハブ工法はS造が中心で、木造のプレハブはあまり多くありません。メーカー独自の技術がたくさん使われているので、メンテナンスのしづらさや、リフォームの自由度も低いです。

実は同じ一戸建てでもバリエーションは豊かなのです。

4.マンションならではのメリットや、魅力について

4.マンションならではのメリットや、魅力について

マンションやアパートなど集合住宅は若い頃の仮住まい、という意識をお持ちの方もまだまだいらっしゃいますが、マンションにはマンションなりのメリットが数多くあります。
もちろんメリットがあれば、デメリットもあるもの。一体マンションにはどんなデメリットがあるのか気になっている方にとって良き知見となる様により深掘りしていきます。

【マンションのメリット】

  • 立地が良い
  • セキュリティが充実している
  • 共用施設・設備がある
  • 住戸がワンフロア
  • 気密性が高い
  • 眺望や採光、通風が良い
  • 資産価値が高い
  • 耐用年数が長い
  • 将来、売却や賃貸がしやすい
  • 維持管理がきちんと実行される

(1)立地が良い

(1)立地が良い

生活は、住まいの中だけで完結するわけではありません。
仕事や学校、買い物、趣味、休日のお出かけなど、わたしたちは住まいの外でもさまざまな活動をしています。

職場までのアクセスがいい、最寄り駅に特急や急行が停車する、学校・保育園、病院が近くにある、スーパーやコンビニが多いーーー立地が良いと、生活の利便性がぐんと向上しますよね。

一般的な傾向として、マンションは都心部や駅近の物件も多く、好立地の住まいを手に入れやすいといえます。

近年は、立地を理由としてマンションを選択する人が増えています。
マンション購入者の約6割から約7割の人が「立地環境が良かったから」マンションにしたという方が多数を占めています。一戸建てに比べると、立地を理由にした割合が2割から3割高くなっています。

立地条件のいい地域は地価も高くなるので、専有する土地が広い一戸建てに比べ、マンションは割安な価格で購入することができます。

また、都市部は防耐火の制限なども厳しいため、木造の一戸建てがNGな地域も。そもそも「好立地で一戸建て」のハードルは高いのです。

(2)セキュリティが充実している

(2)セキュリティが充実している

共用部の防犯カメラやオートロックなど、初めから対策が取られていて、防犯性が高い物件が多いのは、マンションならではのメリットでしょう。

管理者が常駐していて、共用玄関(エントランス)から入ってくる人を監視していたり、夜間の見回りを行っている物件も存在しますし、警備会社と契約して24時間の警備体制を敷いているマンションも増えています。
姿を見られたくない侵入者にとっては居心地が悪いでしょうが、住民の立場からすれば安心感があります。

一戸建てであっても、もちろん防犯カメラを付けたり、セキュリティシステムを導入することはできますが、その分の費用を別途負担しなくてはいけません。

また、モニター付きのインターフォンや宅配ボックスなど、近年普及している設備は、利便性を高めると同時に、防犯性の向上に一役買っています。
住民に紛れたり、宅配業者を装って侵入してくる不審者を完全に防ぐことは不可能ですが、これらの設備があれば、不用意にドアを開けて危険に遭遇してしまうリスクを減らすことにつながります。

さらに、中・高層階の部屋なら、外から侵入することは難しくなるので、空き巣にも狙われにくくなります。
建物の造り自体が、一種のセキュリティにもなっているというわけですね。

(3)共用施設・設備がある

(3)共用施設・設備がある

マンションには、住民が利用できる共用の施設や設備が備わっています。

便利な共用施設・設備の代表格と言えば、まずは敷地内のゴミ捨て場でしょう。
24時間いつでもゴミを出すことができ、朝忙しいとき、あるいは雨の日にわざわざ外まで持っていく必要がなくなったり、収集日まで部屋の中に貯めざるをえず、不衛生で邪魔になる、なんてこともなくなります。

先ほど、防犯のところで取り上げた宅配ボックスも、生活の利便性を高めてくれますね。

他にも「ゲストルーム」も、マンション特有の施設です。
例えば「遠方の親が遊びにやってきた」なんて時も、ゲストルームに泊まってもらえば、部屋を片付けたり、寝具を用意したり、わざわざホテルを予約する必要はありません。
利用にはお金がかかることが多いですが、一泊数千円程度なので、ホテルよりもお得です。

グレードの高いマンションともなれば、スポーツジムやフィットネスクラブ、プールがあるケースも。管理人とは別に、住民の生活をサポートする「コンシェルジュ」と呼ばれる人がいるマンションなど、まるでホテルのような施設・サービスを完備している物件も増えてきました。

(4)住戸がワンフロア

(4)住戸がワンフロア

メゾネット式(内階段があり2層に分かれている)やロフト付きの物件を除けば、マンションの専有部分はワンフロアが基本。
2階建て以上が主流(平屋も存在しますが)の一戸建てとマンションが、大きく異なるポイントのひとつです。

若い時は苦にならない階段の上り下りも、歳を重ねるときつく感じられたりするもの。近年の新築マンションは、室内の段差がないフルフラットフロアが主流になってきているので、バリアフリーの観点からすると、マンションはとても安全な空間を作りやすいと言えるでしょう。

あるいは、住戸内の動線を考えてみても、垂直がなく水平のラインだけなのでシンプル。家事のために、1階と2階を行き来するわずらわしさとも無縁ですね。

(5)気密性が高い

(5)気密性が高い

マンションと一戸建ての違いというより、鉄筋コンクリート造と木造の違いになりますが、コンクリートで一体的に躯体を造るマンションは、躯体にすき間ができにくく、気密性が高くなります。

気密性が高いと、外気が室内に入りにくく、室内の空気も外に漏れにくくなり、結果的に冷暖房の効きが良くなります。室内の温度も安定し、光熱費も安くなります。

2003年の建築基準法改正によって、機械で室内の空気を入れ替える24時間換気システムの設置が、全ての住宅に義務付けられているため、新しいマンションであれば、汚れた空気が室内にこもってしまうという心配もありません。

(6)眺望や採光、通風が良い

(6)眺望や採光、通風が良い

中・高層階の住戸なら、よほどビルやマンションが密集しているような地域でもない限り、低層の住宅に比べ窓からの眺めもよく、日当たりや通風の面でも優れています。

外から覗かれる可能性も、高層になるほど小さくなるので、プライバシーが侵害されにくいこともメリットです。

(7)資産価値が高い

(7)資産価値が高い

購入した住宅は、あなたの「資産」という意味も持ちます。

30年以上の住宅ローンを組むことも珍しくない、とても高価な買い物であり、長い間使われるものですから、できるだけ価値の高い住まいを手に入れたいものですね。

マンションには、実は資産性に優れているという一面もあるのです。

(8)耐用年数が長い

(8)耐用年数が長い

税法上、どれだけの期間利用することができるのかを表す「法定耐用年数」という概念があります。

年数は構造や用途(住宅、店舗、事務所など使い方の区分)によって変わりますが、用途が住宅だとすると、木造は22年に対し、鉄筋コンクリート造は47年です。
簡単に言うと、木造住宅は築23年以上で、税法上の価値はゼロになってしまいますが、鉄筋コンクリート造のマンションは、築50年近くになるまで価値があるとみなされるということです。

この概念はあくまでも法律上のものですが、マンションが資産として高く評価される理由にもなっているのです。

(9)将来、売却や賃貸がしやすい

(9)将来、売却や賃貸がしやすい

マンションは、設計の段階では誰が入居するかわからないので、普遍性のある間取りや仕様になっているのが一般的です。
そのため、どんな人にとっても住みやすい住宅になっているので、市場での競争力も高く、売ったり貸したりしやすいのです。

戸建の注文住宅は、設計の自由度も高く、自分の好きなように建てられますが、あなたにとって都合がよくても、他の家族には住みにくいものになってしまう可能性もあるので、中古市場では売れにくいという側面もあるようです。

仮に、昔風の間取りで現代的なライフスタイルには合わない、ファミリー向けだった物件に単身で住むというケースでも、鉄筋コンクリー造なら、間取りから変えてしまうようなリフォーム・リノベーションも比較的かんたん。
木造の一戸建てだと、構造上撤去できない柱や壁があり、間取りの変更には制約が出てしまうこともあります。

さらに初めに述べた、立地の良さも売りやすさ、貸しやすさを高める要因になります。

(10)維持管理がきちんと実行される

(10)維持管理がきちんと実行される

共用部の掃除や点検・メンテナンス、建物そのものの修繕などは管理組合の役割です。
(実際に修繕計画をまとめたり、作業するのは、委託を受けた管理会社など専門の人が行うことがほとんどです)

一戸建ては、居住者が自分で家の周りを掃除したり、リフォームの手配をしなくてはならないのに対して、マンションなら住民がするのは、自分が所有する専有部のことだけ。日常の負担は少なくて済みます。

さらに、マンション管理のプロが適切に実行してくれるので、マンション全体の環境を良好に保ちやすく、資産価値の評価にもつながりやすいのです。
どんなにお金をかけて、立派に造った建物でも、メンテナンスやリフォームをしないままで傷みがひどかったり、汚れたままでは、わざわざ買う気は起きませんよね。

5.マンションのデメリットについて

5.マンションのデメリットについて

メリットがあればデメリットもあるのは当然。マンションには、いったいどんなデメリットがあるのでしょうか?

【マンションのデメリット】

  • 管理費・修繕積立金が必要
  • 駐車場代がかかる
  • 音やプライバシーのトラブルが起きやすい
  • リフォーム・リノベーションに制限がある
  • 管理規約がある

(1)管理費・修繕積立金が必要

(1)管理費・修繕積立金が必要

マンション特有の出費として、「管理費」と「修繕積立金」があります。

管理組合と管理会社によって維持管理が行われることは、先ほど説明した通り。その費用として、住民は毎月、管理組合にお金を支払わなくてはいけません。
管理組合は、住民から徴収したお金で管理会社に費用を支払ったり、いずれ行われる大規模修繕の費用を貯めておきます。

マンションによって違いはありますが、管理費・修繕積立金を合わせて、月2〜3万円が相場といったところ。
一戸建てなら、住宅ローンの月々の返済額だけで済むところを、マンションはプラス2~3万円かかることを考慮しておかなくてはなりません。

管理費・修繕積立金を負担することで、維持管理の負担がなかったり、良好な環境を手に入れられるわけなので、メリットとコインの裏表のようなものではあるのですが、経済的にはデメリットと言えるかもしれません。

(2)駐車場代がかかる

(2)駐車場代がかかる

マイカーをお持ちの方には欠かせない駐車場。
一戸建てなら、敷地内に駐車場を作れば自由に使えますが、マンションの駐車場は共用施設とはいえ、利用にはお金がかかることがほとんど。

そのうえ、部屋と駐車場が離れてしまったり、機械式駐車場で車の大きさなどが制限されてしまうこともあります。

(3)音やプライバシーのトラブルが起きやすい

(3)音やプライバシーのトラブルが起きやすい

マンションは複数の住戸が隣り合っているので、時には隣や上下階に自分たちの生活音が聞こえてしまったり、逆に隣や上階からの音に悩まされる事態も起こります。

テレビや洗濯機、掃除機の音、あるいは子どもの声や足音など……生活していれば音は出てしまうものですが、自分は気にならなくても他人にとっては耐えがたいこともあります。逆も然りです。

住民同士、音を原因としてトラブルに発展することは以前から多く、違法駐車や駐輪、ペットを抑えて「生活音」によるトラブルが多く起こる可能性が高いです。

特に、小さいお子様がいらっしゃるご家庭だったり、仕事で帰りが遅くなりやすい方にとっては、ストレスを感じやすい環境かもしれません。

また、「お隣は、平日の〇時から×時までは家にいない」など、生活音からあなたの生活のリズムや習慣がご近所に伝わってしまうことも考えられます。

(4)リフォーム・リノベーションに制限がある

(4)リフォーム・リノベーションに制限がある

マンションで自由にリフォーム・リノベーションができるのは、専有部、つまり室内のみなのは、多くの方がご存知でしょう。

しかし、窓やベランダ・バルコニーは、実は共有部として扱われるので、勝手にサッシやガラスを交換したりすることはできません。
断熱性を高めるには、内窓(インナーサッシ)の設置に限られるなど、思った通りのリフォーム・リノベーションができない可能性もあります。

(5)管理規約がある

(5)管理規約がある

多くの人が住むマンションでは、住民同士のトラブルを防ぐため、管理組合が管理規約を定めています。

「飼育できるペットは〇〇まで」、「楽器は〇時から×時まで禁止」など、やってはいけないことが細かく定められているので、きゅうくつさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

「マンションは管理費・修繕積立金がかかるから、一戸建てのほうが割安だ」。そういう意見を耳にすることがあります。
確かに、月々の出費で見れば、マンションはローンの月々の返済以上にお金がかかるのは事実です。
ですが、長い目で見れば、マンションは一戸建て以上にお金がかかるというのは間違いです。

どんな建物も時間が経てば多かれ少なかれ劣化していき、修繕やリフォームが必要になるときがやってきますし、そうなればお金が必要になります。

マンションは、管理組合が住民から集めた管理費や修繕積立金で、メンテナンスや修繕を行いますが、一戸建てはリフォームするかどうかを決めるのは所有者。
リフォームをしないという決断もありですが、不具合を放置すれば劣化が進み、取り返しのつかない事態になる可能性もあります。建て替えしか手段がないとなってしまえば、費用はリフォームの比ではありません。

維持管理が確実に実行される、という点では、マンションの方が低リスクを期待できるでしょう。

ライフスタイルは、環境の変化や歳を重ねることで変わっていくものです。引っ越しを余儀なくされたり、親の介護といった理由で地元に戻ることもあるでしょう。
そうなると「今の住まいをどうするか?」という問題が発生します。

立地や、売却・賃貸がしやすいのが特徴のマンションなら、リセールバリューは当然高くなるので、それなりの価格で売却して、次の住まいの資金を作ることもできます。
いずれ戻る予定があるなら賃貸すれば、あなたの資産を有効活用して、家賃収入を得ることだってできるでしょう。

一戸建であっても売却や賃貸はできますが、立地条件が不利だったりすると住宅の需要も少なく、買い手や借り手が思うようにつかないという可能性もあります。
劣化が進んでいると、価格も高くはつけられません。

6. 賃貸に住み続けるメリットについて

6. 賃貸に住み続けるメリットについて

賃貸に住み続けるメリットは次のとおりです。

【賃貸のメリット】

  • 住み替えがしやすい
  • 初期費用が安い
  • メンテナンスコストが不要

(1)住み替えがしやすい

(1)住み替えがしやすい

賃貸物件は、何といっても気軽に住み替えできるのがメリットです。住み替えしやすいことで、以下のようなさまざまなメリットが生まれます。

  • 家族構成や住環境の変化に応じて住み替えできる
  • 隣人とのトラブルが起きても気軽に引越しできる
  • 世帯主の年収がダウンした場合でも家賃の安い物件に引越しできる
  • 最終的に老後は老人ホームや高齢者住宅に行くという選択肢も取りやすい

特に、万が一収入が低下したときでも、容易に支出をダウンサイジングできる安心感は、賃貸の大きな利点といえます。

(2)初期費用が安い

(2)初期費用が安い

賃貸物件の初期費用は「家賃4~6ヶ月分」が目安とされており、合計で数十万円程度となります。一方、持ち家の初期費用は「購入費用の5~10%」程度であり、合計で数百万円規模のコストがかかります。

(3)メンテナンスコストが不要

(3)メンテナンスコストが不要

基本的に、物件の維持・修繕費用はオーナーが支払うため、賃貸物件では負担する必要がないケースが多いです。

 設備の劣化や建具の不具合などがあれば、規約に違反するような使い方をしていない限り、基本的に大家さんが費用を負担してくれます。

7. 賃貸に住み続けるデメリットについて

7. 賃貸に住み続けるデメリットについて

賃貸に住み続けるデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

【賃貸のデメリット】

  • 自分の資産にならない
  • 老後の住み替えが難しい場合もある
  • リフォームが自由に行えない

(1)自分の資産にならない

(1)自分の資産にならない

賃貸の最大のデメリットは、やはりいくら家賃を支払っても自分の資産にならない点にあります。特に定年後は、収入に対する家賃の負担が大きく感じやすいため、やり繰りが難しくなってしまう可能性もあります。

(2)老後の住み替えが難しい場合もある

(2)老後の住み替えが難しい場合もある

賃貸のもうひとつの注意点が、老後の住み替え問題です。高齢になると身元の保証や健康状態などへの不安が生じるため、現役世代と比べて入居審査のハードルが高くなってしまう面があります。

 そのため、老後に収入が低下し、家賃の安い物件に引越そうとしても入居を断られてしまう可能性があるのです。

 賃貸物件に住み続ける場合は、住居コストだけでなく、将来的に入居審査に落ちるなど、希望する物件に住めないというリスクも想定する必要があります。

(3)リフォームが自由に行えない

(3)リフォームが自由に行えない

賃貸は自由にリフォームが行えないため、バリアフリー対策などを行いにくいのもデメリットです。

 老後に住むのであれば、バリアフリーも配慮された物件を探すことも重要になってきますが、家賃の面から借りるのが難しいというケースも考えられます。

まとめ

一戸建て、マンション、賃貸のどれを住居とするか選ぶうえで、それぞれメリットとデメリットがあることをご紹介しました。

一戸建ては、自由な家づくりができ土地も資産として残りますが、メンテナンスや防犯リスクがあります。

マンションは、セキュリティがしっかりしていて共用施設が整っていますが、騒音トラブルや管理規約がネックです。

賃貸は、住み替えしやすいですが、自分の資産とはならずリフォームなども自由に行うことができません。

自分のライフプランに合わせてメリットを多く享受できる選択ができるといいですね。


# 戸建て #マンション #賃貸 #リフォーム #住み替え


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