【日銀】日本銀行とは何か

日本銀行とは、日本紙幣を発行していることでも知られる銀行で、日本政府の認可法人として経営を行なっています。ここでは、日本銀行がどのような役割を果たしているかについて紹介します。

1. 日本銀行の3つの役割

1. 日本銀行の3つの役割

日本銀行には主に3つの役割があります。「銀行のための銀行」「政府の銀行」「発券銀行」の3つです。この3つの役割について、具体的に紹介します。

① 銀行のための銀行について

日本銀行は、各金融機関のお金を預かる場所として機能しています。誰しも安心できるところにお金を預けておきたいと考えるものですが、それは各金融機関も同様です。

日本銀行は、各金融機関にとって安心してお金を預かってくれる場所と言えます。

また、日本銀行は金融機関同士の資本決済も行なっています。私たちがA信用金庫からB銀行に振り込みをした場合、A信用金庫の行員がB銀行にお金を持っていく訳ではなく、振り込み情報を参照して、日本銀行がA信用金庫から預かっているお金をB銀行に振り込みます。

その際の決済を日本銀行が行なっています。しかし、各金融機関が日本銀行にお金を預けるのは、安心や決済のためだけではありません。

1957年に施行された「準備預金制度に関する法律」により、各金融機関は日本銀行に「ある一定の金額」を預けなければいけないという法律が定められたことも理由のひとつです。なお、預けられたお金は日本銀行の金融政策として使用されます。

② 政府の銀行について

政府のお金は国庫金と呼ばれます。私たちが支払っている税金や交通違反をしたときの罰金、社会保険料などは国庫金の中でも「歳入金」と呼ばれるものにあたります。

それに対して、国から私たちに支給される年金のような、国庫から出て行くお金を「歳出金」と呼びます。

日本銀行は政府に代わって歳入金や歳出金を管理する仕事も担っているのです。

③ 発券銀行について

日本銀行はお札を発行するところでもあります。紙幣には小さな文字で「日本銀行券」と印刷されています。

お札は日本銀行の「券」です。この券は、各金融機関が日本銀行からお金を引出した時点で「お札」になると、法律で定められています。

日本銀行は「銀行のための銀行」でもあるので、各金融機関は日本銀行にお金を預けています。

様々な事情で、金融機関が日本銀行からお金を引出したとき、つまり日本銀行の外に券が出た時点で「お金」になるのです。

硬貨は日本銀行が発行しているのではなく、政府が発行しています。硬貨をよく見るとそこには「日本国」と刻まれています。

日本銀行が発行する「券」を補助する補助貨幣として日本政府が製造し、日本銀行に流通その他を委託しているのです。

各銀行の正面玄関には「日本銀行代理店」という意味の掲示があります。

これは、日本銀行に代わって街の金融機関が、各人の支払った税金や保険料などを「歳入金」として管理し、管理したお金は一旦日本銀行に入れるという意味です。

このように考えると、日本銀行は私たちにとって身近な存在だとも言えます。

2. 日本銀行の概要について

2. 日本銀行の概要について

日本銀行はわが国唯一の中央銀行です。日本銀行は、日本銀行法によりそのあり方が定められている認可法人であり、政府機関や株式会社ではありません。

① 目的

① 目的

日本銀行法では、日本銀行の目的を、「我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うこと」および「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること」と規定しています。

また、日本銀行が通貨及び金融の調節を行うに当たっての理念として、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」を掲げています。

日本銀行が目的を達成するために行っている各業務については、「中期経営計画」や、金融政策、金融システム、決済・市場、銀行券/国庫・国債、国債金融、調査・研究、統計、公表資料・広報活動。また、日本銀行は、わが国の中央銀行として尊重すべき普遍的な理念であり、役職員が日々の業務を遂行する際に常に意識すべき「日本銀行の行動原則」を定めています。

② 組織

② 組織

(1)政策委員会

日本銀行には、最高意思決定機関として政策委員会が置かれています。政策委員会は、通貨及び金融の調節に関する方針を決定するほか、その他の業務の執行の基本方針を定め、役員(監事および参与を除く)の職務の執行を監督する権限も有しています。

(2)役員

日本銀行には、役員として、総裁、副総裁(2人)、審議委員(6人)、監事(3人以内)、理事(6人以内)、参与(若干人)が置かれています。このうち、総裁、副総裁および審議委員が、政策委員会を構成しています。

(3)局室研究所、支店、事務所

日本銀行は、本店に15の局室研究所を置いています。また、日本銀行は、本店のほか、国内に32の支店、14の事務所を、海外に7の駐在員事務所を置いています。

(4)資本金および出資

日本銀行の資本金は1億円と日本銀行法により定められています。そのうち55,008千円(平成27年3月末時点)は政府出資であり、残りは民間等の出資となっています。なお、日本銀行法では、「日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、五千五百万円を下回ってはならない。」と定められています。

日本銀行の出資者に対しては、経営参加権が認められていないほか、残余財産の分配請求権も払込資本金額等の範囲内に限定されています。また、剰余金の出資者への配当は払込出資金額に対して年5%以内に制限されています。

(5)沿革

日本銀行は、わが国の中央銀行として、明治15年6月に制定された日本銀行条例に基づき、同年10月10日に業務を開始しました。昭和17年2月には、日本銀行法が制定され、日本銀行は同年5月1日に改組しました。

昭和17年の日本銀行法は日本銀行の目的について、「国家経済総力ノ適切ナル発揮ヲ図ル為国家ノ政策ニ即シ通貨ノ調節、金融ノ調整及信用制度ノ保持ニ任ズルヲ以テ目的トス」と定めるなど、戦時色の濃い内容となっていました。

この昭和17年の日本銀行法は、戦後数次に亘って部分的な改正が行われ、昭和24年6月の改正では、最高意思決定機関として政策委員会を設置することが定められました。

平成9年6月、「独立性」と「透明性」という2つの理念の下に、日本銀行法は全面改正され、改正後の日本銀行法は平成10年4月1日に施行されました。

まとめ

日本銀行について説明してきました。日本銀行には、以下の3つの役割があることが分かりましたね。

  • 銀行のための銀行
  • 政府銀行
  • 発券銀行

日本銀行は、通貨や金融の調節を行う日本の中央銀行です。日本の金融政策にとって最も重要な銀行という事になりますね。


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