12月25日って何の日?

1.クリスマスの起源・意味

①イエス・キリストの降誕祭

イエス・キリストの降誕を記念する祭事、「キリスト」+「ミサ(典礼)」が由来となりクリスマスと呼ばれるようになった。2世紀~4世紀頃、古代ローマのミトラス教から始まり、後にローマ皇帝によってキリスト教のクリスマス行事として広まったとされている。

何故12月25日なのか~光・太陽の力~

ミトラス教では、年間で最も昼間が短くなる冬至を境に再び昼間が長くなっていく=太陽の力が強まっていくことを祝い「光の祭り」という行事が行われていた。その祭りが行われていたのが12月25日。教会は、聖書に救主を光(太陽)とする記述があることなどを理由に、太陽の復活はキリストの復活であるとして、12月25日をキリストの降誕祭に制定。

さらに、ローマ帝国の土着のお祭りやゲルマン民族のお祭りなど、さまざまな土着信仰の形式を吸収しながら、現在まで続くクリスマスが形作られていったとされている。

「クリスマス」の日は24日から始まっている?

厳密に言うとクリスマス=「12月24日の日没後から25日の日没前まで」、クリスマスイブ=「24日の夜」を指す。

クリスマスツリー

古代ゲルマン民族の樹木信仰とユール(冬至祭り)が関係している。寒さに強い樫の木を永遠の象徴として崇拝していた古代ゲルマン民族。

キリスト教の宣教師が彼らを改宗させようと樫の木を切り倒したところ、すぐ側からモミの木が生えてきたことからモミの木をクリスマスツリーとして使う習慣が定着された。北欧諸国では今もなお、クリスマスを「ユール」とも言う。

*ツリーの一番上の星:イエス・キリストの降誕を知らせた「ベツレヘムの星」

*ボールのオーナメント:アダムとイヴが食べた「知恵の実」

*ベル:キリスト誕生を知らせる鐘

*杖型の飾り:人々を幸福へ導く羊飼いの持つ杖

*松ぼっくり:聖母マリアを助けたモミの木(マツ科)

(※聖母マリアがイエスを身ごもっていたときに、その子がいずれ人々の救世主となることを知ったユダヤ王は自身の栄華が終わることを恐れ、マリアを捕らえようとした。マリアと婚約者のヨセフが、王の使いから逃亡したときに「モミの木」に身を隠し難を逃れたと伝えられている。

このことから、モミの木は「勇者のモミ」と呼ばれるようになり、モミの木とそっくりの実がなる松ぼっくりが装飾品として伝わっている。)

赤、緑、白が多いのは何故?

ポインセチアの形がベツレヘムの星に似ているとされたことから。ポインセチアは赤(花びら)、葉(緑)、樹液(白)で構成されているため、この3色がクリスマスカラーとして広がった。(参考:ウィキペディア、ルアンマガジン公式HP)

既に情報が盛り沢山。さすがのクリスマス。一番興味深かったことは、イブは24日を指してはいなかったということだ。厳密に言うと「明日はイブだ!」という表現も間違っていることになり、「イブの夜予定ある?」は「24日の夜の夜予定ある?」とあまりスマートではない誘い言葉になる。

面白い。また、個人的に「赤」「緑」「白」の色合いが非常に好きなので、ポインセチアありがとうという気持ちだ。フランスで定番のケーキ ブッシュドノエル(仏:ビュシュ・ドゥ・ノエル)の画像も出てきて非常に食べたくなった。(ビュシュ・ドゥ・ノエル=クリスマスの薪の意味)ちなみに、クリスマスリースには「神からの永遠の愛」という意味があるという。

いくらでも深堀が出来そうだが、私の脳内キャパが限界寸前のためこのあたりで留めておきたい。「クリスマスツリーにはキリストにまつわる物が散りばめられている」ということが分かったので良しとし、世界の12月25日を見てみよう。

2.200台の車と人が作るスターパレード(タイ)

タイの首都バンコクから北東に位置する、サコンナコーン県にあるバーンターレー地区。そこには100年の歴史をもつターレー・コミュニティ、タイ最大のローマカトリックのコミュニティがあり、1982年から毎年星の行進(スターパレード)が行われている。

パレードは12月25日の18:00からローマカトリック大司教区のタレーとノンセンで行われ、200台以上の電飾を纏った車や、サンタクロース、天使などに扮した人々も行列に加わり、何千人ものキリスト教巡礼者や地元の人々が手作りの星のランタンを手に行列を為す。

パレードにはサコンナコーン県だけではなく近隣のカトリックコミュニティも参加。聖ミカエル大聖堂ではミサが行われるほか、市内トラムツアーやウォーキングストリートなども行われる。(参考:タイ国政府観光庁公式HP)

画像で見る限り、スターパレードは某テーマパークのパレードレベルだ。車に至っては、フロントガラス以外を除き、サテンのようなテカテカした生地と色をふんだんに使った装飾品で全体が覆われているため車体の原型はもはやわからない。

ところどころにクリスマスカラーを意識した配色が見られるが、各々自由に派手な色を組み合わせて装飾をしている車がほとんどだ。パレードを見ている人たちは、屋台飯の袋を持ち、カチューシャやサンタの帽子を被って楽しんでいる。

以前、仕事で一年間タイの首都バンコクに住んでいたことがある。バンコクにはいくつか大きいショッピングモールがあり、BTSという電車やバスでよく買い物に行っていた。特に、サイアムパラゴンやセントラルワールドはいつ行っても賑やかで都心!感が強い場所だが、クリスマスの時期はもうお祭りだった。

普段から自撮りをする習慣があるタイの人々のために、フォトスポットがふんだんに設置されており、若者だけでなく、買い物ついでに立ち寄ったと思われる中年男性もフォトスポットで一人写真を撮る。何故か、大半は真顔で。ツリーやイルミネーションで賑わう横では、普段と変わらず屋台で店番をしているお母さんがいる。

今回紹介したバーンターレー地区の他に、キリスト教徒が多いクディーン地区(旧ポルトガル人移住区)では、教会の敷地内で生演奏のクリスマスソングがかかる中、半袖短パンの人々がフォークダンスをしている姿をYouTubeで見た。

クリスマスムードを味わいつつ、食べる物や一緒に過ごす人は普段と変わらず、日常と非日常が混ざり合っている街並みがタイらしく非常に良いなぁと感じた。イルミネーションは年末までやっている場所が多いので長く楽しめるのも魅力だ。

3.ニューイヤー・ツリー(ロシア)

ロシア正教のクリスマスはユリウス暦の1月7日。そのため新年のカードには「新年、明けましておめでとう!&メリークリスマス!」と書かれていたり、その年の干支と一緒にロシア版のサンタが描かれていたりする。首都モスクワにある赤の広場には巨大なモミの木が現れ、屋外スケート場は常に人で賑わい、氷の滑り台や回転木馬にも子どもたちの長い列が出来る。

年が明けクリスマスの1月7日、ロシア正教の信者は教会のミサへ。伝統的な食べ物として、ドライフルーツやナッツ、小麦などを混ぜて作る甘いお粥「クチヤ」を食べる家庭もある。12月25日、ロシアでは普段通りに過ごす1日だ。(参考:ロシア文化フェスティバルブログ)

新年とクリスマスが同時に来るのか、なんてめでたいことだろう。また、ロシア版のサンタとはジェド・マロース(民間伝承に登場する霜の精)と呼ばれる青い服を着たお爺さんで、連れているのはトナカイではなく孫娘のスネグラーチカ。

真っ白なひげに雪の結晶を連想させる青い衣装を纏った彼を見ると、なるほど霜の精だと説得力がある。孫娘に手伝ってもらっているというのもチャーミングだ。 話は少しズレるが、年明け1月1日の0時、ロシアではクレムリンにあるスパスカヤ・タワーの鐘が鳴り響く姿がTVに映し出される。

日本で言う除夜の鐘にあたるが、広大な面積を持つロシアでは国内でもいくつかの時差があるため東から順番に新年をリレーしていくという。クレムリンの鐘が出す12回の音色がこれまた荘厳なので是非一度見て頂きたい。ライトアップされた塔を見ながら新しい年への思いを馳せる時間を過ごしている人々が目に浮かんだ。

まとめ

2つの国のクリスマスを紹介したが、他にも世界中でユニークなイベントや風習が存在していると思うとワクワクする。皆、その国や地域に根付いた習慣とともに思い思いのクリスマスを過ごしているのだ。ありきたりな言葉だが、世界は広いと感じさせてもらった。

私は、サンタの姿は遥か昔に見ることがなくなった(チョコなどのお菓子が入った靴下の形をした雑貨を買い満足している)が、それでも、冬の夜の街が輝くこの時期がとても好きだ。クリスマスムードを全身で感じたい一心で、いつもだったら避けるような人混みの都心を出歩きたくなる。

人間観察が好きな人はもちろん、クリスマスマジックと言おうか、普段のライトアップされていない街より一人ひとりがドラマチックに見えるので皆様にもお勧めしたい。携帯画面を気にしながらまだかまだかと誰かを待っているお洒落をした若者、ライトアップに見向きもせず颯爽と歩くお仕事バリバリスーツ姿の会社員、犬を連れて散歩をしているダウンコートを着た女性。

見慣れた街並みが、”クリスマス”という煌びやかな灯りに照らさせ、より一層人の姿も輝いているように感じる。冷たい空気を優しく包み込んでくれるような灯り。また、矛盾するが、12月25日はいつもと変わらない日だという考えも好きだ。実際、ロシアの人々のように12月1日や12月19日と同じ一日だと過ごしている人も多いだろう。

ケーキやチキンを食べることがなくても、ディナーが美味しいお店に出向くことがなくても、その人なりの一日を過ごせていれば良いのだ。家で一人、ポテチとチーズとお酒とともにアマプラ鑑賞をする夜なんて最高ではないか。自分が好きな空間で、好きな景色を見て、美味しい物を食べることこそ幸せだと私は思う。

クリスマスというのは、一緒に過ごしたいと思う人を食事に誘ってみようかという気持ちにさせてくれたり、普段言葉に出来ない気持ちをプレゼントで贈る機会をくれたり、アマプラ鑑賞のお供に小さなケーキを追加してくれたり、残業後に車内から見える光をぼうっと眺める時間をくれたり、そういうものであったらいいなと思う。そう願いながら今年も冷たく暖かい街を出歩く。

メリークリスマス!!!


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