キャンピングカーの魅力や意外と知らない使用用途を紹介
キャンピングカーというネーミングから連想されるのは、「キャンプをする車」というイメージではないでしょうか。しかし、キャンプはキャンピングカーの遊び方・楽しみ方のほんの一要素に過ぎません。
快適に生活できる「家」と、好きな場所に移動できる「車」。2つの要素を併せ持ったキャンピングカーの利点を生かせば、キャンプや車旅、アウトドア・アクティビティや趣味のベース基地、ペット旅など、遊び方は自由自在です。
「時間に縛られず、自由に旅ができる」のが、キャンピングカーのメリットと言えます。ファミリーなら、子供と一緒にかけがえのない思い出を作れますし、旅や自然の中でのびのびと子育てが可能です。夫婦なら、行きたい所や食べたいものを気ままに巡る自由な旅を楽しめ、コンパクトな空間で共に生活することで、さらに絆を深めることが出来ます。
幅広いユーザーのニーズに応えられる柔軟性と多様性がキャンピングカーの最大の魅力です。ここでは、キャンピングカーの種類・遊び方・楽しみ方の具体例を紹介していきます。
キャンピングカーの種類について
一口にキャンピングカーといっても、大きさや装備の充実度など内容はさまざま。
調べれば調べるほど「自分に合った1台を見つけるのは難しい……」と思ってしまうのではないでしょうか。
まずは、キャンピングカーのすべての種類について詳しく解説します。キャンピングカーは大きく6種類に分けられます。
サイズや形状、ベース車両の種類により、6種類に分けられます。維持費や価格が大きく異なりますので、単に「サイズが大きければ良い」というわけではありません。
また、価格ばかり気にしすぎて、購入後に小すぎたり必要な装備がないことに気づき、不便を感じてしまうのも本末転倒です。
価格と使い勝手の両方で自分にちょうどよいキャンピングカーを選ぶには、まずはキャンピングカーの種類について知る必要があります。
フルコンバージョン(フルコン)/セミフルコンバージョン(セミフルコン)
まず最初は「フルコンバージョン(フルコン)」。専用のフレーム・エンジン・駆動系などで構成されているキャンピングカーです。
キャンピングカーのために一から作られた車体のため、室内の使い勝手は抜群です。
キャンピングカーの最高峰に位置付けられており、車体は大きく、デザインも洗練されていますバスをベースに、キャビンやフロアを残してカットし、キャンピングカー用のシェルを繋げた「セミフルコンバージョン(セミフルコン)」という種類もあります。
フレーム・エンジン・駆動系などがすべてキャンピングカー専用であるフルコンに対し、セミフルコンはバスのエンジンや駆動系を使用しているという違いがあります。
フルコン、セミフルコンともに、シャワーやトイレが標準装備されているものが多く、まるで自宅のお部屋で過ごすように使用できるため、長期間キャンプや快適さを求める方におすすめです。
こんな方におすすめ
- 頻繁に長期間のキャンプや遠征をする方
- キャンピングカーに徹底した快適さを求める方
キャブコンバージョン(キャブコン)
次にご紹介する「キャブコンバージョン(キャブコン)」は、トラックをベースに、荷台部分をキャビンにしたキャンピングカーです。
ハイエースやキャラバンなどのバンと同程度の大きさのトラックをベースに、シェル部分を架装したものを繋げているため、運転しやすいサイズです。また、フルコンやセミフルコンと比べて価格が安く、比較的手に入れやすいため、日本では最もメジャーなタイプのキャンピングカーとして知られています。
フルコン/セミフルコンには及ばないものの居住空間は十分に広く、キャビンの上部に「バンクベッド」と呼ばれる大人2〜3人が寝られるスペースも設けられているため、大人数で楽しみたい方やファミリー層も満足できるでしょう。
こんな方におすすめ
- ファミリーや大人数で楽しみたい方
- フルコン/セミコンよりもサイズや価格を抑えて入手したい方
バスコンバージョン(バスコン)
「バスコンバージョン(バスコン)」は、バスの車体をそのまま利用し、内装をキャンピングカー仕様に改造したキャンピングカーです。
海外では大型バスをベースにしているものが多いものの、日本では運転のしやすさや駐車スペースを考慮し、マイクロバスをベースにしたものが多く販売されています。
常に数人が乗車することを想定して作られたバスベースのキャンピングカーは、乗り心地がよく、エンジンパワーも申し分ありませんので、大人数でアウトドアを楽しみたい方や、移動中も快適に過ごしたい方に向いているでしょう。
車内は広くて床がフラットなのでオリジナルの内装を作りやすく、内装を自分好みにカスタムしたい方にも人気があります。
こんな方におすすめ
- 大人数でアウトドアを楽しみたい方
- 移動中も快適に過ごしたい方
- 内装を自分好みにカスタムしたい方
バンコンバージョン(バンコン)
バンコンバージョン(バンコン)」は、ハイエースやキャラバンなど、ワンボックス車の内装を改装したキャンピングカーです。
キャブコンと比べると室内空間の広さでは劣りますが、ボディに大きな装飾がないためベース車両とサイズがあまり変わらず運転がしやすく、また、街中でも普通の車として気軽に運転できるのが特徴です。
維持費が一般的なバンと同じである点も魅力的で、キャンピングカー初心者にも人気が高いです。
ポップアップルーフやキッチンを搭載した本格的なモデルや、簡易的な就寝用設備のみ搭載した車中泊仕様など、さまざまなユーザーの要求に応える数多くのモデルが販売されています。
こんな方におすすめ
- 普通の車と同じ感覚で運転したい方
- 子どもがまだ小さいファミリーや大人2~3人で楽しみたい方
軽キャンパー(軽キャン)
「軽キャンパー(軽キャン)」は、軽自動車をベースにしたキャンピングカーです。
小型のため1〜2人での使用が前提となりますが、小さな車体は小回りも効くため運転しやすく、手軽にキャンピングカーを楽しみたい方におすすめのモデルです。自宅の駐車スペースにも余裕を持って停められます。
価格の安さも魅力です。維持費も普通乗用車程度の費用で所有できます。
装備を充実させるために、軽自動車のサイズを超過したものもありますが、それでも軽自動車をベースとしていることには変わりありませんので、バンコンやキャブコンなどと比べると維持費は遥かに安いです。
こんな方におすすめ
- 少人数で手軽にアウトドアを楽しみたい方
- 低コストで運用したい方
キャンピングトレーラー(トレーラー)
最後にご紹介するのは「キャンピングトレーラー(トレーラー)」。独立した居住空間を自家用車で牽引し、キャンピングカーとして使用します。
原動機自体を持たないため通常のキャンピングカーと比べて価格が安く、気軽に入手できるのが特徴です。また居住空間が広く、内装も充実しているものが多いです。
使用しないときは牽引車と切り離しておけば、自宅の一室としても使用できますので、既にマイカーを所有しており、たまにキャンプを楽しみたいという方にもおすすめです。
注意点として、牽引車側には牽引装置のヒッチボールを取り付ける必要があり、750kg以上のトレーラーを牽引するときは「牽引免許」が必要になります。
また、牽引車は普通車と比べると動きが特殊で、運転に慣れるまでコーナーやバックが難しいと感じるかもしれません。
こんな方におすすめ
- 広い室内空間や充実した内装を望みつつ購入時の負担を下げたい方
- 時々キャンプを楽しみたい方
2.キャンピングカーの遊び方・楽しみ方について
(1)手軽にキャンプを楽しめる
サイトにクルマを横付けできるオートキャンプは、キャンピングカーのポピュラーな活用法の一つです。テントキャンプは設営・撤収に時間と手間がかかり、初心者には敷居が高いですが、キャンピングカーなら、そうした手間は激減します。
「家」の役割を果たすキャンピングカーがあれば、わずらわしい大型テントの設営は不要だからです。サイドオーニングをサッと広げて、最低限のキャンプ道具を並べれば、アッという間にプライベート空間が完成します。設営・撤収を手早く済ませられることで、節約した時間を遊びに回せ、貴重なキャンプの時間を有意義に使えます。
また、キャンプサイトに装備されたACコンセントをクルマに繋げれば、家と同様に電化製品が使用でき、万が一の悪天候時は車内に逃げ込むことも出来ます。キャンプ道具が少ない分、雨天時の設営・撤収の手間も最低限です。キャンピングカーがあれば、初心者でも手軽に自然の中での生活を満喫出来ます。キャンピングカーは、まさに「最強のキャンプツール」と言えるでしょう。
(2)機動性抜群の車旅
チェックイン・チェックアウトの時間を気にせず、朝から晩まで目いっぱい時間を使って自由気ままに旅が出来ます。キャンピングカーの機動力を生かして車中泊しながら観光地等をめぐる「車旅」は、キャンピングカーにしかできない遊びのスタイルの筆頭です。
思い立ったら、家族やペットをキャンピングカーに乗せて即出発。宿泊先を予約する必要も、目的地を決める必要もありません。車中泊公認の駐車場「RVパーク」や「オートキャンプ場」、高速道路のSA・PAや道の駅での仮眠を組み合わせながら、観光地やテーマパーク、温泉、グルメスポット等を自由に巡る事が出来ます。
例えば、グルメ番組で見た地方の名産を「食べたい!」と思ったら、その日の夜に即出発し、翌日には現地を訪れて、テレビで見た名産品に舌鼓を打ったりと、キャンピングカーの機動力を生かせば、そんな芸当も朝飯前です。
(3)ペットと一緒に気ままな旅
ペットは大切な家族の一員です。旅行にもペットを連れていきたいと願うのは、飼い主にとって当然の事ですが、受け入れてくれるホテルや旅館が限られるため、ペットと気軽に旅行をするのは難しいですよね。
そんな時、キャンピングカーがあれば、ペットと一緒に自由な旅を満喫出来ます。車内で寝泊まりできるため、事前にペットと泊まれる宿を探して予約する手間もなく、キャンピングカーにペットを乗せて気の向くまま出かけ、夜は車内で一緒に就寝して過ごす事ができます。
居住性に優れたキャンピングカーの車内は、ペットにとっても快適な空間です。食事や入浴の際に留守番させておくのも安心ですし、シャワー設備があれば散歩後にペットの足を洗うことも可能です。サブバッテリーで稼働するエアコンが装備されていれば、夏場の炎天下でもエンジンを停止した状態で、安心してペットを留守番させることも可能です。
(4)アウトドアのベース基地
キャンプや車旅といった定番の遊び方以外に、アウトドア・アクティビティのベース基地としても、キャンピングカーが大いに活躍します。
例えば、サーフィンです。絶好の波を求めてサーフポイントに早朝入りするサーファーにとって、フラットなベッドで就寝できるキャンピングカーは最強のツールと言えます。
長さのあるボードやサーフギアも余裕で収納でき、シャワー設備があれば、海から上がった後にシャワーを浴びたり、サーフボードを洗うことも出来ます。
同様に、早朝から活動する登山のベース基地としてもキャンピングカーが重宝します。前日の夜に登山道入口の駐車場に車を止めて、車内で仮眠し、翌日の早朝に、登山装備を整え、山頂を目指してアタックを開始したり、登山後には、大人が立てる車内で着替えを済ませ、近場の日帰り温泉でゆったりと疲れを癒したり、スキーやスノーボードなどの、ウインタースポーツとの親和性も高いと言えます。
ゲレンデの駐車場に車を止めて、朝からスキーやスノボを楽しみ、キャンピングカーを休憩や食事のスペースとして活用する。外は氷点下でも、FFヒーターで温まった車内はTシャツで過ごせるほど快適です。
他にも、カヌー、釣り、天体観察、写真撮影等、アウトドア・アクティビティや趣味を思う存分楽しみたい人にとって、キャンピングカーは最高のベース基地になります。
(5)移動オフィスとして活用
モバイル環境が整い、どこにいても仕事ができるようになった現在ではフリーランスの方が増加傾向にあるなどワークスタイルにも変化が生まれてきています。
そんな中、「車内で生活できる」家の要素と、「自由に移動できる」車の要素を併せ持ったキャンピングカーは、まさに移動式オフィスです。
レジャーだけではなく、ワークプレイスとしても活用できます。テーブルとシートで構成されたダイネットは、デスクワークのスペースとして十分な広さです。
キャンピングカーには生活用電源のサブバッテリーが搭載されているため、家と同様にACコンセントを使ってノートパソコンやスマホ、タブレットの充電も可能です。
休憩時には車内でテレビを観ることもでき、疲れたらベッドで横になれます。寒い日でも、FFヒーターを使えば車内温度は常に快適です。インターネット環境さえ整えれば、キャンピングカーの車内はメインオフィスとしても十分に機能します。
静かな湖畔のキャンプ場や海辺の駐車場、下界が一望できる景色の良い高原の駐車場…。好みのロケーションにキャンピングカーを止めれば、いつでもそこがオフィスに早変わり。自分だけのプライベートオフィスなら、いつも以上に仕事がはかどる事でしょう。
(6)前泊の活用で渋滞回避
車内で就寝できるキャンピングカーの強みは、前泊ができることです。前夜に出発して目的地周辺で車中泊すれば、週末に1日しか休みが取れない人や連休が取れない人でも、朝から目いっぱい行動でき、驚くほど遊びの時間を充実させられます。観光、テーマパーク、公園、キャンプ等、どんな遊び方でも前泊による時間的メリットは大きいでしょう。
また、前泊をうまく活用することで、渋滞を回避できるのも大きなメリットです。普通乗用車の場合、週末や大型連休の朝に出発するため、道中の渋滞が悩みの種ですよね。しかし、車内で快適に就寝できるキャンピングカーなら、道路が空いている夜のうちに渋滞なしの快適なドライブができ、目的地の近くにある高速道路のSAやPA、道の駅で仮眠すれば、朝から時間を有意義に使えます。
帰宅時にUターンラッシュの渋滞にハマってしまった場合は、高速道路のSAで仮眠をとって、帰宅時間をずらしてしまうのも一つの手となります。入浴施設を併設したSAで入浴と食事を済ませ、渋滞が解消するまで車内でテレビを観たり、仮眠をとったりして過ごす。これぞまさに、キャンピングカーならではの渋滞回避テクニックです。
(7)ユーザー同士の交流も盛ん
キャンピングカーを所有することで、キャンピングカー仲間が増えて、遊びの幅が広がるという楽しみもあります。
キャンピングカービルダーが主催するキャンプ大会のほか、SNSでもキャンピングカーのコミュニティが数多く存在し、各地でオフ会が行われる等、ユーザー同士の交流が盛んに行われています。
キャンプ大会やオフ会に参加することで、住所や年齢、職業の垣根を越えて、キャンピングカーという共通の楽しみを持つ友人が得られる。これも、キャンピングカーならではの魅力の一つと言えるんではないでしょうか。
まとめ
今回は、キャンピングカーの種類から楽しみ方までご紹介しました。
キャンピングカーには、普通自動車と同じくらいの費用で買える軽キャンや、すでに車をお持ちの方でもそれに追加するだけのトレーラーなど様々な種類があります。
新しく買うのは勇気がいるという方は、とりあえずお持ちの車の内装を整えて挑戦してみるのも良いかもしれません!
キャンピングカーで、自然に触れる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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